体育会系の企業って、実際どんな感じなのかな・・・?
こんな疑問にお答えします。
令和の時代に突入した現在でも、体育会系の企業というのは未だに数多く存在します。
中には「まだそんな古臭いことをやってるの・・・?」と驚くべきこともたくさんあります。
この記事では、バリバリの体育会系企業で2年間働いた経験を持つ僕が、その特徴と実態についてお話したいと思います。
下っ端はゴミ同然の扱い
体育会系企業では、下っ端は冗談抜きでゴミのような扱いを受けます。
雑用を全てするのは当たり前で、そのためには本来の業務開始時間よりも1~2時間早く出勤することを求められます。
しかも『雑用は仕事ではない!』という謎の概念があり、この時間は給料には一切含まれません。
そして先輩や上司はそれに対して、感謝の言葉の1つもありません。
逆に少しでも不備や抜け漏れがあると、「なめてんのかテメェ!!」と恫喝されます。
ここから解放されるためには、最低でも2期下以上の後輩が入ってきて全てを任せられる状態にする必要があるので、1~2年間はこの扱いが続きます。
飲み会への参加は仕事の1つ
体育会系企業において、飲み会は仕事とみなされています。
歴の長いベテラン社員や管理職クラスになると別ですが、それ以外の社員は飲み会へ参加しなければ徹底的に叩かれます。
特に入社歴3年目くらいまでの若手社員は、飲み会へ参加しないなど言語道断。
僕は飲み会が大嫌いで2年目の時に「大事な私用があるので」と飲み会に参加しなかったことがあるのですが(直属の上司には事前にその旨を伝え、了承をもらっていました)、その次の日出勤すると、先輩から「お前何なの?そういうことしてると誰もお前のこと助けてくれなくなるぞ。」とめちゃくちゃ詰められたことがあります。
さらに若手社員は、飲み会では先輩や上司へお酌をしてなが~い自慢話やお説教を正座して聞くことが暗黙のルール。
僕はそれをしなけれならない意味が分からずお酌をしないでいたところ、ベテラン社員から「俺はお前のことを同じ部署の一員として認めていない」と言われました。
別にあなたに認められないから何なんだよという話ですが(笑)
また、飲み会では有無を言わさず、1杯目は全員がビールを飲むことを強要され拒否権はありません。
以上のことから、飲み会が嫌いな人やお酒が飲めない人は、体育会系企業で生きていくのは大変難しいです。
先輩から仕事を奪ってなんぼ
上述の通り、雑用は全て下っ端がやるというのが当たり前になっているのですが、先輩の中にはごく少数ながら「俺もやるよ」と一緒に作業してくれる心優しい方もいらっしゃいます。
しかし、それを他の先輩に目撃されると「なんで○○さん(一緒にやってくれている先輩)がテメェらの手伝いしてんだよ!それも奪ってやるのがテメェらの仕事なんだよ!」と大激怒されます。
その先輩が「いや、俺がやりたいからやってるだけなんだからいいんだよ。」とかばってくれても、「いやいや○○さんがこんなことする必要ないんで大丈夫です!」と決して譲りません。
どの世代にもこういった悪しき慣習に染まった人間がいる限り、この気質は変わらないんだと痛感させられる出来事の1つです。
上司の命令は絶対
上司の命令に従うのはどの企業でも共通のことではありますが、体育会系企業ではそのレベルが段違いです。
例えどんなに理不尽な内容でも、明らかにコンプライアンスに反していても、認められる返事は「はい」か「Yes」のみ。
少しでも異議を申し立てようとすれば、袋叩きにされます。
また、複数の上司が正反対の命令をしてきた場合、社内的により立場の強い方である上司の命令に従うことになるので、その直前までやっていた仕事が全て無駄になることもザラです。
まさに軍隊と変わらないので、思考停止して命令通りに動くだけの駒になれない人は、体育会系企業では辛い思いの連続になるでしょう。
入社日が上下関係を決める
体育会系企業では、入社日が上下関係を全て決めます。
例え役職が上であろうと、入社日が早い相手には強く出ることができません。
今や崩壊したはずの年功序列を引きずっており、どんなに無能な人間であっても入社日が早いだけで従わなくてはなりません。
つまり長く勤めれ勤めただけ、お山の大将として君臨できるので、この気質が性に合ってる人にはこの上ない天国です。
一方で、実力がどれだけあっても根本的に変わらない気質に馴染めない優秀な人ほど、絶望して辞めていってしまいます。
結果的に企業に残るのはどうしようもない人ばかりなので、何も刷新されず時代に取り残されます。
殴る・怒鳴るは日常茶飯事
昭和の時代には当たり前に存在した、先輩や上司からの暴力や恫喝。
今やれば即刻大問題となるこれらの行為ですが、体育会系企業ではこれすら変わっていません。
頭をはたくなんて優しい方で、身体の目立たない箇所であれば殴る・蹴るは当たり前。
上述の通り、激怒され怒鳴られるなんて日常茶飯事なので、『これが普通』という認識の錯覚をさせられます。
本来であればおかしいことをおかしいと思えず、例え思っていても言えない環境に置かれ続けると、人間はそれに慣れてしまうのです。
体育会系企業は、そんなことをずっとやってきて今も繰り返しています。
体育会系企業に関わらないために
以上が体育会系企業の特徴と実態です。
僕が勤めていたのはわずか2年間でしたが、その間にも精神を病み休職した人や退職した人はたくさんいました。
そして、僕自身も心身が限界を迎えつつあったため、退職をしたというのが事の顛末です。
体育会系であることを丸々否定するつもりはありませんが、有無を言わせない上下関係や、気合と根性さえあれば何とでもできるという考え方は、1歩間違えれば組織に大きなゆがみを生じさせます。
業界としては身体を使う仕事(土木建築や警察や自衛隊など)や成果主義の仕事(営業系)には特にこの気質が多く残っているため、自分には馴染めないと思う方は職選びの際にこうした業界は避けるようにしましょう。
また、企業の口コミを調べることも有効な手段です。
実際にその企業で働いている(働いていた)人が投稿しているため、とても参考になります。
インターネット全盛であるこの時代だからこそ、こうしてあらゆる方法を使うことをおすすめします。