コロナ禍をキッカケに、テレワークは日本でも大きく普及しました。
その影響で「通勤時間がいかに無駄だったか分かった」という声が並ぶようになり、依然として出社形態の仕事をしている人達は、テレワークを羨ましいと思うこともあったと思います。
しかし、通勤時間を無駄としか捉えられていない人は、残念ながら一生何かで成功することはできません。
この記事では、その理由と成功できる人・できない人を分ける通勤時間の捉え方の違いを、詳しく解説していきます。
活用するか無駄にするかは自分次第
まず、通勤時間を無駄と決めつけている人は、通勤時間に以下の過ごし方をしていたのではないでしょうか。
・寝る
・マンガを読む
・ゲームをする
・SNSを眺める
・何もせずボーっとする
現に、通勤中のサラリーマンを見ていると、これらのいずれかをしている人達で溢れています。
確かにこれでは生産性がありませんし、無駄と捉えるのも仕方ないことでしょう。
対して活用できている人は、以下の過ごし方をしています。
・読書する
・副業の作業をする
・資格勉強をする
・スマホで新聞記事を読む
・1日の行動スケジュールを頭の中で練る
見て分かる通り、無駄にしている人達とはまるで違いますよね。
通勤時間を活用するか無駄にするかは、結局その人の過ごし方次第なのです。
テレワークでも時間を無駄にする人は変わらない
以下のデータは、総務省統計局が調査している『社会生活基本調査』です。
これを見てみると、『テレワーク(在宅勤務)』の人達の学習・自己啓発の時間は10分、『テレワーク以外』の人達の学習・自己啓発は4分となっています。
確かにテレワークの方が時間は長いものの、それでも1日にわずか10分しかしていません。
さらに、同データには以下のような記述もあります。
テレワーク(在宅勤務)をしていた人はしていない人に比べ睡眠、趣味・娯楽などの時間が
令和3年社会生活基本調査結果(総務省統計局)
長く、通勤・通学、身の回りの用事などの時間が短い。
テレワークにより通勤時間が減少する一方で、25~34 歳では睡眠、趣味・娯楽、35~44 歳で
は育児、45~54 歳では睡眠、食事の時間がそれぞれ長くなっている
つまり、せっかくテレワークで通勤時間が無くなっても、睡眠・趣味・娯楽などに充てる時間が延びただけで、有意義に使ってはいないわけです。
テレワークだろうと出社による通勤時間があろうと、変わらない人は変わりません。
通勤時間を言い訳の材料にしてはいけない
ハッキリ言って、「通勤時間は無駄」と主張している人は、それを言い訳の材料にしているだけです。
『自分はもっと色々やりたいのに、通勤があるせいで出来ない』と考えていると思いますが、大きな勘違いでしかありません。
本当にデキる人は、たとえテレワークだろうと出社形態であろうと、状況に応じて時間を有意義に使います。
「会社を辞めて起業する!」と息巻くのにいつまでも実行しない人と、何も言わず会社を辞めて起業する人の関係に似ていますね。
そこが成功する人としない人の違いです。
成功する人は、自分の置かれている環境に文句を言うのではなく、変えたいと思ったら変えるだけ。
まさに無限実行であり、無駄に語らず淡々とやっていくだけなのです。
テレワークに潜むデメリット
テレワークに多くのメリットがあることは、既に様々な場所で取り上げられています。
ただその一方で、以下のデメリットがあることも、しっかり認識していなければなりません。
社畜になりやすい
テレワークは職場が自宅になります。
出社形態のように、職場を出れば仕事は終わり、自宅に帰って休むという明確な区切りがありません。
そのため、仕事が終わらないという理由で早朝からやることも、定時後もやることも出来てしまいます。
これはテレワーク版の社畜であり、この状況に陥っている人は珍しくありません。
自宅で全て完結してしまう分、余計に外部に気付かれにくく、問題が表面化しないのです。
会社によってはこれを良いことに、社員に早朝・深夜に関わらず連絡して、仕事をやらせるというケースも。
テレワークだからこそ、逆に出来てしまうのが皮肉なところです。
運動不足による生活習慣病のリスクがある
テレワークは通勤がないので、自分の足を使う機会が極端に減ります。
普段から運動する習慣がない人にとっては、1日のほぼ全てを座った状態で過ごすことになるでしょう。
これによって高血圧や糖尿病といった生活習慣病のリスクが高まることが懸念されており、スポーツ庁の広報でも注意が呼びかけられています。
生活習慣病には生活リズムを作り、体重をコントロールすることが大事
※出典:スポーツ庁Web広報マガジン DEPORTARE(デポルターレ)
最近は食事もウーバーイーツなどの配達に頼ったり、日用品の買い物すらネットショップで可能になっていたりと、その気になれば家から1歩も出ずに完結出来てしまう環境が整っています。
しかしそれが原因でたらされるのは、一生付き合うことになるかもしれない病気であるという点を、忘れてはいけません。
コミュニケーション不足によるメンタル不調のリスクがある
テレワークは職場のように周囲に同僚がいません。
ちょっとした雑談をする機会がなく、下手をすると誰とも会話をせず1日が終わることがザラにあります。
ただでさえ人間関係が希薄な現代で、テレワークがこれに拍車をかけたことにより、メンタル面の不調を訴える人が増加しています。
「自分は大丈夫」と思っていても、気付かないうちにストレスが溜まって、ある日いきなり発症する・・・ということも珍しくありません。
人間は自分が想像している以上に、他人とのコミュニケーションで日頃のストレスを緩和しているのです。
通勤時間は自分が試される場
テレワークによって無くなった通勤時間を、有効活用している人は確かにいます。
しかし、ここまで解説した通り、その時間すら以前と変わらず無駄にして、逆に怠け具合が増してしまった人も多いです。
ここから分かるのは、通勤時間とは自分が試される場だったということ。
この時の過ごし方で、成功する人としない人は、既に分かれていたのではないでしょうか。
少なくとも、思考停止して「通勤がないテレワーク最高!」などと言う人は、その時点で底が見えています。
そうではなく、本当に大事なのはどんな環境であっても、自分の出来ることをどこまでやれるか。これを常に心の片隅に置いておかなければなりません。