仕事による強いストレスが続くと、人体にたくさんの悪影響があります。

なるべくストレスを軽減するにはどうしたらよいのでしょうか?今回は、働く女性が主に感じているストレスの原因、そしてその解消法をご紹介します。

仕事のストレスが溜まる一方…

働く人たちの多くが、仕事による強いストレスを受けています。

仕事量によるもの、責任感からくるもの、人間関係によるもの、職場環境や立場の変化によるものなど、ストレスの要因は人それぞれです。

最近では、新型コロナウイルスによる在宅勤務の急増により、今までとは違ったストレスも生じています。

在宅勤務のための労働基準が整わない中で、すぐにテレワークを開始しなければならなくなった会社がたくさんあります。

対面での会話とは違ったコミュニケーションや、メリハリの少なくなった生活への耐性といった面などから、今まで感じたことのなかったストレスを覚えている人もいることでしょう。

それでは、専門家たちの意見を元に、仕事のストレスが溜まる大きな原因や、職場の人間関係への対処法、テレワーク、業務への解決法をそれぞれ詳しく見ていきましょう。

仕事のストレスが溜まる原因とは

まずは、様々な統計から見た仕事の3大ストレスについて、1つずつ解説していきます。

仕事の量

「労働安全衛生調査」のデータによると、仕事の量によるストレスが全体の過半数を占めています。

仕事を抱え込みすぎて、イライラしてしまうことはありますか?

イライラしてしまうのは、自分の処理能力を越えてしまっているサインでもあります。

仕事でキャパオーバーしてしまう原因は、それぞれが置かれている状況によって異なります。

日頃の疲れから仕事の効率が落ち、なかなか作業が進まない人もいるでしょう。

新入社員や、転職したばかりの人であれば、余裕がないというパターンも当てはまります。

今までのミスがトラウマになってしまい、1つの仕事をこなすことに対して、必要以上に時間をかけてしまうという人もいます。

仕事のプレッシャー

仕事の失敗や責任によるプレッシャーは、真面目すぎてしまう人や、責任感の強い人、自分に自信のない人が陥りがちなストレスです。

「失敗してしまうかもしれない」と怯えていたり、「あの発言は良くなかったかもしれない」と就業後も悩んでしまう人は多くいます。

上司からの言葉や、仕事の成績などからもプレッシャーを感じてしまうことはあるでしょう。

イライラするような人間関係

アドラー心理学を元に書かれた「嫌われる勇気」という本の中に、「すべての悩みは対人関係である」という言葉があります。

同じ職場内にどうしても苦手な人がいる、上司からのハラスメントにストレスを感じているといった人も多くいることでしょう。

実は、この「イライラするような人間関係」が、働く女性の1番大きなストレスの原因にもなっています。

仕事のストレスを解消する方法【人間関係編】

次は、働く女性が1番ストレスに感じるといわれている「人間関係」のストレスを解決する方法について、深堀していきます。

愚痴を言いすぎない

適度な愚痴は、手軽なストレス発散法です。

しかし愚痴ばかり言っていると、周りに愚痴やネガティブなことばかり言う人たちが増えてきてしまいます。

自分の周囲の人間関係は、これから先の人生に大きな影響を与えます。

愚痴を少し言ったあとは、その状況をいつまでも嘆くのではなく、どうやって変えていったら良いのかについて考えてみましょう。

ストレスのかかる人間関係を未然に防ぐ方法

集団心理学においては、2:6:2の法則というものがあります。

2割は「あなたと気が合う人」、6割は「特にあなたに関心がなくフラットな関係」、そして残りの2割は「あなたを嫌いな人」で構成されています。

環境や場所にもよってその数は左右されますが、学識上ではこの法則が成り立っている、すなわち、どうしても「あなたの苦手な人」というのが2割は存在するのです。

理不尽に怒られたり、悪口を言われることもあるでしょう。

その苦手な2割の人に意識を集中してしまうと、心も体も疲れ切ってしまいます。

ストレスが1番少ないと言われる方法は、程よく、仕事と割り切った関係でフラットに関わることのできる「6割の層」と良好な関係を築くことです。

イライラする関係を「気にしない」ということは大変ですが、いったん嫌なことから意識を離し、他の関係に目を向けてみましょう。

また、無理をさせる人からは勇気を持って距離を置き、離れることをお勧めします。

仕事で疲れて帰りたいにも関わらず、上司や同僚からの誘いを断りにくいといった場面もあるでしょう。

少しでも無理をすると、その疲れはどんどん蓄積されていきます。

自分が無理をしないために、絶対に断る勇気を持って、明るく断りましょう。

利害関係のない人脈づくり

「人脈を広げるべき」という言葉を、色々な場所で聞いたことがあるのではないでしょうか。

人脈づくりは、どの業界においても基本的には大きな効力を持っています。

一方、ほとんどの人が、自分の利益のためだけに作った人脈に対し、罪悪感や嫌悪感を持ち、疲れてしまうということも事実です。

下心のある利害関係であっても気にしないという人も稀に存在しますが、多くの人はこの自己嫌悪から、心が疲れてしまうと言われています。

心がストレスを受けると、仕事の効率が落ちてしまい、良い結果は望めません。

この罪悪感を覚えないためには、損得をあまり考えずに、フェアな人脈づくりを心掛けることをお勧めします。

コントロールできないことで悩まない

全ての人に好かれることはできません。

「嫌われたくない」という思いは、まずやめましょう。

上司や同僚から好かれるかどうかは、前述した集団心理学の話からもわかる通り、自分でコントロールできることではありません。

他人の評価や上司の気持ちなどは、その人次第であり、私たちがどうにかできることではないのです。

他人に自分の気持ちを左右されてストレスをため込んでしまう状況は、自分の思考で変えていきましょう。

嫌なことで頭がいっぱいになってしまいそうなときは、目の前のやるべきことに全力で取り組むチャンスです。

仕事のストレスを解消する方法【リモート・テレワーク編】

新型コロナウィルスによる自粛生活が続き、毎日のメリハリのなさに疲弊してしまった人はたくさんいると思います。

ここでは、自粛中の仕事のストレスを解消するための3つの解決法を提案します。

引きこもり生活を楽しむ

在宅勤務は、向いている人と、向いていない人が存在します。

通勤がなくなったことでストレスが減る人もいる傍ら、自宅での景色や環境が変わらないことを苦痛に感じる人もいることでしょう。

そんなときは、できる限り自分が在宅でも楽しめる何かを見つけることから始めてみませんか。

例えば、好きな映画を見つけてみたり、いつも読まない系統の本や漫画を読んでみたり、今まで興味があっても取り組めなかったことを思い出してみると、意外にも引きこもり生活を楽しむことができます。

新しい情報を得て学ぶ

自粛生活の中で、在宅しながらネットを介して仕事をするということは、ネットのルールを知ることにも繋がります。

ネットは日々ルールが目まぐるしく変わっていき、新しい学びがたくさんあります。

他にも、何か自分の興味があることを学んでみましょう。

今まで通勤などに使っていた時間は、何か他のことを学ぶ時間に変えられます。

ここで大切なのは、無理やりにではなく、楽しく学ぶ姿勢です。

何か新しい知識を得ることで、自分のスキルも上がり、仕事へのモチベーションが高くなることでしょう。

人とのコミュニケーションを大切にする

自粛生活で1番つらいのは、今までのコミュニケーションと同じものがなくなってしまったことではないでしょうか?

職場でのちょっとした会話や、人との対面での接点がなくなり、何日も会話をしていないという人もいるほどです。

また、ネットでのコミュニケーションが必要となり、対面とは違った心づかいが必要となります。

コミュニケーションの少なさに孤独感や寂しさを覚え、在宅勤務がつらくなってしまった人は、昔の友人や家族などに、積極的に連絡を取ってみてください。

最近ではネット上で誰かと知り合うことも、以前より安全で手軽になってきています。

人は、1人では生きていけません。

1人でストレスを抱え込まずに、誰かに連絡してみましょう。

仕事のストレスを解消する方法【業務編】

ここからは、業務でのストレスを簡単に、かつ効果的に解消できる方法を3つ紹介します。

自然があるところで有酸素運動を行う

一般的にいわれている、効果のあるリフレッシュ方法として、自然があるところで有酸素運動を行うという方法があります。

自然の中では、樹木から出るフィットンチッドという物質を浴びることによって、リラックス効果を得たり、自律神経を整えることができます。

人類の長い歴史から考えると、狭いオフィスにこもってずっとパソコンと向き合うことは、ここ20年か30年の短い歴史でしかありません。

本来の自然な環境とは異なることから、疲労を感じやすいのです。

狭いオフィスの中で疲れを感じたら、公園や神社を散歩すると良いでしょう。

姿勢に気を付ける

仕事中の姿勢を少し気をつけるだけで生産性と幸福度が上がるということが、幾度も科学的に証明されています。

特に、ハーバード大学による興味深い研究があります。

たった2分間、被験者を対象に、体を縮めるポーズと、広げるポーズにおけるコルチゾール(ストレスを感じた時に分泌されるホルモン)の量を測ったところ、体を広げるポーズをしたときに、コルチゾールが減少するということが判明しました。

また、姿勢の良い人の方が、前向きな出来事や価値観を記憶する能力が高いこともわかったそうです。

たった2分間の意識の違いで、ストレスへの耐性も大きく変わってくるということです。

デスクワークで集中していると、前のめりになってしまいがちですが、たった少しの意識でストレスが大きく減少することでしょう。

新しい知識を学ぶ

どんなリラックス方法を試してみても、根本的な原因の解決ができていなければ、ストレスが消えることはありません。

仕事の内容そのものについてのストレスは、向き合って新しい知識を増やすほかなりません。

例えば、未知の分野に触れなければならなかったり、英語を勉強しなければいけない環境であったり、新しく知識を必要とする場合です。

これは、ストレス源に対する直接の解決法になり、学べば学ぶほど仕事も進み、その感触からモチベーションも上がります。

将来自分がなりたいと思っているものや、仕事に関する新しい知識は、積極的に学んでいきましょう。

仕事のストレスを解消できないでいると…

仕事で溜まってしまったストレスを解消できないままでいると、どうなってしまうのでしょうか?

ストレスが及ぼす日常や人体への影響について見ていきましょう。

日ごろの生活への弊害

精神的なストレスが溜まってしまった場合、日ごろの生活において様々な弊害が生じます。

まず、過度なストレスにより、注意力や集中力が散漫になってしまうことで、何かを解決する能力や、危険を察知したり、回避する能力が劣ってしまいます。

ストレス源に思考が支配されてしまい、物事に対する判断力が失われてしまうからです。

もちろん、仕事に対する効率も下がるので、ますますミスが増え、余計にストレスが蓄積されます。

心の状態も不安定になってしまい、人間関係も悪くなってしまうことでしょう。

このように、ストレスにおける負の連鎖にはまってしまうと、とても大きな弊害を生むことになるのです。

精神的に仕事に行けなくなってしまう

強いストレスが続いた場合、体内でたくさんのストレスホルモンが放出されます。

そのストレスホルモンは、思考力の低下や記憶力の低下、免疫力の低下、癌のリスクの増加、寿命を縮めるなどの悪影響を持っています。

日頃の体調面では、肌が荒れてしまったり、お腹を壊したり、頭痛、常にイライラする等の症状が現れます。

また、うつ病のリスクも生じます。

心が優しく、まじめな人ほど、逃げるという選択肢を考えずに、体や心を壊してしまいがちです。

耐えがたいストレスを感じた場合には、勇気を出してその場から「逃げる」という選択も必要です。

リモートワークやテレワークによる身体の疲れ

新型コロナウィルスによるリモートワークやテレワークが増え、狭い自宅で何時間も座り続ける人が多くなりました。

会社には、仕事に適した机やイス、快適な環境が用意されていますが、自宅に必ずしも快適な仕事環境が整っているとはいえません。

自宅でずっと座ったままテレワークを続けているうちに、足や腰、肩や首などに負担をかけてしまう人が多くいます。

通勤がなくなり、外に出る頻度が減った人も多いことでしょう。

身体の疲れは、ストレスに直結します。

自宅でできる軽い運動やストレッチ、ヨガを、ぜひ実践してみてください。

仕事のストレスを解消するために息抜きは必要!

仕事における本来の目的を思い出してみてください。

楽しく、幸せに生きていきたい人、自分の夢を叶えたい人、本来の目的は、とてもポジティブなものであるはずです。

しかしその仕事でストレスを溜め込んでしまうと、身体や心に悪い影響を与え、目指していたものとは違う方向へ行ってしまいます。

そうならないために、自分なりのストレス解消法を見つけてみてください。

まだもう少し頑張れると思ったとしても、1度自然を見て休憩してみるなど、息抜きすることを積極的に心がけましょう。