嫌なことがあると、冷静な自分を保っていられず、平常心でいられなくなることもあるでしょう。

乱れた心は生活に影響を与えることもあるため、平常心を保つのは大切なことと言えます。この記事では、平常心を保つ方法やコツ、精神や平常心の鍛え方などを紹介します。

平常心を保つのはかなり重要

仕事などでトラブルが起き、感情のコントロールができなくなってしまったことはありませんか。

仕事面ではもちろん、生きていく上で平常心を保つのはかなり重要なことです。

この記事では、平常心を保つための方法やコツなどを、詳しく紹介していきます。

平常心が保てなくなることがあると自覚している方は、ぜひ参考にしてください。

平常心が保てないとどんなデメリットがある?

平常心が保てないと、デメリットが生じてしまいます。

どんなデメリットがあるのかを、ここでは7つ紹介します。

平常心が保てずに感情的になってしまう方は、デメリットをしっかりと理解して、改善できるように努力しましょう。

イレギュラーな出来事で焦る

平常心を保てなくなってしまうのは、いきなりのアクシデントや、想定外のことが起きた時ではないでしょうか。

仕事では特に、イレギュラーな出来事が起きることが少なくないでしょう。

アクシデントにより平常心が保てなくなった時に、焦ってパニックに陥ってしまう人もいるのではないでしょうか。

そのように、焦ってしまって最適な判断ができなくなってしまうことは、平常心が保てないことのデメリットと言えます。

緊張しやすい

緊張しやすくなってしまうことも、平常心が保てないデメリットの一つです。

仕事で発言しなければならない時などは「絶対に失敗できない」という心理が働き、平常心を保てなくなってしまうことがあるでしょう。

失敗を恐れることは、緊張へつながります。自分が緊張していると自覚すれば、更に平常心を保てなくなってしまいます。

極度に緊張してしまうと、人前で上手く話せなかったりして、本来の自分の力を十分に発揮できなくなってしまうのです。

さらなるトラブルを招く

平常心を保てないことのデメリットとして、さらなるトラブルを招いてしまうことも挙げられます。

平常心を保つことができていないということは、自分の感情をコントロールできていない状況だということです。

感情を制御できないと、言葉がきつくなってしまうこともあるでしょう。

そんな状況では、トラブルを解決するどころか、更なるトラブルを招いてしまうかもしれません。

他人の言動にイライラしてしまう

普段は気にならないようなことにイライラしてしまうのも、平常心を保てないことのデメリットです。

特に、疲れがたまっている時は、他人の言動が気になりやすくなってしまいます。

その結果、他人の何気ない一言にイライラしてしまったり、怒りの感情がコントロールできなくなってしまうのです。

他人に対してきつくあたってしまう時は、意識して休息をとるようにしましょう。

不安になる

平常心が保てなくなり、「もうだめかも」と思うことで、不安な感情が沸いてきてしまいます。

特に今はコロナの影響で、不安な気持ちを抱えながら生きている人達がたくさんいます。

仕事面や健康面で、「この先どうなってしまうのかわからない」という不安を感じている人が増えているのです。

不安な気持ちのままでいると、やる気を失ってしまうこともあるでしょう。

ストレスホルモンが出る

平常心が保てなくなり不安な気持ちでいっぱいになると、ストレスホルモンのコルチゾールが分泌されます。

コルチゾールが分泌されると興奮状態になり、冷静に物事を考えられなくなります。

その結果、視野が狭くなり、他人の意見を聞き入れられなくなってしまうこともあります。これも、平常心が保てなくなることのデメリットと言えるでしょう。

人間関係がうまくいかなくなる

感情的になり、他人にきつくあたってしまうことが増えると、良好な人間関係が築けなくなってしまいます。

平常心が保てず、どうしても他人に怒鳴ってしまうようなことがあれば、少し距離を置くことも大切です。

人間関係が悪くなることで、さらに平常心が保てなくなってしまうことを避けるためにも、「他人は他人」と割り切ってみるのも良いでしょう。

平常心を保つための方法を紹介

平常心が保てないと、仕事などにも大きなデメリットがあることがわかったのではないでしょうか。

日常生活にも影響が出てしまわないように、平常心を保つ方法を知りたいという人も多いでしょう。

ここでは、日常の中で気をつけることで、平常心を保てる方法を紹介します。

難しいことではありませんので、ぜひ日常の中で取り入れてみてください。

呼吸を整える

無意識にしている呼吸を整えることで、心も体もリラックスさせる効果があります。

腹式呼吸のやり方をご紹介しますので、自律神経を整え、不安な気持ちをほぐすためにも、ぜひ実践してみてください。

1.長くゆっくりと息を吐く

2.息を全て吐いたら、鼻からゆっくりと息を吸う

3.たくさん息を吸い込めたら、3秒程度息を止める

4.再び、長くゆっくりと息を吐く

自分の心が落ち着くまで腹式呼吸を行えば、冷静な気持ちを取り戻せることでしょう。

腹式呼吸により自分の感情をコントロールできれば、どんな時でも平常心を取り戻せるはずです。

無理をしない

無理をしないことも、平常心を保つための方法です。

無理をしてしまう人ほど、平常心を保てなくなりやすいという特徴があります。

「もっと頑張ろう」と思うのは良いのですが、自分の能力以上のことに挑戦すると、プレッシャーを感じ、緊張してしまったりするのです。

仕事などにおいては、自分1人だけで頑張ろうとするのではなく、無理なく物事を進めていけるように段取りしましょう。

そうすることで、周りにも余裕のある態度で接することができるはずです。

開き直る

予期せぬトラブルが起きた場合、「どうしよう」と焦るばかりでは、冷静な判断ができません。

「たとえ失敗してしまっても、やれるだけのことをやればいい」と、開き直るのも良いでしょう。

また、平常心を失いやすい人の特徴として、プライドが高いことが挙げられます。

格好悪いところを見られたくなかったり、絶対に成功したいという気持ちが強く、焦りが先行してしまうのです。

自分だけで完璧に物事を進めるのではなく、周りの人達の手助けを受けながら、流れに身を任せることも覚えていけると良いでしょう。

ポジティブに考える

ネガティブ思考の人の特徴として、平常心を失いやすいということがあります。

「自分はだめだ」「どうせうまくいかない」と否定的なことばかり考えていては、うまくいくものもうまくいきません。

ポジティブ思考になれれば、前向きにトラブルにも対処できるはずです。

とは言え、簡単にポジティブになるのは難しいかもしれません。

まずは、「自分にならできる」「やってみたら楽しいはず」と、ポジティブな言葉を口に出してみましょう。

少しずつ実践することで、徐々に気の持ち方が変わってくるはずです。

気分転換する

いざというときに平常心を保つために、自分なりの気分転換方法を確立しておくことも大切です。

音楽鑑賞や甘いものを食べるなど、一時的に自分の世界に入れる方法があると、平常心を取り戻しやすくなります。

トラブルに対応して煮詰まっている時には、一度作業をストップして、気分転換をすると良いでしょう。

パッと頭の中がクリアになり、新しい考えが浮かんでくるかもしれません。

平常心を保つためのコツとは?

平常心を保つためには、ちょっとしたコツが必要です。

ついついカッとなってしまいそうな時は、ぜひ試してみてください。

自分なりに工夫すれば、きっと良い方法が見つかるはずです。

平常心であることに固執し過ぎない

「平常心でいなければいけない」という心理が働けば働くほど、人はパニックに陥りやすくなってしまいます。

平常心であることに固執してしまうことで、平常心ではない自分が受け入れらなくなってしまうのです。

突然のトラブルがあれば、動揺してしまうのは当然のことです。

「平常心でいなければ」と自分を抑制する必要はありません。

「今、少し平常心を保てなくなっているな」「でも、自分なら大丈夫」と平常心ではない状態の自分も、認めてあげましょう。

名言を思い出す

冷静でいられなくなりそうな時は、偉人の名言を頭に思い浮かべるのも良いでしょう。

例えば、有名な名言の1つに、「心頭滅却すれば火もまた涼し」があります。

「どこかで聞いたことがある」という人も多いのではないでしょうか。

この名言は、寺の僧侶・快川国師の名言です。

1582年に、織田信長が恵林寺に火を放った際、快川国師が炎に包まれる中で残したとされています。

「無心でいれば、火に焼かれることも苦痛とは感じない」という意味があります。

火を涼しいと思える程に無心でいるのはなかなか難しいことかもしれませんが、無心でいれば平常心を保つことができると教えてくれています。

平常心を保ちたい時に、「心頭滅却すれば火もまた涼し」の名言を思い出し、唱えてみてはいかがでしょうか。

怒る原因になった自分の感情を相手に伝える

相手の行動や言動にイライラしてしまい、平常心を保っていられなくなりそうな時もあるでしょう。

そんな時は、相手に怒鳴るのではなく、なぜ自分の中に怒りが沸いているのか、その理由をしっかりと伝えてみましょう。

「私は今、こんな感情になり困っている。だから、あなたにはこのように行動して欲しい」と、具体的に伝えるのです。

感情を爆発させるだけでは、自分も相手も嫌な気分になってしまうだけです。

冷静でいられない心理状況と、相手にして欲しいことを論理的に伝えられれば、大きなトラブルを招くこともないでしょう。

6秒カウントダウン

怒りの感情を抱くこと自体は悪ではありませんが、感情にまかせて相手に怒りの矛先を向けるのは良くありません。

当たり散らしてしまいそうだと感じたら、一旦、6秒間頭の中で数えましょう。

6秒カウントダウンし、沸騰した感情のピークをやり過ごすのです。

6秒待つことができれば、「意外に今、冷静だな」と客観的に自分を見られる心理状況になり、クールダウンできるはずです。

平常心を鍛えるための具体的なトレーニング方法

平常心を鍛えられれば、穏やかに日々を過ごすことができます。

それでは、どうすれば平常心を鍛えられるのでしょうか。

ここでは、平常心を鍛えるための具体的なトレーニング方法を紹介します。

過去のイライラを思い出して、現在と比べる

平常心を保てなくなりそうだと感じたら、過去にイライラした出来事を思い出してみてください。

そして、現在イライラしていることと比べてみるのです。

過去の実際の出来事と比べることで、「そういえば、前はこんなことがあったけれど解決できたな」「前のトラブルに比べれば大したことないな」など、気持ちを落ち着けられるかもしれません。

ルーティンを決める

朝起きたら、まず歯磨きをしてからストレッチをするなど、毎日の行動をルーティン化するのもおすすめです。

生活リズムがルーティン化できていない人は、「朝食は何を食べよう」「何時から用意を始めよう」など、思考する回数が多いのが特徴です。

生活リズムをルーティン化することにより、悩む回数が減り、自律神経が整います。

ポイントは、ルーティンを細かく設定することです。

ストレッチなら、肩2分、右脚1分、左脚1分、足首1分など、具体的にルーティン化しましょう。

平常心が保てなくなりそうな時に行う行動もルーティン化しておくと良いでしょう。

例えば、深呼吸を3回するなどを決めて実行することで、「いつもと同じだ」という心理が働き、平常心を保てるはずです。

セルフトークを見直す

セルフトークとは、「面倒だな」「疲れたな」など、心の中で何気なく思っている言葉のことです。

平常心が保てない人の特徴は、このセルフトークがネガティブな言葉が多い傾向にあります。

自分のセルフトークを見直してみれば、平常心を保てる心理状況になれるかもしれません。

実際にセルフトークを見直すには、まず、自分がどのようなセルフトークをしているのかを知る必要があります。

やり方は、頭の中でつぶやいた瞬間に、その言葉を記録するだけです。

スマホやメモ帳など、自分のやりやすい方法で記録をとっていきましょう。

記録がとれたら、セルフトークがイジイジ系なのかイライラ系なのかを分析します。

イジイジ系は、「どうせ私には無理」と自分の評価を下げる特徴があります。

イライラ系は、「どうして皆私を褒めてくれないの」と他人への不満がたまっているのが特徴です。

自分がイジイジ系なのか、イライラ系なのかがわかれば、怒りが沸く場面がわかりやすくなるでしょう。

そして、実際にネガティブなセルフトークをした時には、「ストップ」「停止」などと呟きます。

その言葉をきっかけに、ネガティブな考えはやめ、楽しくなるようなことを考え、意識を転換させましょう。

ネガティブなセルフトークをストップさせる習慣がつけば、徐々にネガティブなセルフトークをすることが減ってくるはずです。

もしもネガティブなセルフトークをしてしまった時は、ポジティブな言葉に置き換える習慣もつけましょう。

「どうせ私には無理」は「無理なこともあるけれど、できることもたくさんある」に、「どうして皆私を褒めてくれないの」は「褒めてもらえるようにもっと努力しよう」などに置き換えてみましょう。

アンガーマネジメントを実行する

アンガーマネジメントとは、自分の怒りと上手に付き合っていくスキルのことです。

怒りの感情を飲み込むのではなく、必要のない怒りはできるだけ避けることと、必要な時は上手に怒ることで怒りをコントロールしていくのです。

コントロールする方法には、衝動のコントロール、思考のコントロール、行動のコントロールの3つの方法があります。

まず、衝動のコントロールでは、怒りの感情をやり過ごします。

自分が怒っている内容を、手のひらに指で書くことなどが有効です。

次に思考のコントロールでは、一旦、自分が本当に怒るようなことなのかを考えます。

怒った出来事に対し、「許せる」「嫌だけれど許せる」「許せない」の感情を割り振ります。

そして、行動のコントロールとして、「許せない」と感じた時に、本当にそこまで怒らなければいけないことなのかを考えます。

重要度と、相手に悪気があったかどうかから判断するコントロール可能度で、判断しましょう。

意外にも、本当に怒らなければならないケースは少ないと気づけるかもしれません。

平常心を長続きさせるための考え方

平常心を保つことができたら、できるだけ長く平常心を保ちたいと思うでしょう。

ここでは、平常心を長続きさせるための考え方を紹介していきます。

高い視点に立つ

自分は相手よりも高い視線に立っているんだと考えましょう。

もちろん、相手に対して横柄な態度をとるわけではありません。

あくまでも相手に寄り添いながらも、同じ目線ではなく、もっと自分は大きな所から物事を捉えているのだと考えるのです。

そうすることで、些細なことで平常心を失うことはないはずです。

頭を切り替える

イライラした時は、一呼吸おき、すぐに違うことをしましょう。

「ちょっと失礼」と言って席をはずしたり、飴をなめて気分転換しても良いでしょう。

頭をサッと切り替える手段を確立しておくのです。

人により、その方法は様々です。

ストレッチをしたら落ち着ける人もいますし、鏡で自分を見たら落ち着けるという人もいます。

自分なりの感情の切り替え方法を把握すれば、平常心を長く保てるはずです。

売り言葉に買い言葉はしない

相手の言葉をそのまま受け止めては、平常心を保っていられないこともあるでしょう。

「なぜこの人はこんなことを言ったのだろう」と相手の心に寄り添う気持ちが大切です。

売り言葉に買い言葉で、カッと言い返すと、どんどん怒りの感情がヒートアップしてしまいます。

相手に寄り添うことで、怒りのコントロールができ、他人からも穏やかな人に見られるはずです。

怒りのコントロールができれば、仕事などで評価が上がる可能性もあるでしょう。

どんな感情も放っておけば収まる

どんなに怒りや不安な感情が沸いても、放っておけばいつかは収まるのだということを理解しておくと良いでしょう。

平常心を保てなくなったら、まずはゆっくり深呼吸して落ち着きましょう。

そして、すぐに何でも良いので行動するのです。

立ち上がったり、コーヒーを飲んだり、違う行動を開始することで、別件を思い出したりなど、実は簡単に感情は変化するものなのです。

給料が少なくて不安で仕方ないなら副業を探してみたり、鞄が壊れてしまったら新しい鞄をすぐに探しに行ったり、即行動を意識することで、前向きになれるはずです。

平常心を保つこと何においても重要

怒りや不安といった感情は、心を疲弊させてしまいます。

毎日を楽しく穏やかに過ごすためには、平常心を保つことは何においても重要なのです。

ここで紹介した平常心を保つための方法を活用し、周りから影響されない自分になりましょう。