20~30代のキャリア志向の方の中には、自分に合った仕事を見つけたいと考えている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、天職とはどういうもので、天職につくとどのようなメリットがあるのか、また天職に巡り合えない方の特徴や注意点などを解説します。天職を探している方は、ぜひ参考にしてください。

天職の意味とは?

天職とは、天から授かった職業という意味です。

生まれ持った個人の性質である天性に合った職業なので、天職につくと充実した気持ちや、やりがいを持って仕事に励めると考えられています。

そのため、自分の天職を知っておくことはキャリアを考える上で大切です。

天職と適職の違いとは?

適職とは、その方の得意にマッチした職業のことです。

業務を上手くこなせることから適切な職業ではあるものの、個人のモチベーションとは無関係であるため、天職のように充実した気持ちで働けるとは限りません。

主観的な適性まで考慮したものが天職で、能力のみにフォーカスしたものが適職となります。

天職につくことのメリット

天職につけると、心から仕事を楽しめて充実した日々を過ごせるようになります。

仕事を楽しめるので、モチベーションを保って積極的に働けるようになり、結果が伴うことも少なくありません。

自分の性格に合った天職につくことで、仕事が長続きするようにもなります。

心から仕事を楽しめる

天職につくと好きなことが仕事になるので、心から仕事を楽しめるようになります。1日の大半を費やす仕事を楽しめるようになれば、日常を充実感あふれたものにできます。

遊びを楽しむような感覚で働けるので、仕事につらさを感じることが少なくなり、億劫になることもありません。

天職につけば、やりがいや楽しさを感じながら働けるようになるので、仕事への満足度が高まり、幸福度も向上します。

やりがいを持って業務をこなすことで、仕事の質も高められます。前向きに行動することで目標を達成していけば、仕事を通して自信が持てるようになり、生き生きとした生活を送ることが可能です。

このように、天職につくことで心から仕事を楽しめるようになり、仕事の面だけでなく人生全体が豊かになります。

モチベーションが保ち続けられる

モチベーションの維持がしやすいことも天職につくメリットです。「好きこそものの上手なれ」というように、没頭するほどの集中によって、高いパフォーマンスの発揮が期待できます。

モチベーションが高いと自主的に上達しようとするため、成長速度も早まります。新しい情報や技術を得ようとすることで視野が広くなり、仕事に関する知見の積み上げも可能です。

好奇心や探求心を持っているので、失敗したことや上手くいかなかったことに対しても修正しつつ進んでいき、自然とその道を極めるように行動できます。

好きな仕事であれば、長時間の業務であっても楽しんで取り組むことが可能です。また、モチベーションを保てるので、長期にわたるひとつの仕事の継続も容易です。

モチベーションが高いと、周囲にも熱意や情熱が伝わり、組織を活気づけることにもつながります。

性格に合っている

天職は自分の性格に合っている職業なので、無理なく働けます。

コミュニケーションや単調な作業、細かい気配りの得意・不得意など、自分の性格にマッチした仕事であれば業務における負担を感じにくくなります。

たとえばコミュニケーションの苦手な方が営業や接客の職につくと、苦手なことと向き合わなければならず苦痛を強いられます。

エンジニアやデザイナー、工場での作業なら黙々と業務を行いやすい環境であることが多いので精神的な負担が少なく済みます。

反対にコミュニケーションを積極的に取りたい方は、黙々と仕事をこなすよりも営業や接客などの対話を求められる業務にあたる方が働きやすいはずです。

性格と職業の相性が、成果の出やすさにも影響すると考えられます。

苦手で好きでない仕事よりも、得意で好きな天職での方が能動的に取り組むとこができるため、成果に結び付きやすく重宝されます。

天職の見つけ方

天職を見つけるためには、自分を把握するための自己分析を行い、自分の特性とマッチする仕事を探す作業が必要です。

自己分析ができても仕事に関する情報が少ないとミスマッチが起こる可能性も高くなるため、多くの種類の職業を経験しておくことが大切です。

また、現在の仕事が不向きであるように思えたとしても、意識の持ち方によっては天職となることもあります。

自己分析をする

天職を見つけるには自分を知ることが必要であるため、自己分析が欠かせません。

自己分析によって、自分のこれまでの経験から好きなことや苦手なことを洗い出し、適性や興味関心を把握し当てはまる職業を探していきます。

好きなことの中から、とくに成果を残していたり周囲から得意と認められていたりするものがあれば天職の候補です。

そのことと関連の深い職業をピックアップしてみて、その仕事につきたいと思うかどうかを確認します。

自分が働いていることを想像してみて、ポジティブな気持ちになるようであれば天職といえるかもしれません。

反対に、自分の苦手なことも知っておくことで苦になりやすい職業へつくことを避けられます。

長く続けられたことを思い出す

長く続けられたことはストレスを感じにくく、天職に結び付く可能性があります。

多くの方にとって、長く続けることはなかなかできないことです。そのため、とくに好きとは感じていなくても、継続できたことが天職を見つけるヒントになります。

はじめは苦痛を伴ったかもしれませんが、継続できたのであればそれは自然にストレスなく行えることです。

これまでの人生の中で長期間にわたって継続できたものや、毎日欠かさず行っていることなどを挙げてみてそのことと関連のある職業を考えていきます。

直接、職業に結び付かない場合は、長期間継続できたものの特長を挙げてみましょう。その特長を持った職業をピックアップすることで天職が見つかる可能性もあります。

他の仕事をためしてみる

これまで経験していなかった仕事についてみるのも天職を見つける方法です。

未経験の仕事を経験することで、自分にとっての天職を発見できることもあります。実際に働いてみると抱いていたイメージと異なることがあり、仕事に楽しさを感じられる可能性があります。

新しい経験を積むことによって、自分の仕事への向き不向きを、よりはっきりさせることが可能です。

経験の蓄積によって、自分に合った仕事の候補を絞り込む精度が高まるため、より天職を見つけやすくなります。

現在ついている仕事がしっくりこないなど満足できていないなら、未経験の仕事へ転職することで、より充実感を持って働ける場合もあります。

不満を抱えて働いているのなら、少しでも満足できる職業を見つけられるように、新しい仕事に挑戦することが大切です。

新たに天職を創る

自分に合う仕事をどうしても見つけられない場合には、天職を創るという方法もあります。天職を創ることは、自分が好きなように仕事を組み立てられる起業や複業によって実現できます。

起業はこれまでになかった職業を創れる行いです。世の中が抱えている問題を解決できる製品やサービスの提供により収益を得られ、観察と分析、思考を必要とします。

さらに、起業するにあたって重要なのは行動力とコミュニケーション能力です。考えているだけで行動しなければ何も実現できずコミュニケーション能力がなければ周囲を動かせません。

他方、複業は数ある仕事を組み合わせて複数の業務を行うことです。たとえば、フリーランスと、フルタイムで働くサラリーマンの組み合わせで実現できます。

今の仕事を天職にする

現在の仕事を変えることなく、向き合い方や気持ちを変えることで天職へと変えることが可能です。

現在ついている仕事自体を変えるのは難しいが、意識の持ち方などは自分で変えられます。取り組み方や意識の持ち方を変えることにより、仕事へのモチベーションが高まり充実感を得ることが可能です。

顧客に喜んでもらうことを主眼に置いて活動すれば顧客満足度の向上につながります。結果が出れば自分のやりがいになることから、取り組み方や意識の持ち方は重要です。

仕事は誰かの役に立つものなので、製品やサービスを提供する相手に満足してもらおうと意識することで成果に結び付きがちです。

数字を追いかけることが好きな方は、数値目標を立てて達成に向けて取り組むとモチベーションを上げられます。

このように、自分の特性に合わせて捉えることで、今の仕事を天職に変えられることもあります。

天職を見つけるためのマインドセット

天職を見つけるためには、モチベーションを高めることが必要です。モチベーションがないと能動的に天職を見つけようとはしません。

モチベーションを高めるには、目標や夢を設定することが重要です。天職があると信じることや、自分の意思を尊重するマインドを持つことも行動の原動力になります。

目標や夢を決める

目標や夢を設定することで仕事選びの軸ができるため、天職を見つけやすくなります。

目標や夢は自分の願望であり、達成したときの姿を想像すれば、おぼろげながらもどんな職業についているのかをイメージすることが可能です。

そのイメージをヒントに仕事を探すことで、天職が見つかる可能性を高められます。

目標や夢があると、達成するためにどのようなキャリアを歩めばよいのかが明確になり、仕事へのモチベーションが生まれます。

モチベーションを高めて真剣に仕事へ取り組むことで、これまでよりも貪欲になり天職についているかのように働くことが可能です。

このように、目標や夢を定めることによってどんな仕事も天職となり得ます。

天職があると信じる

自分にとっての天職があると信じることで、見つけようとする意欲が湧きます。自分に天職はないと思い込んでしまうと、見つけるチャンスを失ってしまいます。

現在の仕事に不満があることを理由に転職先を探すにしても、天職がないと思っていれば探し方も適当になってしまいがちです。天職があると信じていれば、転職活動のときに意識して探せます。

また、自分に合った職業は何かと考えることで、普段から自己分析を行えるので、常にアンテナを張った状態でいられます。

天職があると信じることは前向きな気持ちであり、モチベーションが高まるため、理想のキャリアへ近づくことが可能です。

自分の意思を尊重する

行動力の源は自分の気持ちであることから、自分の意思を大切にするのが重要です。自分の興味・関心や好奇心、楽しさややりがいといった感情に素直になることで、天職へ近づけます。

転職先を探す際の指標とすれば、たとえ天職ではなくともその職業についたことによって知見が得られたり、嫌いな仕事にあたる確率を低くしたりといったことが可能です。

仕事の内容に対する自分の意思とは関係なく、安定や待遇といったものだけを見ていると、苦手または嫌いな業務に取り組むことになりかねません。

そうなると仕事がつまらなかったり、苦しかったりと、天職につくのとはかけ離れた生活を送ることになります。

自分がどうしたいのかを考えてまとめておくと入社すべきかの判断がしやすくなります。

天職を見つけられない方の特徴と注意点

自分には天職がないと思い込んでいると、出会っていても見つけられなかったり、離職したりしてしまいます。天職を見つけるにはあきらめずに探し続けることが必要です。

仕事を探す際に、給与や待遇だけで判断していると天職を見落としてしまうため、働き方を含めて総合的に考える必要があります。

あきらめている

天職を見つけるのをあきらめると、モチベーションが上がらず、探そうともしなくなります。天職につくにはモチベーションを高く持ち、意識的に探し出そうとする姿勢が必要です。

周囲に天職を探していると公言し、そのための行動をすることで、身近な方が自分に合った仕事を紹介してくれるかもしれません。

一方であきらめてしまうと、活力ややる気がなさそうに見え、周囲もサポートしたいとは思えません。

モチベーションが低いことで周囲の方にもネガティブな印象を与え、孤立してしまう可能性もあります。そうなると社内での居心地が悪くなり、現在の仕事が意識の持ちようで天職になる可能性があっても気付けません。

天職を見つけるためにはあきらめずに見つけようとする姿勢が必要です。

給与や待遇の理想がたかい

仕事選びの基準を、給与や待遇だけに絞っている方も天職の発見は難航します。

天職は給与や待遇だけでなく、やりがいも必要です。給与や待遇だけが良くても、体力的に厳しい仕事であったり、精神的な苦痛を伴ったりする仕事であれば天職とはいえません。

給与が高い企業では、休日出勤や夜勤を実施しているところもあるので、プライベートの時間が削られたり、体調を崩したりするおそれがあります。

このような環境でとくにやりがいを感じず、働き続けることが苦痛に思えるケースも少なくありません。給与や待遇だけでなく、仕事の全体的な情報からバランスのよい企業を選ぶことが大切です。

どのような働き方ができるのかを想像し、自分が楽しんで取り組める仕事であるかを判断しましょう。

行動量が不足している

天職を見つけるには、ある程度の行動量が必要です。

天職は自然と見つかるものではなく、自分の素質とマッチする仕事を探さなければ見つかりません。そのためには自分の性格や特徴を自己分析によって把握しなければなりません。

材料はこれまでの経験により感じたことなどが中心となるため、行動量が不足していると経験が足りずに、十分な自己分析を行えないことになります。

自己分析が不十分であると、仕事選びの精度が落ちてしまい、天職を見つけるのに時間がかかってしまいます。

仕事選びで失敗している間にも、天職の求人が行われている可能性もあり、その場合は機会損失です。

行動量を増やしてさまざまな経験をすることで、自分をより把握でき、天職を選ぶ判断基準が正確なものになります。

世間体を気にする

行動量を増やせない原因として、世間体を気にすることが挙げられます。世間体を気にすると周りの目が気になり、やりたいことがあっても行動に移しにくくなります。

世間体を気にして周囲に合わせて行動していると、自分の本心がわからなくなってしまいます。自分の個性だと割り切ると、世間体を気にせずに行動しやすくなります。

そうすると自分の性格に合った方が集まり、合わない方は離れていくため、自分にとってより自然体でいられる環境を創ることができるはずです。

自然体でいることで、自分を把握しやすくなるので、天職を見つけやすくなります。

自分に合った天職を見つけるには、仕事を見極めるための経験や、仕事を見つけようとするモチベーションおよび行動力が必要です。

自己分析と行動を繰り返すことで天職に巡り合えると信じて、探し続けましょう。

まとめ

天職とは適職とは異なり、自分の得手不得手だけではなく、性格までも含めた素質に適合した仕事のことです。

天職を見つけるにはさまざまな方法がありますが、土台には自己分析による自分の把握があります。自己分析で得た自分の情報を基にして、フィットする仕事を探すことで、天職を見つけられます。

とはいうものの、天職を見つけるのはなかなか難しいことです。転職を考えているなら、転職エージェントに相談することもひとつの方法です。