コールセンターで重要なポジションであるSV(スーパーバイザー)。
オペレーターの管理やフォロー、クレームに対する二次対応やクライアント対応など、その業務範囲は多岐に渡ります。
SVになれば給料が増えて、正社員になれるケースもあるので、オペレーターからの昇格を目指す人も少なくありません。
僕もかつてコールセンターで、オペレーターからSVになった経験があります。
本記事では、オペレーターからSVになるために最低限必要な、3つの要素を解説します。
SVはやる気があれば誰でもなれる
コールセンターのSVは、やる気さえあれば誰でもなれるチャンスがあります。
資格は不要で、特別なスキルやキャリアも必要ありません。
運営側である上層部も、本人のやる気を重視していることが多いです。
そのため、20代前半でSVになる人もいます。
昇格にあたって、年功序列や変なしがらみがないのは、嬉しいところです。
SVになるために必要なこと
SV自体には資格・スキル・キャリアは不要です。
ただし、大抵のコールセンターでは、以下の条件を満たす人がオペレーターからSVへの昇格を打診されます。
また、コールセンターによっては、社内公募でオペレーターからSVへ昇格したい人を募りますが、募集要件に以下の条件を設定していることが多いです。
オペレーターとして優秀な成績を挙げている
SVはオペレーターの模範となることが求められます。
日々の勤務態度はもちろんですが、オペレーターとして優秀な成績を出せる人でないと、説得力が出ません。
そのため、オペレーターとして文句のない、優秀な成績を挙げている必要があります。
具体的な成績項目はコールセンターによって異なるので、何が注目されるのか事前に確認しておきましょう。
上層部から気に入られている
コールセンターに限った話ではありませんが、昇格は後押ししてくれる人がいなければできません。
組織内で影響力を持つ人に気に入られれば、推薦されたり選考時に有利となります。
誰をSVにするか決めるのは上層部なので、上層部に気に入られることが必要です。
どんな偉い立場にあろうと人間なので、好き嫌いの感情からこうした決定が左右されることは往々にしてあります。
上層部から気に入られておくと、様々な情報を早く入手できるなど良いことが多く損はしません。
職場の人間関係で問題を起こしていない
コールセンターでは人間関係の問題が起きがちです。
クセのある人が集まりやすく、雰囲気が陰鬱としているコールセンターも多いです。
そんな中でSVは円滑な関係を築けるように、積極的にコミュニケーションを取っていくことが求められます。
自分だけではなく、周囲の人達の関係も良好にいくように、仲を取り持つ配慮も必要です。
それなのに自分が問題を起こしていては話になりませんよね。
SVは能力面だけでなく、人間性が問われるポジションなのです。
SVをやるにあたって覚悟しておくべきこと
SVになりたい気持ちがあるなら迷わずSVを目指すべきですが、いざやってみると理想とのギャップに苦しむことが少なくありません。
僕もかつて苦しめられましたし、苦しんでいるSVもたくさん見てきました。
ここからは、SVをやるなら覚悟しておくべきことをお話します。
いちいち怒らない
SVをやっていると、怒りに駆られることはしょっちゅうです。
オペレーターの問題行動、上層部の無謀な方針の決定、クライアントの勝手なリクエストなど問題は絶えません。
これら全てが、SVの負担として降りかかります。
そんな中でいちいちまともに怒っていたら、とても身が保ちません。
なので何が起きても、「あーまたバカな連中がバカをやってるな」と、日常の一部のような感覚で受け止めましょう。
オペレーターはワガママな子どもと思って接する
オペレーターの中には、責任感が欠如していたり、仕事に対する意識が低い人が少なからず存在します。
そのくせワガママを言いますし、自分がいかにラクをするかばかり考えています。
なのでオペレーターのことは大人とは思わず、ワガママな子どもだと思って接しましょう。
コールセンターはオペレーターが顧客対応をしてこそ成り立つので、彼等に頑張ってもらわなければいけません。
敵に回しても良いことはないので、目くじらを立てず暖かく見守る仏の心が必要です。
上層部に現場への理解は求めない
運営側である上層部は、現場の実情をほとんど理解していません。
オペレーターのレベル、顧客の属性、SVの苦労など、分かった風を装いますが大抵的外れです。
バカな指示を出してきて、そのたびに現場を苦しめます。
しかし、どれだけ上層部に訴えたとしても、彼等は現場のことを本当の意味で分かろうとはしません。
理解してもらおうとするだけ無駄なので、期待せずSVとしてやれることをやっていきましょう。
真面目にやっても報われない
SVは業務範囲が広く責任も大きいポジションですが、それに見合うだけの見返りはありませんし、報われることもありません。
オペレーターに比べれば給料は上がりますし、職歴としても有利ですが、SVをやるメリットはそれくらいです。
オペレーターからは方針やルールについて不満を言われますし、上層部からは現場の成績について叱責を受けます。
どれだけ真面目にやっても感謝されることは滅多になく、むしろ当たり前と思われるのがSVです。
力を抜いて少しいい加減にやるくらいが、ちょうどよいと言えるでしょう。
SVに向いていない人
SVはやる気があれば誰でもなれるポジションですが、以下に該当する人は向いていません。
向いてないのにSVをやると、自分はもちろん周囲の人達も苦しめることになるので、「自分には関係ない」と思わず省みてみましょう。
人望がない
SVはオペレーターの管理をしますが、オペレーターから嫌われていると、何の言うことも聞いてくれません。
どんなに仕事のデキる優秀なSVでも、人望がなければまともな仕事はできなくなります。
さらにオペレーターのパフォーマンスを左右するのは、SVと言っても過言ではありません。
「この人(SV)に認められたい」とか「この人に(SV)に褒められたい」など、そんな単純な気持ちでオペレーターは頑張ってくれます。
嫌われているSVだと、オペレーターは「いくらでも手を抜いてやろう」と考えて、散々な成績を叩き出すので、上層部からの当たりも強くなって厳しい状況に置かれるでしょう。
『見せ方』が下手
SVは常に周囲から見られるポジションです。
オペレーターや上層部だけでなく、同じポジションにいる他のSVからもです。
仕事振りはもちろん、人間性や職場内の人達との関係性、趣味嗜好まで全て見られます。
少しでも変なことをすれば、舐められて信頼を失う可能性もあります。
ここで重要となるのが、いかに『見せ方』が上手いかどうか。
大抵の人は表面上だけ見て判断してくるので、本性がどうであろうと見せ方が上手ければ問題ありません。
逆に見せ方が下手だと、SVとしてやっていくのは難しいでしょう。
オペレーター時代の栄光を引きずる
SVとオペレーターでは、求められるスキルが根本的に異なります。
オペレーターとしては優秀でも、SVとしては全く使えないというケースは珍しくありません。
しかしオペレーター時代に周囲からもてはやされていると、この時の栄光を引きずって、SVになっても自信とプライドが高いままという人がいます。
周囲からしてみれば過去の話であり、正直どうでもいいことです。
重要なのは「SVとしてどうか」ということなので、いつまでもそんな栄光を引きずっていても、誰も付いてきてくれないでしょう。
無理だと思ったらすぐ辞めるべき
念願叶ってSVになることができても、本当の勝負はそこからということを忘れてはいけません。
やってみると痛感しますが、SVには想像以上のプレッシャーがのしかかります。
オペレーターと上層部の間に挟まれ両方に気を遣わければなりませんし、自分ではどうしようもない部分まで自分の責任になることもしばしばです。
「なぜ自分がこんなに大変な思いをしているのに、みんな自分勝手なことばかり言うんだ!」と、全て投げ出したくなることもあるでしょう。
もしつらすぎてどうしようもなくなったら、周囲の迷惑など考えず迷わず辞めるべきです。
辞めると言いづらければ、退職代行を使うという手段もあります。
決して無理はせず、SVに挑戦してみてください。