『誰でもできる仕事』と言われたら、あなたは何を思い浮かべるでしょうか?
基準は人それぞれですが、一般的には特別な資格やスキルが必要なく、熟達した経験が必要ないものは、誰でもできる仕事と捉えられるでしょう。
その仕事に従事している人からすると、「誰でもできる」と言われたら怒るかもしれません。
しかし、誰でもできる仕事だって、やり方を意識することで誰にもできない仕事とすることは、十分可能です。
本記事ではその点について、詳しく解説していきます。
ほとんどの仕事は誰でもできる
自分のしている仕事が「誰でもできる」と言われたら、怒る人もいるかもしれません。
しかし正直なところ、世の中にあるほとんどの仕事は、誰でもできるものです。
もちろんノウハウは必要ですが、それが分かればやれないことはありません。
本人の感性やセンスに左右されるものでなければ、「誰でもできる」というのは100%間違いとは言えないでしょう。
自分の仕事にプライドを持つのは悪いことではありませんが、それと『自分がしているのは特別な仕事だ』と思うのは違います。
さらに言えば、ごく一握りの人しかできない仕事だったら、その人が辞めてしまったら大変なことになります。
その意味で「誰でもできる」は、重要なことでもあるのです。
同じことをしても差は出る
誰でもできる仕事は、ノウハウさえ分かれば誰でもできると言いました。
しかし一方で、同じ仕事をしていても、そのクオリティは同じにはなりません。
評価がとても高い人もいれば、とても低い人も出てきます。
例えば僕は長年コールセンターで働いていましたが、同じ期間やっているのにそのレベルは個々によって全くバラバラでした。
ただマニュアルを読むだけで機械的な対応しかできない人、自分なりに工夫して良い対応をする人と、明確な違いが出ていました。
そしてこの部分こそ、『誰でもできる』を『誰にもできない』へ変化させるためのヒントです。
自分にしか出せない『色』が誰にもできない仕事にさせる
同じ仕事をしても差が出るのは、個々で自分だけの色が出るからです。
それはまさしく千差万別で、全く同じにはなりません。
だからこそ、その色を良い方向に磨いていけば、自分にしかできない仕事になるのです。
元々の性格やこれまでの経験など、良い点があれば悪い点もあるはず。
その中でいかに良い点を活かせるかが、誰にもできない仕事にさせる重要なポイントです。
誰にもできない仕事にするための4要素
誰にもできない仕事にするためには、自分にしか出せない色を武器にする必要があります。
では、それは具体的にどんなものなのか。
職種にもよりますが、大きく分けると以下の4要素となります。
スピード
どれだけ早く処理や対応を進められるかです。
ただ早いだけが良いわけではありませんが、例えば営業や飲食業ではこれがかなり求められます。
営業ならいかに早く顧客の要望に応える提案ができるか、飲食業ならいかに早く注文や会計などの接客に当たれるか。
特に日本人は待つという行為が得意ではないので、スピードは満足度に関わってくる重要な要素と言えるでしょう。
正確性
ミスや誤りなく、正しく進めることができるかです。
医療系は命に関わることなので当然ですが、経理や校正・校閲など数字・文章をチェックするような職種も、正確性は重要視されます。
真面目に仕事に向き合い、根気強くやれる人が持ち合わせていることの多い要素ですね。
会社で仕事をしているとよく分かりますが、この正確性に欠ける仕事をしている人は、予想以上に多いです。
自分がミスや誤りをしていること自体、気付かないしマズいことだと自覚もしていないケースもザラです。
だからこそ、この要素を持つ人は希少ですし、必要とされるのです。
ホスピタリティ
ホスピタリティという言葉は知っていても、その意味をちゃんと理解していないことは多いのではないでしょうか。
一般的にホスピタリティとは、以下の意味を持っています。
〘名〙 (hospitarity) 心のこもったもてなし。手厚いもてなし。歓待。また、歓待の精神。
引用:精選版 日本国語大辞典
日本では特にこのホスピタリティが、昔から過剰に求められてきました。
そこまでは必要ありませんが、社内の人や顧客に対して、丁寧に接することは重要な要素です。
当たり前とされがちですが、これができていない人が本当にたくさんいます。
人間は理屈や理論より感情に引っ張られる生き物なので、ホスピタリティが十分ならそれだけで満足することも。
接客業でご指名を受けるのは、まさにこのホスピタリティが抜群な人です。
「○○さんが言うなら・・・」というのも、これが関与していると言えるでしょう。
それだけホスピタリティは、仕事において求められるものなのです。
臨機応変力
仕事にトラブルや異常事態はつきものです。
それに見舞われた時にいかに対処できるかが、優秀かそうでないかを分けます。
これが臨機応変力であり、他人と差別化を図れる要素です。
スクリプトがあれば誰でも同じ対応はできますが、その先にある柔軟な対応は、この臨機応変力が問われるでしょう。
明文化ができず、その場面に応じた英断が求められるからこそ、重宝される力です。
スクリプト通りのように誰でもできることではないので、そのぶん重要なのです。
誰でもできる仕事にも深みがある
誰でもできる仕事とは正確に言うと、『一定レベルまでであれば誰でもできる仕事』だと思います。
しかし、世の中に求められるのは、その先にある一定以上のレベルです。
そしてそれが、本記事で解説した4つの要素であり、いわゆる『深み』というやつではないでしょうか。
誰でもできる仕事だという事実は受け止めた上で、誰にもできない仕事に昇華させられるかは全て自分次第です。
無駄なプライドや偏見を持つのではなく、深みを持たせるべく自分をレベルアップさせましょう。