他人の行動にイライラしてしまうとき、他人に期待しない方法を知りたいと思うこともあるのではないでしょうか。

他人に期待しないことのメリット・デメリットをはじめ、人間関係が楽になる方法をご紹介します。正しく期待しない方法を身に着け、ストレスのない人生を送りましょう。

正しく期待しない方法を理解しよう

ついつい他人に期待してしまって、傷ついたことはありませんか?

過度な期待は相手に失望したり、傷つきやすくなる原因になります。そのため、期待しすぎないことは大切です。

今回は、他人に期待しないことのメリットやデメリットをはじめ、正しく期待しない方法について解説します。

「他人に期待してしまう自分を変えたい」「期待しない方法を知りたい」という人は、ぜひ参考にしてください。

期待しない生き方は大変?楽?

「他人に期待しない生き方をすれば、傷つく機会も少なくなるはず」と思っている人も多いでしょう。

しかし、他人に期待しない生き方は本当に楽なのでしょうか?

他人に期待しないと物事は楽に進む

他人に期待しなければ、相手の行動や考えに不満を持つことがなくなり、人間関係でイライラすることが減ります。

「できなくて当たり前」と思ってしまえば、相手に期待することはありません。

相手が期待に応えてくれないことに傷つくこともないのです。

自分一人で物事を決めて行動すれば、「相手の都合に合わせなくてもいい」という意味で、とても楽でしょう。

仕事・恋愛・家庭など、他人と密に関わらなければいけない場所では、他人に期待しないことで解放された気持ちになる人もいるかもしれません。

他人に期待しないといざという時に信頼されない

他人に期待しない生き方にはデメリットもあります。

他人に期待しない人は穏やかで人から好かれやすいという特徴がありますが、その分、広く浅い人間係になりがちです。

特に仕事や恋愛においては、「あの人は何を考えているのかわからない」「あの人は冷たい人だ」などとネガティブな印象を持たれてしまうこともあります。

また、期待していないそぶりを態度に出してしまうと、相手は下に見られていると感じ、やる気をなくしてしまうこともあるでしょう。

「他人を下に見る人間」いうレッテルを張られてしまっては、信頼してもらうことは難しくなります。

期待しない生き方のメリットとは

ここからは、期待しない生き方のメリットを細かく見ていきましょう。

自分で考えて行動することができるようになる

他人に期待しない方法を身に着けると、他人に頼らずに、自分一人で考えて行動することができるようになります。

他人に期待していると、意識していなくても、他人に頼った生き方をしてしまいがちです。

他人に期待するよりも自分で行動した方がいいという心理になれば、自然と自分で考えて行動する習慣や、様々な能力が身につきます。

他人に好かれやすくなる

他人に期待しない生き方をしている人は、他人の失敗に失望することがありません。そのため、人の失敗を咎めることもないのです。

そうした特徴が身に着けば、懐が深く寛容な優しい人間であると見られるようになり、人からも好かれるようになるでしょう。

仕事などでも人が集まりやすくなるため、リーダーシップを発揮できることもあります。

他人に期待をしなければ、他人に負担をかけることが減ります。

仕事や恋愛のみならず、人間関係全般においてもプラスに働くのではないでしょうか。

③ストレスが軽減される

ストレスが軽減されることも、期待しない生き方のメリットのひとつです。

他人に大きな期待をしているときほど、裏切られたときのイライラは大きくなります。

他人に期待をせず、必要以上の結果を相手に求めないようにすれば、他人に感じるストレスは大幅に減少します。

自分のストレスが減れば、他人ともより良好に接することができ、よい人間関係を結ぶことにつながるのではないでしょうか。

④お互いを尊重した付き合いができるようになる

期待しない生き方を選ぶことで、お互いの在り方を尊重した付き合い方できるようになります。

特に恋愛においては、自分の理想をパートナーに押し付けてしまいがちです。

お付き合いをするうえで、「食事はおごってほしい」「ファッションに気遣ってほしい」「もっと自分をたててもらいたい」など、ついつい不満を持ってしまうこともあるでしょう。

「こうしてほしい」と期待するのではなく、「相手がどうしたいか」を考えられるようになることで、相手も自然とこちらの望みを考えてくれるようになります。

期待しない生き方のデメリット

メリットに続いて、期待しない生き方のデメリットを見ていきましょう。

①人生の楽しみが少なくなる

期待しない生き方をするということは、周囲の人に対する願望がなくなるということです。

特に恋愛関係においては、相手に対する期待に応えたり、応えてもらうことによる喜びも楽しみの一つだと言えます。

何かを手に入れたいという期待を持たなければ傷つくこともありませんが、その代わりに、手に入れたときの喜びは期待していたときよりも小さくなるでしょう。

期待しないということは、人生の楽しみを減らすことでもあります。

②周囲の人から冷たい人だと思われる

期待しない生き方のデメリットとして、周囲に冷たい人だと思われてしまうことが挙げられます。

他人に期待しない生き方をすることにより、自分自身の生き方は楽になるでしょう。

しかし、そういう生き方をしていない人からは、冷たい人だと思われてしまうことがあるのです。

なぜなら、期待をしない生き方をすることで、他人と関わる機会も減ってしまうからです。

他人におせっかいをやいたり、意見をしたりするのは、他人に変わってほしいという期待があるからと言えます。

また、職場の上司や配偶者の愚痴などは、人間関係において仲を深めるための手段でもあります。

自分が他人にイライラしなくなった結果、そのような他人の苛立ちに共感することが難しくなってしまうこともあるでしょう。

違う価値観の相手と接する際には、自分の意見を抑えて相手の考えに合わせる必要があります。

③相手を下に見ていると思われる

相手に期待しないようにすると、された方は過小評価されていると感じてしまうことがあります。

「相手ができなくて当たり前」と考えているということは、「相手をできない人間だと思っている」ということに近しいからです。

そのような心理が態度にでてしまうと、相手に強い不信感や不快感を与えてしまいます。

ともすれば、「冷たい人だ」「上から目線でものを言う人だ」だと言われてしまうことにもなりかねません。

期待しないようにするあまり、相手を軽んじた態度を取ってしまわないように気をつける必要があります。

④諦めモードになってしまう

他人に期待しないようにしようとするあまり、何事に対しても諦めがちになってしまう人もいます。

「こうなってほしい」「こうありたい」という期待は、生きていくためにも必要なものです。

「どうせこうなると思っていた」と投げやりな心理なってしまうようでは、正しい方法とは言えません。

ほどよく諦ることができず、どんどんネガティブになってしまうようであれば、やり方を改める必要があるでしょう。

状況が大事!正しく期待しない方法とは

他人に期待しない生き方には、メリットとデメリットがあることがお分かりいただけたでしょうか。

他人に期待しない生き方のデメリットに気を付けながら、正しく期待しない方法を知っていきましょう。

①自分のことは自分でする

他人に期待しない方法として、まず自分のことは自分でする習慣を身につけましょう。

人が複数人集まるような場面では、つい誰かに何かを頼んでしまったり、言わなくてもやってもらいたいと期待してしまうものです。

特に自分が苦手としているようなことや、不安なことなどは誰かに委ねたくなってしまうものですが、その人も常に出来るわけではありません。

仕事などでは、初めから誰もいない場合のことも考えて、予定を立てておくことも大切です。

②完璧主義をやめる

人に期待し、裏切られてイライラする裏には「これくらいできて当然」という心理があることがあります。

自分自身が完璧主義の特徴をもつ場合は、より相手にかける期待も大きくなってしまうものです。

しかし、相手が自分と同じ特徴や考えを持っているとは限りません。時には「できないならしょうがない」と諦めることも必要です。

一緒にいたいと思った人であれば、できないことがあっても、それに代わる長所があるのではないでしょうか。

すべてにおいて完璧を求めるのではなく、相手の個性を尊重して関わることが、他人に期待しない方法の一つです。

③結論は自分で出すようにする

誰かに相談する際に、結論を自分で出すことも大切です。

人の意見に沿って行動していると、「○○がこう言ったから」と失敗を他人のせいにしてしまいます。

その人は成功したかもしれませんが、必ずしも自分も同じ結果になるとは限りません。

自分は自分、他人は他人なのです。

他人の言うことを「正しい」と鵜呑みすることなく、自分にあっているのかどうか考えて行動しましょう。

④期待はしないが信頼はする

正しく他人に期待しない方法の中で、一番大切で難しいのが、相手を信頼することではないでしょうか。

信頼とは、相手の意志に行動を委ねるということそのものです。

だからといって、相手の行動の全てを許すということではありません。

信頼している相手に対しては、必要なことは落ち着いた態度で指摘することができます。

相手が自分の思い通りに動くことを期待するのではなく、相手の意志を尊重しながら、価値観のすり合わせをしていきましょう。

⑤期待の裏にあるものを知る

いろいろ対処法を試みても他人に期待しすぎてしまう場合、そこには無意識にある欲求が関係しています。

例えば恋愛関係において、「恋人に依存してしまい、要求が叶えられないと過度に怒りが湧いてしまう」という場合には、幼い頃に求めても叶えられなかった愛情欲求を、恋人に投影していると言えます。

「子どもと自分は別人格だとわかっていても、ついイライラしてしまう」という場合、自分の希望を子どもに叶えさせようとする心理が働いていると言えるでしょう。

そのような特徴が見られる場合、自分自身がその欲求を自覚し、コントロールできるようにならなければ、「他人に期待しては傷つく」ということを繰り返してしまいます。

こうした心理的な課題がある場合は、一人で対処するのは難しいため、専門機関に相談するという方法をとることも必要です。

人に期待した方がいいタイミングとは

他人を思い通りに動かそうとすることは、あまり良いこととは言えません。

相手が動いてくれなかった際にイライラするだけでなく、動かされている方の人も「そのようにしなければならない」と感じ、行動が制限されてしまいます。

しかし、適切な期待は、相手を成長させることにも繋がります。

親や上司から期待されることで、頑張ろうと思った経験がある人もいるのではないでしょうか。

それでは、どのような場面で期待するのがよいのか見ていきましょう。

①人に教える時

子どもに勉強を教えたり、部下や後輩に仕事を教える際、叱咤激励するよりも「君ならできる」と期待をかけられたほうが、成果が出やすいと言われています。

与えられた課題を達成する際に、相手から信頼されていることが分かると、自然とやる気になり、できる気がしてくるものです。

しかし、期待が過剰すぎるとストレスになってしまうため、相手の反応を見て、やりすぎないようにすることが大切です。

②相手に好かれたい時

人間関係、特に恋愛面においても、適切な期待はプラスに働くという特徴があります。

「この人は私のことを好きじゃないに違いない」と思って接するよりも「この人は私のことを好きに違いない」と思って接する方が、相手も好意的に見てくれるのです。

「○○してもらいたい」と思うことも、過度でなければ、「相手に必要にされている」と感じて嬉しく思う人がほとんどでしょう。

好きになってほしいという期待を向けられて初めて、相手を好きになる人も少なくありません。

③自分自身に期待する

他人に対していつになったらやってくれるんだろうと思い続けているよりも、自分でやることの方が建設的で効率的です。

「自分でやればできる」という体験を小さなことから積み重ねていくと、自分ならできるという期待が持てるようになっていきます。

他人に期待しない方法というのは、つまり、他人ではなく自分自身に期待をすることなのかもしれません。

期待しない方法は状況によって使い分けよう

適切な期待は人を成長させ、よい影響を与えますが、過度な期待は自分や他人を傷つけ苦しめるものです。

期待はすればいいというものではありません。

期待しすぎて傷ついてしまう生き方を辞め、正しく期待しない方法を身に着けることで、人生が楽になります。

他人に期待しないということは、相手を見下げることではなく、相手を信頼することです。

状況にあわせて期待のかけ方を使い分け、相手を尊重して関わる方法を身に着けることで、人から好かれるだけではなく、自分自身も成長できるでしょう。