「仕事がしんどい」と思うことは誰にでもあります。

しかしそれが長期に及んでいる場合は、自身からの危険サインなのかもしれません。

辛い状態を放置すれば、最終的には精神も身体も壊れてしまいます。

仕事がしんどいと感じたら、今回紹介する対処法を試してみましょう。

仕事がしんどい状態を放置するのはかなり危険

「お金をもらうのだから、仕事はしんどいのが当たり前」と考えている人は多いでしょう。

確かに、仕事は「楽で簡単なもの」ではありません。

しかし、忙しくても仕事を楽しみ、充実した生活を送っている人もいます。

仕事は楽で簡単なものではないですが、「しんどいもの」である必要もないのです。

もし今、「仕事がしんどい」「辛い」と感じているのなら、それは心や体からのSOSなのかもしれません。

一度心が壊れてしまうと、長期の治療が必要になることもあります。

心や体からのSOSを見逃さないようにしましょう。

仕事がしんどいと感じる原因とは

日常的に「仕事がしんどい」と感じていると、いつの間にかしんどくなった本来の原因を見失い、「辛い」という思いだけに囚われてしまいやすくなります。

しんどい状態を解消するためにも、自分自身でしっかりと原因を認識することが重要です。

ここでは一度、仕事がしんどいと感じるようになった原因を確認し、有効な対処法を打つための準備をしましょう。

職場での人間関係が悪い

どのような仕事であっても、人と接することは避けられません。

高圧的な人やチームワークを乱す人がいて、人間関係がギスギスしていると、仕事が辛いものになりがちです。

特に嫉妬心の強い人の中には、自分を良く見せるために他人の足を引っ張ったり、嘘で貶めようとする人もいます。

「人間関係」の部分でストレスを感じ続ければ、いつしか精神的にも追い詰められてしまうでしょう。

上司とウマが合わない

上司とウマが合わないことも、仕事がしんどいと感じる原因の一つです。

上司の能力不足で業務の割り振りがいい加減であったり、逆に完璧主義過ぎて一秒も気が抜けないということもあるでしょう。

自分自身が同じように適当な性格であったり、完璧主義ならそこまで辛くならないかもしれませんが、そうでない場合は苦しい思いをすることになるでしょう。

また、上司によるパワハラやセクハラも、しんどいと感じる原因となります。

日常的なハラスメントによって精神的に追い詰められると、被害者はいつの間にか「自分が悪い」と錯覚してしまいます。

もし何らかのハラスメントを受けているのであれば、それは「不条理なこと」であると、しっかりと認識しましょう。

給料に満足いっていない

同じ業種であるにもかかわらず自分だけ給料が少なかったり、長年勤めているのになかなか昇給しないということも、仕事がしんどい原因となるでしょう。

給与は言わば、仕事に対する評価です。

そのため、満足のいく給与が受け取れないと、「自分は評価されていないのでは?」と感じてしまうこともあるでしょう。

業務内容が自分に合っていない

人と接するのが極端に苦手なのに、営業の仕事をするのは無謀です。

細かい作業や検証が嫌いな人は、精密機械の製造開発をするのはしんどいでしょう。

このように、人には得手不得手があります。

しかし何らかの理由で、自分に全く合っていない業務に就いてしまうこともあるのです。

自分に合っていない業務は、なかなか結果も出ず、業務自体にもストレスを感じるので、非常にきついものとなるでしょう。

長時間労働

長時間労働は、仕事がしんどい原因の代表です。

休息が十分に取れないことで、様々な疾病のリスクが高まり、命の危険すらあります。

また自分の時間が無くなることで、ストレスも発散できなくなるので、精神的にも追い詰められていくでしょう。

「少し労働時間が長すぎる」「残業が多すぎる」と感じたのであれば、心身の状態に十分に注意しなければなりません。

仕事がしんどい時に現れるサイン

仕事がしんどい状態が続くと、身体的にも精神的にも不調が現れます。

最初は「少し調子が悪いな」くらいにしか感じませんが、不調が悪化すると取り返しのつかないことになりかねません。

ここでは仕事に対するしんどい状態が続いたときに現れる症状を紹介します。

少しでも当てはまっていると感じたら、注意深く自分自身を観察し、悪化させないように対処しましょう。

身体的に現れるサインとは

疲れが取れない、常に気だるい、日中にも眠気が出るなど、これらの症状があれば、それは仕事がしんどいサインです。

足が重く感じたり、体中のこりがひどい、お腹を壊しやすくなったなども身体のSOSの可能性があります。

他にも極端に食欲が増し体重が増えたり、逆に食べられなくなり体重が減少するのも危険なサインです。

仕事がしんどいとき、身体は体調不良という形でその辛さを示してくれます。

「これくらい大丈夫」と軽く考えずに、しっかりと対処していきましょう。

精神的に現れるサインとは

仕事がしんどいときは、精神的にも不調が顕著に現れます。

主には、気分が重く何に対する意欲もわかなくなったり、不眠、イライラの継続、不安感、思考力の低下などです。

これらの症状はどれも「抑うつ」状態のときと同じであり、かなり危険な状態だと言えます。

少しでも思い当たることがあれば、「しんどい」を放置せずに早急に心を休めるような対処をしていきましょう。

仕事がしんどい時に試すべき対処法

仕事がしんどいと感じたら、何らかの不調が出る前に、しんどい状態を解消する方法を試しましょう。

根本的な解決にはなりませんが、原因を解決する前に心身の健康が損なわれては、元も子もありません。

また、対処法を試すことで、今まで辛いと感じていたものが、どうでもよくなる可能性もあります。

実際に原因と向き合い、解決していく前段階として、「仕事がしんどい時の対処法」を試していきましょう。

不満を吐き出す

同僚や友人、家族など、誰に対してでも良いので自分の感じている「しんどいこと」を相談してみましょう。

人は一人で悩むと、どうしてもネガティブな方に思考が向かってしまいます。

最終的には今の辛さの原因は、自身の力不足や、プレッシャーへの弱さが原因だと思い込んでしまうのです。

しかし他人に相談すると、意外とそうでもないことが分ります。

他人から見れば環境や上司が悪いのに、本人はいつの間にかしんどい原因を自分のせいとしてしまっているのです。

また不満を吐き出すのは、単純にストレス発散ともなりますので、辛くなったらまずは誰かに相談してみましょう。

職場以外で自分の「居場所」を作る

人生の大半を過ごす場である職場は、どうしても精神的に大きな場所になってしまいがちです。

そこでの人間関係が上手くいかなければ、やはり精神的にもきつい状態になります。

そこでおすすめしたい対処法が、仕事以外で自分の「居場所」を作ることです。

趣味でも、何かの集まりでも良いでしょう。

とにかく、「ここに行けば皆が待ってくれている」という場所を作るのです。

精神的に職場に依存しなくなれば、仕事での辛い出来事も、多少は軽く流せるようになるでしょう。

目標を持って仕事に取り組む

仕事内容自体に興味を持って取り組めていない場合、些細なことも辛く感じてしまいます。

興味が無ければ、厳しくされることに納得がいかなかったり、大きなプレッシャーの掛かる仕事を受けたいとは思わないでしょう。

折角、今の仕事をしているのですから、業務内容に興味を持ち、自分なりの目標を持ってみるのはどうでしょうか。

明確な目標があれば、多少のしんどい状況も気にならなくなるはずです。

ただし一生懸命になりすぎて、身体を壊さないようにだけ注意しましょう。

思い切って有休を使う

休暇が余っているなら、思い切って有休を取って羽を伸ばしましょう。

普段の休日ではすぐに出勤日が来るので、思い切りのある行動ができません。

そこで数日間、思い切って休暇を取ることで、自由に思いつくまま行動してみるのです。

旅行に行くでも良いですし、観たかったドラマシリーズを家にこもって楽しむのでも良いでしょう。

とにかく普段は仕事が気になって、やる気の起きない楽しみを実践してみます。

適度に毒抜きをすることで、心身ともにリフレッシュできるでしょう。

心療内科でケアする

抑うつ的な症状が出ているのであれば、ひどくなる前に心療内科に行きましょう。

「この程度で行くのは恥ずかしい」と思う必要はありません。

今仕事で「しんどい状態」になっているのは紛れもない事実なのです。

他の病気と同じように、軽症のうちに治しておくに越したことはありません。

仕事がしんどい状態がずっと続く場合の解決策

息抜きなどの対処法を試しても、仕事がしんどい状態が続くのであれば、根本的な原因を解決する必要があります。

業務上の不満、過度のプレッシャー、人間関係のストレス、どれも放っておいてもマシになることはありません。

ここでは、仕事がしんどい状態から抜け出すための解決策を紹介していきます。

自信に当てはまる事例に応じて、解決策を実行してみてください。

仕事の量を減らす

「仕事の量が多すぎてきつい」「業務内容に対して大きなプレッシャーを感じている」という状態であれば、一度上司に相談してみましょう。

上司に悪意がなく、「この人に任せておけば大丈夫」という期待をされているために、実力以上の仕事を振っている可能性があるからです。

期待されるのはうれしいことですが、自分の力量以上のものを与えられては、きちんと対処することができません。

「できない人と思われたくない」という気持ちもあるでしょうが、ここは恥を捨ててしっかりと申告することをおすすめします。

無理をしてしんどい状態を続け、心身が不調になっては意味がありません。

上司に相談する

職場内の人間関係や、作業手順について不満があるのなら上司に相談しましょう。

小さな職場であれば上司が全て把握していることもありますが、少し規模が大きくなれば全てを知ることは難しくなります。

そのため、組織の末端で人間関係によるいざこざが起きていたり、非効率的業務が行われていても上司が気付いていないこともあるのです。

このような場合は、相談すると意外と簡単にしんどい原因が解決することもあります。

待遇の改善を申し出る

給与面や、労働時間、福利厚生などが著しく不条理だと感じる場合は、改善を申し出る必要があります。

月間の残業時間が多すぎたり、社員に対する待遇が悪い場合は、そもそも労働基準法に抵触している可能性すらあるでしょう。

もちろん、まだ会社の利益が少なく、従業員全てが無理をして仕事をしなければ成り立たない段階というのもあります。

とは言え、しんどい思いをし、人間らしい生活を損なってまで仕事をするのは良いこととは言えません。

副業などで自分で稼ぐ力を身に付ける

いくら労働環境が悪く、きつい職場でも「この仕事をやめたら生きていけない」という思いがあると辞めることができません。

そこでお勧めしたい解決策が「副業」を始めることです。

会社以外の収入源があれば、しんどい気持ちはグッと楽になります。

また、「ここで上手くいかなくても何とかなる」という気持ちがあれば、職場で必要以上に委縮する必要もなくなるでしょう。

転職する

職場の環境や自分への待遇など、いくら努力しても何も変わらないのであれば、転職するのがおすすめです。

転職するの、そう簡単にはいかないかもしれません。

しかし、延々と精神と体力をすり減らして仕事をし続けるのであれば、多少苦労してでも職場を変える方が良いでしょう。

辛い思いをしながら働いても、本来の実力は出せない上に、幸せにもなれません。

転職の際は、自分が今の会社に対し「しんどい」と思っていた悪い部分がない会社をじっくりと探しましょう。

仕事がしんどいまま働き続けるとどうなるのか

仕事がしんどいまま働き続けても良いことはありません。

ここでは何の対策も講じず、しんどいまま働き続けるとどうなってしまうのかを紹介します。

本来の能力を発揮できない

自分に合っていない業務や、過度のプレッシャーにさらされているようなしんどい状態では、本来の力を出すことができません。

結果としていくら頑張っても評価に繋がらず、給料は上がらない、残業は増えるという悪循環に陥ってしまいます。

人生を無駄にしてしまう

仕事が辛い状態を放置すれば、やり甲斐のないことに人生の貴重な時間を費やしてしまうことになります。

待遇の悪い会社に勤め続ければ、ぎりぎり生活するのがやっとで、自分の時間を持つことはできないでしょう。

組織の歯車として稼働し、老朽化すれば入れ替えられるのです。

これでは人間らしい生活をしているとは言えません。

事故や過労死のリスクが増える

長時間労働は著しく集中力を低下させ、事故を引き起こしてしまう可能性があります。

人間は疲れが限界に達すると、本当に一瞬で意識を失うのです。

運転中、機械の操作中は1秒でも意識が無くなれば大事故に発展する可能性があります。

また「まだまだ頑張れる」と疲労から目を背け続けた結果、突然翌朝目覚めなくなることもあるでしょう。

きついときには、身体は常に危険を知らせてくれます。

命を守るためにも、身体の声には耳を傾けましょう。

精神疾病を発症してしまう

仕事がしんどいのを放置しても最初は「仕事行きたくないな」「だるいな」という気持ちだけなので軽く見てしまいがちです。

しかし症状を悪化させてしまい、不眠や摂食障害などになってしまうと一気に辛いものとなってしまいうでしょう。

「うつ」などの精神疾病は一度発症してしまうと、完治するまでに数か月から数年を要します。

その間、症状に応じて通院や投薬を続けなければなりません。

そのようなリスクを考えれば、しんどい原因を早急に特定し、発症前に何とか抑える方法を探すべきでしょう。

仕事がしんどい状態を放置するのはかなり危険

「仕事がしんどい」という気持ちは、心と体から発せられるSOSです。

多少のストレスや、業務上のプレッシャーは仕方ないのかもしれません。

しかし不調になるほどの、しんどい状態は良いものとは言えないでしょう。

脳は今の状況が続くことの危険性を、心身に不調を出すことによって教えてくれているのです。

一度自分の内から発せられる声に耳を傾け、自分自身を大事にしていきましょう。