仕事をしていく上で必要な能力とされる『鈍感力』

僕自身、社会人として働いている中で、鈍感力がいかに重要かと感じる場面に何度も遭遇してきました。

特に会社員の場合、どれくらい鈍感力を持っているかが、長くストレスなく続けられるかを左右します。

この記事では、鈍感力こそ会社員に最も必要だと感じた実際にあった出来事を、僕が遭遇してきた人の事例にてご紹介します。

どれだけ注意されても変わらない

僕が以前働いていた職場にいたKくんは、基本的にとてもだらしない性格で、以下のように問題行動を多発していました。

・勤務開始時間ギリギリで出勤してくる
ミスを隠そうとする
・後輩に悪いことばかり教える
・見ていないとすぐにサボろうとする

そのため、ことある毎に上司から呼び出され注意・指導を受けていたのですが、本人はその場では反省している素振りを見せるものの、次の日には全く同じことをしており、全く変わっていません。

何度も繰り返しているうちに上司も何も言わなくなり、Kくんは悠々と仕事に取り組んでいました。

ここだけ切り取ると完全にダメ社員なのですが、例えどれだけ何を言われたとしても、Kくんのように『変わらず動じず』の姿勢を保てることはとても大切な力です。

Kくんのケースは上司の言うことが最もなのですが、時には理不尽かつ一方的な罵倒に近いことを言われる(いわゆるパワハラ紛い)ことも、会社に勤めていると多かれ少なかれあります。

それを全て真に受けて変わろうとしていたら、いくら頑張っても足りません。

だからこそ、こうしたある種の動じない(響かない)鈍感力は必要なのです。

全てをポジティブに捉える

どんなことにも共通しますが、言葉や評価というのは捉え方次第でプラスにもマイナスにも変化させられます。

かつて会社の同僚だったFさんは、ポジティブに捉える(マイナスに捉えない)力が凄まじく、ネガティブ思考に陥っているところを見たことがありませんでした。

そして、それが特に印象に残ったのが部署異動の時です。

Fさんはハッキリ言うと仕事ができない人で、ある日これまで在籍した部署からの異動を命じられました。

僕のいる会社では、部署異動を告げられた人材は「この部署にはいらないから放逐する」という裏の面を備えています。  
※もちろん表立って公開されていることではありません。

だから部署異動を告げられた社員は、「自分は役立たずなのか…」と絶望して、会社を辞めていくパターンも多かったです。

しかしFさんは、そんな絶望とはまるで無縁。

部署異動に際しては表向き良いことを言われるのですが(その力が異動先の部署に必要など…)、Fさんはそれを全て信じ、「異動先でも頑張ります!」と張り切っていました。

このように、何事もポジティブに捉えて飄々としていられる鈍感力は、会社員として生き残るために欠かせない力です。

自分の欠点に気付かない

鈍感力が高い人は、自分の欠点にとても疎く察することができません。

同じ職場にいたHさんは、まさにこのタイプでした。

管理職をしていたHさんは、体制変更の一環という名目で管理職から降ろされることが決定。

他にも多数いた管理職の中から降ろされることになったのは、プライドが高すぎて傲慢なため、部下からの信頼がなく、上層部からのウケが悪かったことが大きな要因でした。

しかし、Hさんはそれに対して「命令である以上は仕方ない。なら私はみんなが唸る結果を出して、降ろしたことを上層部に後悔させてやる。」と燃えていたのです。

そもそも降ろした1人の社員の動向を、上層部がいちいちチェックすることはなく、後悔も何もありません。

ハッキリ言って無駄な努力であり、何より自身の欠点(なぜ自分が降ろされるになったのかの要因)を考えて向き合わなければ、また同じ失敗を繰り返すことになります。

しかし、この欠点に気付かずにいられる鈍感力は、自分を保っていくために必要な自己肯定感を低下させないための強い武器となります。

周囲からの視線や扱いに違和感を抱かない

以前僕が働いていた職場の同僚Tさんは、とにかく仕事ができないタイプ。

それなのにプライドが高く、それなりに社歴が長いにも関わらず初歩的なことばかり質問するため、みんなTさんを嫌い避けていました。

しかしTさんは、そんな周囲からの視線などものともしません。

客観的に見るとかなりあかさらまに避けられているのが分かるのですが、そんなのお構いなしとばかりに相手を追って話していきます。

鈍感力があれば、周囲の無言の圧力も効かず、職場に居づらいという状態にもなりません。

これは仮に会社で何かが起き、職場で浮いてしまった際にも気にならないという強い力となります。

自分の能力に疑いを持たない

僕の職場の先輩Oさんは、入社歴が長いベテラン社員なのですが、ずっと管理職に上がれませんでした。

その時点で察することは多く、実際に接していてその理由も何となく分かったのですか、Oさんはそれに対していつも不満を露にしていました。

それでも諦めずに登用試験に臨み続け、ついに念願の管理職へ。

しかしその後しばらくして、部下からの不評を買い続け結局管理職を降ろされることに。

そこで辞めるのかと思っていたのですが、なんと未だに辞めずに続けており、また管理職のポジションを狙っているそうです。

自分の能力に多少でも疑念を抱いていると、ここまでの行動は起こせません。

これも強烈な鈍感力の為せるものだと思いました。

鈍感力が少ない人の働き方

以上、会社員として必要な鈍感力を持つ人達のエピソードでした。

何だかただの悪口のようになってしまいましたが、それこそ捉え方によっては社会で非常に役立つ能力です。

反対に、こうした鈍感力が低い、いわゆる『察する力が高い鋭い人』は、会社員としては生きづらい点が多々あります。

どうしても鈍感になれず、苦しくなってしまう場合は、会社員以外の生き方を考えてみてもいいかもしれません。

例えば僕は、本業の傍ら副業を行っています。

詳しくは以下の記事で説明していますので、良ければご覧ください。