『社畜』という言葉は、自嘲に使ったり他人をバカにする意味で使われたりと、今や日本においてあらゆるところで目にします。
会社に雇われている人全般がそうであるわけではありませんが、自分のことを社畜だと感じている人は少なくないでしょう。
もし自分が社畜だと思うのであれば、そしてつらい毎日を送っているのであれば、それは今すぐ辞めるべきです。
「でも収入がなくなるし・・・」とか「せっかく就けた仕事だし・・・」など様々な事情はあるにせよ、続けることは自分を危険に晒すことになります。
本記事では、社畜の危険さと今すぐ辞めるべき理由、スムーズに辞める方法について解説していきます。
今すぐ社畜を辞めるべき3つの理由
社畜としてつらい毎日を無理に続けることは、『百害あって一利なし』と言えるほど悪い影響をもたらします。
具体的には、以下の4点の悪影響があるという理由から、社畜は今すぐ辞めるべきです。
心に余裕がなくなる
社畜として仕事に振り回される日々を繰り返していると、どんどん心に余裕がなくなってきます。
それがもたらすのは、周囲に対する優しさや気遣いといった、人間として大切なものの喪失です。
・朝の通勤ラッシュ時、我先にと電車に飛び乗り席に座る
・街で明らかに調子のおかしそうな人がいても、何も見えていないように素通りしていく。
これは自分の心に余裕がないことによる、他人への無関心さが招いていると言えます。
他にも普段は許せることが許せなくなったり、些細なことで怒ったりと、心に余裕がないことで孤立していき周囲から誰もいなくなってしまう危険があります。
不健康になる(病気になる)
社畜は心身を削って働いている状態。
続ければ続けるほど消耗は激しくなり、不健康になり病気になる危険性を大きくしてしまいます。
その最たるものがうつ病や適応障害といった精神疾患。
以下の記事でも、精神疾患を抱える人が年々増加傾向にあることを示しています。
17年の調査で通院している患者さんの病気別内訳を見ると、多い順にうつ病、不安症、統合失調症となっています。うつ病は15年前の約1・8倍に、不安症は1・7倍に、統合失調症は約1・2倍に増加しているのです。
https://dot.asahi.com/articles/-/43179?page=1
精神疾患によって休職・退職を余儀なくされて、長い間症状に苦しむ人は大勢います。
「気の持ちよう」でも「心が弱い」でもなく、今や誰もがいつなってもおかしくないものです。
社畜で居続けることで、そうなる確率を高くしてしまうのです。
何も楽しめなくなる
社畜でいると、頭の中は仕事に対するプレッシャーでいっぱいになってきます。
そうすると何をしていても仕事のことが脳裏にチラつくようになり、心の底から楽しんだり夢中になったりできなくなります。
ゲーム・映画・漫画・ライブ・恋人とのデート・友人との旅行など、あらゆることが楽しむどころか億劫になってくるのです。
人間にとって娯楽は欠かせないもので、これなくしては生きていけません。
仕事しかしていない毎日は、「何のために生きているのか」という疑問を抱くキッカケとなり、人生を壊してしまう危険さえあります。
社畜をスムーズに辞めるために必要な5つのこと
上記の通り、社畜でいることによる危険は、続けるほど増していきます。
この危険から抜け出すためにも、社畜は今すぐ辞めるべきですが、ここで立ち回り方を間違えると、会社と揉めて無駄に消耗することになりかねません。
そこで必要なのが、辞めるにあたっての以下の行動です。
上司に退職の意思を示す(退職願を出す)
まず欠かせないのは、上司に辞めることを伝え、退職願を出すことです。
当たり前に思うかもしれませんが、これをする勇気が出ず辞められない人はたくさんいます。
特に上司が苦手だったりすると、話しかけることができずにズルズルと引きずることになってしまうでしょう。
しかし会社を辞めるにあたっては、自分自身が退職を申し出ることが最初の1歩となります。
もしどうしても直属の上司に言いづらければ、別の上司やさらに上の役職の上司でもいいので、とにかく「私は辞めます」とはっきりと伝えることです。
引き止めや説得には耳を貸さない
辞めることを伝えると、引き止めや説得をされることが往々にしてあります。
面談をセッティングされて、会社に残るメリットや辞めることのデメリットを挙げてくるでしょう。
ただ、それはこちらのことを思ってではなく、あくまで会社のためであることを忘れてはなりません。
社員と会社はお互いの利益関係で繋がっているだけで、そこに思いやりなどが存在することは稀です。
向こうの言っていることがどれだけ正しく聞こえても、その言葉の裏にあるものを冷静に見つめてみましょう。
そもそも社員を大切にしてくれるような会社なら、辞めたいと思うことはないはずです。
レコーダーを忍ばせておく
退職したいことを上司に伝える時、その後の面談での引き留め・説得の際には、ボイスレコーダーで録音しておくことをおすすめします。
特に日ごろからパワハラ気質だったりして、何を言われ何をされるか分からない場合、レコーダーでその証拠を集めておけば、いざという時に必ず役立ちます。
今はスマホでもレコーダー機能を搭載していたり、アプリで出来たりもしますが、最も確実で性能が良いのはレコーダーでしょう。
スーツであれば旨ポケットに入れておく、私服であればズボンなどのポケットに入れておくなど、会社にいる間はいつでも録音できる状態にしておくと安心です。
手続き・引き継ぎを曖昧にさせない
退職においては、社会保険に関する手続きや仕事の引き継ぎなど、多くの作業があります。
普通の会社であれば人事部などが社会保険周りのことは処理してくれますが、ブラック企業などの場合、これをいい加減にしてくるので注意しましょう。
また、引き継ぎ書類の作成は業務中にやって問題ありませんが、これもヤバい会社だと「業務中にやるな!残業してやれ!」などと言ってくる可能性があります。
しかしそれも気にせず、ひそかに業務中に進めていきましょう。
無理して1人で戦うこともないので、会社が退職のための作業を妨害してくるのであれば、労働組合や弁護士などの機関へ相談するのもアリです。
手続きを曖昧にさせず、あとあと面倒なことに発展させないようにすることが大切です。
退職代行を使う
労働組合や弁護士へ相談するのに重なりますが、退職代行を使うのはとてもおすすめです。
代行利用の契約が完了すれば、あとは退職代行業者が全ての退職までの処理を会社と交渉して行ってくれます。
どうしても自分から退職を言い出せない、会社と揉める可能性が高い状況の場合は、迷わず退職代行を使いましょう。
退職代行は、弁護士・労働組合法人・民間事業者が運営しているものに別れますが、費用面や合法性の観点から見ると、労働組合法人に依頼するのがベストです。
まずは相談だけすることも可能なので、不安であれば気軽に問い合わせてみるべきです。
『自分に合う生き方』は必ずある
冒頭でも触れましたが、会社に雇われている人全般が社畜というわけではありません。
仕事にやりがいや誇りを持って、一生懸命働いている人だって世の中にはいます。
もしそんな会社に出会えて仕事ができたら、それはとても良いことでしょう。
しかし一方で、どうしたって会社という集団の中に、馴染むことができない人もいます。
そういう人は、どんな会社であっても、窮屈でつらく感じてしまうでしょう。
そこで大切なのが、自分に合う生き方が何なのかをじっくり考えることです。
会社で働くのも、フリーランスや起業して働くのも、その両方で働くのも、どれも優劣はありません。
自分にとって最もストレスが少なく、充実とまではいかずとも悪くないと思える生き方は何なのか。
まずはその点を見つめてみましょう。
どんな人にも『自分に合う生き方』は必ずあって、これまでの経験は決して無駄になりません。