今や「発想力」はクリエイティブな仕事に限らず、全ての仕事で必須のスキルとなりました。
特に科学技術の発展した現代では、その必要性が高まっているのです。そこで今回は、アイデア力のある人の特徴を解説し、発想力を鍛えるためのトレーニング方法を紹介していきます。
発想力を求められる現代社会…
現代社会では、技術の発展と共に単純な仕事や思考はコンピュータに代用されるようになり、「人間にしかできないこと」が重要になってきました。
その「人間にしかできないこと」の一つが「発想」、つまりアイデアを出すことです。
これだけコンピュータ技術が発展した今でも、演算では人間の柔軟な脳に勝つことはできません。
コンピュータはAIによって事実と事実を結び付け、結果を予想することしかできないからです。
今やほとんどの仕事が「言われたことしかできない」機械のような人材を必要としなくなりました。
これからの時代を生き残っていくためには、高い「発想力」を身に付けることが必要となってくるでしょう。
「発想力」とはそもそも何か
では「発想力」とはなんでしょうか。
「発想」とは「何かを思いつくこと」を表す名詞です。つまり「発想力」とは、「何かを思いつく力」ということになります。
例えば、仕事で新しい効率的な作業方法を思い付いた場合、それは「発想力」から生まれたと言えるでしょう。
しかし「Aという作業法とBという作業法では、Bの方がおすすめですよ」と言うのは、予測や分析の結果考え出された単なる「提案」です。
つまり発想力とは、事実や知識から分かることを元に、新たなアイデアや考え方を生み出すクリエイティブな力のことを言います。
発想力のある人の特徴とは?
発想力は特別な能力のように思われがちですが、実はそうではありません。今まで得た知識や経験などから、新しいアイデアが生み出されていくのです。
普通の人より多くの知識を持ち、様々な経験をしてきた人が、発想力のある人になりやすいのです。
ここからは、発想力のある人の特徴について見ていきましょう。
固定概念に縛られていない
発想力のある人は、大らかな性格で、柔軟な考え方を持つ人が多いです。物事を決めつけて考えることは滅多にありません。
性格が合わない人や違う考え方の人と出会った時、多くの人は自分の正当性を証明しようと躍起になってしまいます。
一方で、発想力のある人は「なるほど、そんな考え方もあるのか」と事実をそのまま受け入れることができるのです。
そして「こうあるべきだ」という固定概念に縛られず、自分の知識や経験を元に、解決に有効なアイデアがないか考えることができます。
常識的に考えると、一見、意味のないようなアイデアでも、否定を恐れず提案できるのも、発想力のある人の特徴です。
頭の回転が速い
発想力のある人の中には、頭の回転の速い人が多くいます。
多くの知識や経験を頭の中で素早く処理することができるので、次々に新しいアイデアが生まれやすいのです。
そのため、発想力のある人は、どんな職種でも重宝される貴重な人材と言えるでしょう。
また、発想力のある人のアイデアは、新しい発想であるにも関わらず、論理的な説明がつくことが多いのも特徴です。
話が面白い
発想力がある人の特徴として、話が面白いというのもあります。
性格は社交的でユーモアのセンスも高いので、話していて飽きることがありません。
ただし、普通では考えつかないようなことをさも当然のように話すので、ときには「変な人」認定されることもあるでしょう。
学ぶことが好きで知識が豊富
発想力のある人の中には、自分の知らないことについてすぐに調べなければ気が済まない、好奇心旺盛な性格の人が多いのも特徴です。
とにかく、「新たな知識を得ること」や「新しい発見をすること」に快感を覚えているので、何にでも挑戦することができます。
この好奇心旺盛な性格が、自然と多くの知識や経験を蓄積し、様々な発想を生み出すきっかけとなっているのです。
喜んで失敗する
発想力の高い人は、失敗を恐れません。それどころか、「失敗してしまったけど、いい経験ができた」と喜ぶことができます。
失敗した経験は、何かを改善するときや、複数の選択肢から特定のものを除外するときに役に立ちます。
しかし、ほとんどの人は失敗して味わった苦痛や恥ずかしさに目が行ってしまい、失敗を学びに変えることができません。
一方で発想力のある人は、そのとき感じた感情より、得られた経験に意味を見出します。
今この一瞬にしか意味がないものより、手に入れたものによって「どんなことができるのか」の方が重要だと考えているのです。
発想力が求められる理由とは?
特に新しいことを思いつかなくとも生きていけるため、発想力に意味を感じない人も少なくないでしょう。
しかし、近年では機械により作業や仕事は効率化され、インターネットの普及により知識を持っていることはあまり意味をなさなくなりました。
便利になったがゆえに、道具を使えば皆そこそこ優秀である状態になったのです。
そうなると、他人と差が付く部分は「頭の回転の速さ」や「発想の豊かさ」だけになってきます。
日常の些細な問題や、複雑化した社会の状況に対応するため、企業で活躍するためにも「発想力のある人」が求められているのです。
生活における様々な問題解決に役に立つ
発想力は、何か問題が起きたとき役に立ちます。
例えば、揚げ物料理をしようとして下ごしらえをしているときに、パン粉を買い忘れたことに気付いたとします。
対処法として考えられるのは、「諦めて別のものを作る」「急いで買いに行く」「別の食材で代用する」などが一般的でしょう。
ここで、それなりの発想力を持っている人なら「この揚げるはずだったタネを茹でてみてはどうか」など少し変わった解決法を思いつくのです。
このような日常のハプニングは、大小問わず毎日のように起きてしまいます。
発想力があれば、その度に頭を悩ませることなく、短時間で効率的に解決できるでしょう。
AIが昔よりも発達したため
近年のAI技術の発達スピードは、目覚ましいものがあります。
AIとはコンピュータに入力したデータを元に、様々な可能性を計算し、課題や問題の解決を図るシステムのことです。
チェスや将棋など、高い知能を必要とする競技で世界チャンピオンを破ったのは、記憶に新しいでしょう。
さらに、会計監査やコンサルティングなど、十分な検証情報が集まる分野でのAIの活用も進められており、将来的にはAIの方が優秀になる可能性もあります。
しかし、AIもまだ、人間が体験して学ぶ「人の感情の動き」や「直感」「ひらめき」などを正確に真似することはできません。
これから便利になっていく世界で、人間が人間として意味を持つには、AIには真似のできない「発想力」を持っておくべきでしょう。
単純労働は機械に奪われる
ロボットの技術の進歩により、人間は単純労働をしなくても良くなってきました。
人が運んでいたは物はベルトコンベアで簡単に運べるようになり、目視の確認が必要だったものは今やレーダーなどで細かくチェックできてしまうのです。
ロボットが接客するレストラン、ホテル、施設清掃などは一部で既に実用化されています。
ロボットは故障しない限りはミスもしない、お金もメンテナンス代しか掛からないので、これから更に多くの企業に採用されていくでしょう。
10年、20年すれば街にはロボットが仕事しているのが当たり前になるかもしれません。
人間がやる仕事のほとんどが「発想力」が求められるものになることが予想されますので、身に付けておくに越したことはないでしょう。
発想力を鍛える方法を伝授!
発想力はいつからでも鍛えることができます。今「自分は頭が固いしな」と思っている方でも大丈夫です。
とは言え、思考訓練や理論の学習というのは、なかなか続けられないものでしょう。
そこで、ここでは日常生活と合わせて訓練できそうな方法に絞って紹介していきます。
一つでも実行できそうなものがあれば、試してみましょう。
自分とは違う価値観の人と付き合う
同じ価値観や思想を持つ仲間といるのはとても楽です。
しかし、同じメンバーとばかり付き合っていると、新たな発想が生まれる機会はなかなか訪れません。
柔軟な発想力を身に付けるには、新たな刺激や考えを吸収することが重要です。
定期的に自分とは全く違う性格や、考え方の人と接することを心掛けると良いでしょう。
知識に貪欲になる
知識の多さは、新たな発想を生み出す手助けになります。
土台とある知識があるだけで、突飛なアイデアも説得力のあるものに変わるでしょう。
知識を得るときのポイントは、誰かに伝えるつもりで「要約しながら読む」ことです。
ただ読むだけではなく、自分の考え方を盛り込んでまとめて行くと発想力が鍛えられます。
楽に結果を出す方法を考える
日本人は生真面目であることが多く、「楽して結果を出したい」と言うと「不真面目」というレッテルを貼られてしまうかもしれません。
しかし、楽をしても苦労しても同じ結果が出せるのであれば、楽な方を選んで時間を有効に使った方が良いでしょう。
ほとんどの企業は、長年の実績から効率的な作業方法を確立していますので、更なる効率化の方法を見つけることは簡単ではありません。
毎日、「さらに楽に効率よく成果を出す方法はないか」ということを考えながら仕事をすれば、発想力のトレーニングになります。
実際に結果を出せれば、評価も上がり、発想力も鍛えられて一石二鳥です。
運動を習慣にする
発想力は、言わば脳の力です。「オフィスでデスクに向かいっぱなし」「自宅で長時間PCとにらめっこしている」という毎日では、脳を鍛えることはできません。
それどころか、じっとしていることにより血流が悪くなって、脳のパフォーマンスが落ちてしまうでしょう。
運動は脳の血流を改善し、伝達回路を活発にしてくれます。
実際に、身体能力と脳機能の強さは連動していることが分かっており、習慣的な運動は脳を鍛えるのに非常に有効なのです。
忙しい人は、階段の昇り降りやストレッチでも効果がありますので、仕事の合間などに体を動かす癖をつけると良いでしょう。
色んなことにチャレンジする
様々なことに挑戦するのも、発想力を鍛える上で役に立ちます。
取りあえずやってみて、「合わなけらばすぐにやめればいい」くらいの気持ちで挑戦するのが良いでしょう。
様々な物事に取り組むことによって、広い視野を持てるようになり、多くの気付きを得られます。視野が広がれば、発想力もぐんぐん伸びていくでしょう。
行ったことの無い場所に旅行をする
発想力を鍛えるために、旅行にでかけるのもおすすめです。
「百聞は一見に如かず」と言われるように、見聞きして知っているだけのものと、実際に見て体験するものとでは大きな差があります。
その場所の文化、空気や匂い、音などその場にいなければ感じることのできないことが多いのです。
実際に体験することにより、新たな気付き、物の見方などが養われ、脳も活性化されます。
未経験なことを体験する方が脳が活性化されるので、行ったことのない場所や、自分住んでいる街とは全く雰囲気の違う場所を選ぶと良いでしょう。
発想力を大事にして生きていくべし
これからは、今まで以上に発想力が大事にされる時代になっていくでしょう。
AIやロボットの発展によって、人間にできることのほとんどが機械で代用できるようになってきたのも理由の一つです。
今流行っているYoutuberたちが多くの再生数を達成できるのも、人を楽しませる発想力に優れているからでしょう。
仕事、日常生活、人間関係など何においても発想力は有利に働きます。
これからの時代を生き残るため、また豊かに生きていくためにも、発想力を養っていきましょう。