退職代行とはどんなサービスか知っていますか?
この記事では、「相場っていくらくらい?」、「どうやって利用するの?」などの悩みお答えします。体験談や引き継ぎの有無、おすすめの依頼先にもふれているので、退職を考えている人はここで疑問を解消してくださいね。
退職代行とは?どうやって話を進めてくれるの?
退職代行は2020年頃からテレビなどで取り上げられ、急速に広がっているサービス。
なぜ退職代行にニーズがあるのか理解できないと考える人がいる一方で、退職に悩む人の大きな助けになっています。退職代行とはどんなサービスなのか、詳しく見てみましょう。
退職代行とはあなたの代わりに退職の話を進めてくれるサービス
退職代行とは、あなたに代わって会社に退職の意志を伝え、わずらわしいやりとりをしてくれるサービスのこと。会社を辞めるときに後ろめたい気持ちになる人は、決して少なくありません。
それだけではなく、会社側から強引な引き止めをされたり、退職に向けての話を進めてくれなかったりすることもあります。
これらの状況を打開して、円滑に退職を実現してくれるサービスが退職代行。
「つらい仕事から早く解放されたい」
「もう会社の人と会いたくない」
「退職の話を進める気力がない」
こういった状況に陥っている人にとって、退職代行サービスは重宝されています。
退職代行の依頼先は大きく分けて退職代行会社と弁護士の2パターン
退職代行サービスをおこなっているのは大きく分けて2種類。退職代行会社と弁護士です。
それぞれに特徴があり、状況に応じて使い分けると良いでしょう。はじめのうちにこの2種類を把握しておくとスムーズに依頼先を決められるので、ぜひ押さえておいてください。
退職代行サービスはいくらかかる?料金の相場とは?
退職代行サービスを依頼する際に気になることのひとつが、費用はいくらかかるのか?です。
「すぐに新しい仕事を見つけられるかな…」など、退職する際には不安がつきものですので、少しでも料金を抑えたいと思う人は少なくありません。
そこで退職代行サービスの相場をまとめました。
退職代行会社の相場は3万円~5万円
退職代行会社の料金は、3万円~5万円です。正社員が退職する場合の料金は、アルバイトの料金よりも1万円程度高くなるケースが多く見受けられます。
退職代行サービスがまだ浸透していない初期には、10万円以上の料金がかかる会社も珍しくありませんでした。ですが、近年は3万円を下回る金額で退職代行をしてくれる会社が増え、全体的に価格が下がってきています。
弁護士に退職代行を依頼する際の相場は20万円~50万円
退職代行会社とは異なり、弁護士に依頼する場合は高額になりがち。
その相場は20万円~50万円ほど。
ただ、依頼する弁護士によって最初の相談料が無料であったり着手金が不要であったりとさまざま。成功報酬が設定されていることもあるので、事前にしっかりと料金について確認しておきましょう。
一例としてベリーベスト法律事務所の料金がいくらなのか、まとめておきます。
金額 | 備考 |
55,000円 (作業・交渉時間5時間まで) (1時間の超過につき22,000円) | 正式依頼したときに発生 |
金額 | 備考 |
11万円 | 退職できた場合に発生 |
経済的利益の22% | 300万円以下の経済的利益を得た場合に発生 |
経済的利益の16.5%+16,500円 | 300万円を超える経済的利益を得た場合に発生 |
退職サポートの費用のご案内。弁護士多数・全国対応・豊富な相談実績があり、平日夜間、土日祝の相談のご希望も承ります。詳しくは労働問題専門チームよりご案内をいたします。お問合せください。
退職代行サービスを代行会社に依頼するメリット・デメリットとは?
退職代行サービスをおこなう会社は当初よりも増えてきており、そのニーズを垣間見ることができます。
退職代行を有効に活用するためにも、どんなメリットやデメリットがあるのか把握しておきましょう!
メリット | デメリット |
料金が安い 退職までのスピードが早い | 悪質な業者に関わる可能性がある |
退職代行サービスを代行会社に依頼するメリット①料金が安い
退職代行会社のメリットは、格安で退職できることです。
料金の相場でお伝えしたとおり、弁護士に退職代行を依頼するよりもはるかに安い値段で退職できます。退職代行会社がうまく話を進めてくれて有給を全て消化できた場合には、おつりがくることも珍しくありません。
ストレスフリーに退職でき、有給を活用できることで大きな満足感を得られる人もいるのです。ただ、通常の料金設定は安いもののオプション料金で予想外の金額がかかってしまうこともあるので注意してくださいね。
退職代行サービスを代行会社に依頼するメリット②退職までのスピードが早い
退職までのスピードが早いことは、退職代行の大きなメリット。依頼したその日のうちに退職が決まることも珍しくありません。
心身ともに限界まで頑張り、ヘトヘトになっている人はたくさんいます。なかには健康状態を維持できなくなっている人も…。
「明日はもう、会社に行けない…」と頭を抱える人などにとって、退職代行会社の迅速性は、大きな救いになっているんです。
退職代行会社に依頼するデメリットは悪質な業者に関わる可能性があること
格安の料金やそのスピード感から、退職代行会社の魅力を大きく感じている人は増えています。
その一方で、悪質な業者に関わってしまうリスクがあることを忘れてはいけません。
「退職できたのはいいけど、保険証の返却や離職票の手続きなどのサポートはしてくれなかった」
「お金を振り込んだあと、一切退職の話を進めてもらえないまま、音信不通になった」
など、思わぬ不利益を被ってしまうケースもあります。安さや迅速性ばかりに目を奪われていると、大きな視点で見たときに失敗してしまうので注意してくださいね。
退職代行サービスを弁護士に依頼するメリット・デメリットとは?
弁護士に退職代行サービスを依頼すると、かなり高額になってしまいます。
ですが、それ以上に大きなメリットを感じる人も少なくありません。退職代行サービスを弁護士に依頼することについて、どんなメリットやデメリットがあるのか詳しくお伝えします。
メリット | デメリット |
会社と交渉してくれる 退職に関する手続きも依頼可能 | 料金が高い |
退職代行サービスを弁護士に依頼するメリット①会社と交渉してくれる
法律のプロである弁護士は、しっかりと退職代行の任務を遂行してくれる頼れる存在。
その強みは、なんといっても交渉ができること。退職代行の手続きを進める際、会社側から相談や調整ごとを持ちかけられるケースは少なくありません。
そんなとき弁護士はあなたの代わりにさまざまな交渉をおこなってくれるので、退職に向けてしっかりと話を進めてくれるのです。
反対に退職代行会社については弁護士法によって、交渉をすることが認められていません。
(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)
https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC1000000205/#764
第七十二条 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
(譲り受けた権利の実行を業とすることの禁止)
これは非弁行為と呼ばれており、違法であり犯罪行為だとされています。そのため退職代行会社ができることは、交渉を除いた退職手続きにとどまるのです。
このようにあなたに代わって会社と交渉してくれる弁護士は、退職代行における失敗が少ないことが一番のメリット。さまざまな問題を解決しながらあなたを退職に導いてくれるのです。
退職代行サービスを弁護士に依頼するメリット②退職に関する手続きも依頼可能
弁護士は会社との交渉をおこなってくれるだけでなく、雇用保険や年金、健康保険などの手続きにも対応してくれます。
慣れない手続きを代わりにしてくれるので、時間と労力を省きつつ安心感を得られることも大きなメリットなんです。そのほかにも弁護士は以下の請求業務もおこなってくれるので、必要に応じて相談してみてください。
- 残業代
- 退職金
- 未払いの給料
- 慰謝料(ハラスメントなどがあった場合)
- 労災(心身の疾患などがある場合)
これらの請求は素人にとっては難しいもの。
生半可な知識だと得られるはずの利益を逃してしまうかもしれません。その点、法律のプロに依頼することで請求できるものをしっかりと得てくれることが期待できるのです。
退職代行を弁護士に依頼するデメリットは料金が高いこと
弁護士に退職代行を依頼する場合、費用の高さがネックとなります。先述のとおり、弁護士に依頼する際の料金の相場は20万円~50万円とかなり高額。
退職をする際には、「次の職場でうまくやっていけるかな…」など、たくさんの不安が伴います。そういったなかで20万円以上のお金を支払うことは、決断力を要すると言えるでしょう。
参考までに先ほどお伝えしたベリーベスト法律事務所の料金について再掲しておきます。
金額 | 備考 |
55,000円 (作業・交渉時間5時間まで) (1時間の超過につき22,000円) | 正式依頼したときに発生 |
金額 | 備考 |
11万円 | 退職できた場合に発生 |
経済的利益の22% | 300万円以下の経済的利益を得た場合に発生 |
経済的利益の16.5%+16,500円 | 300万円を超える経済的利益を得た場合に発生 |
※低価格(30,000円~)で退職代行をしてくれる弁護士事務所も増えているので、こちらも参考になさってください。
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退職代行サービスはどうやって利用する?退職までの3つの流れとは?
退職代行サービスを利用したい人のなかには、「どうやって申し込めばいいんだろう?」と思う人もいます。そこで、退職代行サービスを利用する際の基本的な流れについてまとめました。
大きくわけて3つのステップで退職できることを知れば、心も軽くなるかもしれません。この機会にサラッと把握しておきましょう。
退職代行サービスの利用方法①退職代行を依頼する
退職代行サービスを利用する際には、まずは申し込みから。電話やネットを使って希望の依頼先へ申し込みをしましょう。
退職代行会社のなかにはLINEで相談などを受け付けているところもあるので、質問しやすいところを選ぶのもひとつの手。まずは相談をしてみて、親身になってくれるかどうかを見極めるのも良いでしょう。
退職代行サービスの利用方法②料金を支払う
申し込みをすると、依頼先から料金の支払いに関する案内がされます。
振り込みやクレジットカード払いなど、依頼先によって選べる支払い方法が異なるので、しっかりと確認しておいてください。
また、退職代行を依頼する前に疑問や不安を解消しておくことも大切。
- どのような場合にオプション料金が発生するのか?
- 離職票の受け取りまで請け負ってくれるのか?
などの詳細を把握したうえで料金を支払いましょう。
退職代行サービスの利用方法③退職までの流れについて打ち合わせをする
ここでは希望の退職日や退職理由、会社に電話をしてもらうタイミングなどについて話し合います。上司には伝えにくいことも退職代行の依頼先なら伝えやすいはず。
あなたにしかわからない、上司に対応してもらいやすい時間なども伝えておくことでよりスムーズに退職できるでしょう。
退職代行サービスの利用方法④依頼先からの完了報告を待つ
あなたの要望を伝えたあとは、とくにすることはありません。あとは依頼先にて退職手続きを進めてくれるので、完了の報告を待つだけです。
経過報告や確認事項などのやりとりが生じることがありますが、大きな問題が起こらない限り、負担に感じることも少ないでしょう。
退職代行サービスを使った人の体験談とは?
退職代行サービスを使った人の成功体験を把握しておけば、この先の明るい未来をイメージしやすくなります。
また、どのような失敗談があるのかについても押さえておくと、リスク管理に役立つでしょう。そこで、退職代行サービスを使った人の成功例や失敗例について、体験談を紹介します!
退職代行サービスを使った人の体験談①成功例
退職代行サービスを使ってスッキリと退職できた体験談を見ると、心の晴れやかさが感じとることができます。
成功例としては、以下のような口コミがあがっていました。
やった!!!!明日からの夜勤→開店〜夜勤→開店→夜勤のシフト行かなくていいんだ!!!!
それはひどいですね…私のところも残業代という概念がなかったです。退職代行sarabaというところで三万円でした。LINEでやり取りできて対応が早くておすすめです~!円滑に退職できることをお祈りしております🙏
退職代行サービスを使った人の体験談②失敗例
退職代行を使ったものの、あえなく失敗した例を押さえておけば、あなたの今後に活かせます。同じ失敗を繰り返さないためにも、どんな事例があったのか押さえておいてください。
以下の2つの口コミは知人に関する失敗例ですが、あなたの悩みをうまく解決するために役立つでしょう。
退職代行サービス使ったものの失敗して未だ働いてる同期がいるんだけど怖すぎ
友達の旦那さんが退職でトラブってる……退職代行サービス利用したけど、未払い賃金は無視され、催促してるのに離職票、社会保険雇用証も送ってこないと((((;゜Д゜)))
退職代行サービスを使えば引き継ぎなしで辞められる?
退職代行を使ったあとに引継ぎをすることになると、かなり気まずい雰囲気になってしまいがち。退職代行を使えば引き継ぎをしなくていいのかどうかについて、詳しくお伝えします。
退職代行サービスを使えば引き継ぎなしで辞められることがある
先ほどお伝えした体験談の成功例のようにスピーディーに対応してくれた結果、翌日の勤務から行かなくていいこともあります。そのため、退職代行サービスを使うことで引き継ぎなしで辞めることは可能といえます。
ただ、場合によってはどうしても引き継ぎが必要なケースもあるでしょう。あなたにしかわからない業務上の進捗状況や他社とのやりとりなどがある場合です。
引き継ぎをしなかったことでクライアントからの契約が打ち切られたなどの損害が生じると、あなたのリスクも高まります。「最低限の引継ぎをしなかったことによって生じた損害賠償を請求された」なんてことにならないよう、適切な対応が必要です。
事前に引継ぎ書類を作成しておいたり、それとなく同僚にポイントを伝えておいたりすることで対応できるかもしれません。引継ぎの必要性に関しては、のちのちのトラブルにつながらないよう、しっかりと見極めてくださいね。
引き継ぎをしたくないだけでは退職代行を使わない方がいい
「退職することを周囲に知られたうえで引き継ぎをするのは気まずい…」との思いから、退職代行サービスを利用する人もいます。ですが、引き継ぎをしたくないことだけを理由に退職代行サービスを使うことはおすすめしません。
その理由は、仕事の辞め癖がつきやすくなるからです。あまりにもストレスフリーに退職できてしまうと、その後もちょっとしたことで退職してしまうことにつながりかねません。
ひどいハラスメントをされていたり心身の不調があったりするなど、引き継ぎができる状態ではない場合には仕方ないでしょう。
しかし、単にラクをしたいだけで引き継ぎを拒否すると円満に退職できる状況を自ら壊してしまうことになるかもしれないのです。
また、退職代行の相場は約3万円からですので、決して安い金額ではありません。あなた自身の今後のためにも、引き継ぎをしなければいけないかどうかについて、しっかりと見極めてくださいね。
おすすめの退職代行サービスとは?
大きく分けて代行会社と弁護士に依頼できる退職代行サービス。ここまでお伝えしてきたことをふまえて、どちらがおすすめの依頼先なのかについて紹介します。
おすすめの退職代行サービス依頼先は弁護士
退職代行サービスの利用を考えている人には弁護士をおすすめします。
その理由は、より確実に退職を実現してくれるうえ、大きな利益を得られる可能性があるからです。弁護士はあなたの会社と交渉をしながら退職への道を切り開いてくれます。会社からの反論や要望などにうまく対応してくれることで、確実性が上げられることは大きな魅力。
退職が失敗すると、会社に戻らなければならなくなったときにかなり肩身が狭くなってしまうので注意が必要。また残業代や退職金など、あなたが得られる利益をしっかりと請求してくれることも大きな魅力。
大きな視点で見ると、高い費用を払っても弁護士に依頼する方がメリットが大きいのです。うまくリスクを軽減しながら、もらえるものはもらえるよう手堅い選択をおすすめします!
退職代行とは?料金の相場・依頼方法・おすすめの依頼先などのまとめ
退職代行サービスを手掛ける会社は多く、その料金も手ごろになってきました。その反面、想像とは異なる対応ぶりに困ってしまう人も…。
退職代行会社は格安な分、リスクも伴うので注意が必要です。退職に失敗したときや退職後に必要書類が送られてこなかったときには、かなりのダメージが生じます。
そのため金額は高いものの、より安心感が期待できる弁護士への依頼を検討してください。高額な分、次の仕事はもっとうまくやろうとの教訓にもできるでしょう。できる限り安全につらい状況を抜け出し、あなたらしく働ける仕事を見つけてくださいね。