心理カウンセラーとして活動したい!
こう考えた時に思い浮かぶのは、「心理カウンセラーの資格は取得した方がいいのかな?」ということでしょう。
ネットで心理カウンセラーの資格について調べてみても、「取得しても意味ないからやめとけ」という文言が出てきて、どうしようかと余計に迷う人は少なくありません。
本記事では、『産業カウンセラー』と『CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)』という、2つのカウンセラー資格を取得している僕が、
・心理カウンセラーの資格を取得することの意味
・心理カウンセラーの資格を取得する際に気を付けること
について解説していきます。
取得すべきかどうかは目的次第
まず「心理カウンセラーの資格を取得すべきか?」という質問に対して回答をすると、端的に言えば「自分の目的が何かによる」になります。
心理カウンセラーの資格取得を検討している場合、その背景には何かしらの目的があるはずです。
具体的に言うと、資格を取得することで得られる恩恵ですね。
主なところとしては、
・心理カウンセラーとして仕事をするため
・心理カウンセラーのスキルを今の仕事に活かすため
・心理カウンセラーの知識を身に付け教養の1つにするため
などでしょう。
もし資格取得の目的が、心理カウンセラーの仕事をするためであれば、資格は取得した方が良いです。
単純に知識を身に付けたいということなら、資格取得は必須ではありません。
理由についてはこの後触れていきますが、もし目的が曖昧なのであれば、まずはここを明確にすると、資格を取得すべきかどうかがハッキリするでしょう。
心理カウンセラーの資格は意味がないと言われる3つの理由
心理カウンセラーの資格は、「あっても意味がない」と主張する人が多くいます。
そこには以下の3つの理由が絡んでいます。
①資格がなくてもやれてしまう
②資格が多すぎる
③心理カウンセラーの仕事が誤解されている
①は心理カウンセラーという仕事の制度の問題、②は心理カウンセラーに関連する資格の問題、③は心理カウンセラーという仕事に対する世間の認識の問題です。
それぞれもう少し具体的に解説します。
①資格がなくてもやれてしまう
心理カウンセラーは医師や看護師のように、業務を行うにあたって必須の資格が存在しません。
自分で心理カウンセラーと名乗れば、その瞬間から誰でも心理カウンセラーになれます。
現に心理カウンセラーとして活動している人の中には、資格を持っていない人も多くいます。
それでも問題なく業務を行えている以上は、「心理カウンセラーの資格なんて意味ない」と言われても仕方ないでしょう。
また、心理カウンセラーの仕事は資格より実務経験がものを言う部分があるので、それが資格取得の必要性をさらに低くしています。
②資格が多すぎる
心理カウンセラーの資格は、今や非常に多くその数は10を軽く超えています。
その中には、定められた講座を数回受講すれば、資格取得できてしまうものもあります。
※どちらかというと『認定証』に近いといえます。
いわば玉石混淆の状態で、心理カウンセラーに関連する資格全体の信用性がなくなるのも無理はありません。
資格がありすぎてどれがスキルをしっかり身に付けられるのか、分かりづらくなっているのも問題です。
また、臨床心理士など世間的に知名度の高いものを除いて、心理カウンセラーの資格はたとえ取得していても、「それって何?」と、心理カウンセラーの資格と認知されていないケースも多々あります。
これらの要素が、心理カウンセラーの資格の重要性を低くしています。
③心理カウンセラーの仕事が誤解されている
心理カウンセラーの仕事については、世間一般のイメージと実態は、異なっていることが多々あります。
例えばカウンセリングは、「クライアントの相談に乗ってあげればOK」と単純に思われていますが、この「相談に乗ってあげる」には様々な意味が込められています。
クライアントによって直接的なアドバイスを求めてくる人もいれば、アドバイスなどではなく話を聞いてもらいたいだけという人もいます。
その点を理解していない人からすると、「自分は普段から同僚や友人の相談に乗ってるから得意だ」と、心理カウンセラーをやれると思い込みます。
そういう人は、資格なんか取得しなくたってやれる!という自信を持っていることが少なくありません。
心理カウンセラーは仕事の成果や成績が目に見えないものであることが多く、上記のような誤解から資格取得に意味を見出さない人が多いのです。
心理カウンセラーの資格を取得することによる4つのメリット
取得しても意味がないと言われる心理カウンセラーの資格ですが、以下の4つの理由から資格取得することのメリットは間違いなく存在します。
肩書きとして使える
資格を取得すると、名乗る際に肩書きとして使うことができるようになります。
取得自体は比較的容易なものであっても、資格の肩書きがあると何だか凄いような印象を与えられるので損はしません。
さらに資格の知名度が高いものほど、与えられる印象も良いものになります。
日本では特に、肩書きは重要視される傾向があるので、これがあるだけで様々な場面で有利になることも。
なので難易度の低い資格を取得して、肩書きを増やして仕事をしている人も少なからずいるのが実情です。
最低限の知識が身に付く
資格を取得することは「この人には取得できるだけの知識や経験がある」と、資格を発行している機関が証明していることになります。
基本的に資格取得は、そのための知識を最低限は身に付けておかなければなりません。
心理カウンセラーの資格については、それが何であれカウンセリングの基礎を学べる内容になっています。
何から勉強を始めればいいか分からない人も、資格取得のための勉強をすれば基礎が学べるようになっているのでおすすめです。
コミュニケーションが上手くなる
カウンセリングスキルとは、誤解を恐れずザックリ言うと『相手の話を傾聴する能力』を指しています。
これを身に付けると、今まで以上に相手の話を聴くことが上手くなり、コミュニケーションが取りやすくなります。
人間は、基本的に自分の話をちゃんと聴いてくれる相手に、好印象を抱くからです。
仕事でもプライベートでもそれは変わらないので、活かせる場面はたくさん。
心理カウンセラーの資格取得のための勉強で、コミュニケーションまで上手になれるので、ぜひやってみることをおすすめします。
資格によっては就職・転職に有利になる
心理カウンセラーの資格は非常に多いですが、その中でも
・臨床心理士
・公認心理士
・産業カウンセラー
・シニア産業カウンセラー
など、比較的知名度が高い資格は、保有していることで就職・転職に有利です。
というのも、求人の中にはこれらの資格を保有していることを、応募要件に設定していることが少なくありません。
なのでもし心理カウンセラーの仕事に就きたい場合は、資格を取得することでその門戸が開ける可能性が高くなります。
知名度の高い資格は、その分取得できるまでの手間や時間、費用もかかりますが、それだけの価値が見出せます。
資格は厳選して取得する
上述の通り、心理カウンセラーの資格は数多く存在します。
知名度が高いものであるほど取得までの難易度や道のりは厳しくなりますが、取得できれば様々な場面で役立つでしょう。
知名度が低いと、取得していてもアピールポイントになりにくい一方、肩書きとしてだけならある程度の効果が見込めるということも。
このように、資格によって活かし方は変わってくるので、人によっては確かに取得しても意味がないかもしれません。
ただ、資格を取得するまでに行ったことは、今後どこかで役に立つはずです。
心理カウンセラーに関連する資格は取得が必須ではないからこそ、自分の目的に応じて取得するか否か、何を取得するかが選べるだけの柔軟性があります。
「資格を取得しても意味ない」と切り捨てて判断するのではなく、何が自分のためになるのかを、総合的に判断して決めるといいでしょう。