「意識高い系」
この言葉が使われる時は、基本的に批判だったり揶揄の意味が込められています。
良く言えば向上心が高く前向き、悪く言えば何かと自慢してきて自分が特別かのように振る舞う人間を指すことが多いですよね。
そして大抵の場合、後者の部分が取り上げられて厄介者扱いされることとなります。
お恥ずかしながら僕自身、かつてはそんな意識高い系の1人でした。
この記事では、その時の経験を活かし、意識高い系の人間の特徴や心理状態、あわせてどのように扱うのがベストなのかを説明します。
もし今あなたの周囲に意識高い系の人間がいて困っていたら、ぜひこれを参考にしていただければ幸いです。
意識高い系の人間の心理状態
まず1つ誤解しないでいただきたいのは、意識高い系は決して他人をバカにしたり、見下しているわけではありません。
また、本心では自分が周囲より優れているとも思っていません。
むしろ自分に自信がなく、不安があるからこそ常に何かしなければならないと思っています。
理想の自分と現実の自分の差があまりにも開いており、それを埋めるために必死で頑張ろうとしているのです。
しかし、そういったところを他人に見せるのが恥ずかしいとも思っているので、表では「自分は優秀な人間なんだ!」という姿勢を持ち、それが傍から見ると痛々しく感じられるという結果に結びついています。
次項から、僕が当時行っていた『意識が高い(と自分では思っていた)行動』をご紹介します。
心理系の本を読み漁る
「相手を意のままに操る」とか「相手の考えてることを読み取る」というような、心理系の本は世の中にたくさん出回っています。
人間には無意識のクセや行動があるので、それらを読み取り自分がそれに合わせてアプローチすれば、相手とのコミュニケーションや交渉を自分の望み通りにできる、というものが多いです。
当時の僕は、そうした本をひたすら読んで、「自分は交渉術のプロになる!」と意気込んでいました。
後述のフリーランスになるためにはそのスキルを身に付けておくことが必要だと思っていましたし、そうすることで周囲からも一目置かれる存在になると思っていたからです。
何をしてるのか聞かれたら「人と会っている」と言う
学生時代の友人と再会した時に、必ず聞かれる質問は「お前今何やってんの?」というもの。
大抵の場合、この質問に対する返答は『今こういう仕事をしている』という内容だと思います。
しかし当時の僕は、今の仕事ではなく「今は色んな人と会っているよ」と言っていました。
なぜこんな発言をしていたのかというと、『自分は今後のためにこれだけ活動しているんだ!』ということを、遠回しにアピールするためです。
本当は「この活動で人脈を作って今後のビジネスに向けて下準備をしている」と言いたかったのですが、まだ何の結果も出ていないですし、本格的な活動もできていなかったので、含みを持たせたさりげないアピール(と自分では思っている)をしていたのです。
当然、友人からの反応は「あ、そう・・・」というもので、今考えるととても恥ずかしく下らないことを言っていたなと後悔しています。
フリーランスで働く自分の姿を想像する
意識高い系の人間は、多かれ少なかれ「会社員=社畜」という認識を持っています。
SNS上にいる「会社から解放された、お金と時間の自由を得た人」に憧れ、自分もこうなりたい!と思っています。
現状の自分は会社員で憧れからは程遠い状態なのですが、だからこそ『フリーランスで自由気ままに働くフリーランスの自分』を想像し、ワクワクする気持ちを持ち続けます。
そして、今の自分はそれに向けて確実に突き進んでいる!と信じて行動するわけですね。
周囲とは価値観が合わないと思っている
意識高い系の人間の言動や行動は、周囲からほぼ確実に『イタい奴orよく分からん奴』と認識されます。
そして、実は当人もそう思われていることは薄々察しています(少なくとも僕はそうでした)。
ではなぜそれを改めないかというと、『自分が今していることは周囲にいる人達には理解できないくらい先に進んでいること』と思っているからです。
フリーランスで自由気ままに働く人は、世の中では圧倒的に少数で、ほとんどは会社員として当たり前に働いている。そしてそれを多少疑問に思っていても、何も行動していない。
そんな中で自分は、それを当たり前とせず、周囲が遊んでいる中で懸命に行動し、ステップアップしている。
だから今の自分の一連のことは理解されないだろうけど、いつかそれが理解されて「あいつスゴいな!」と言われる日が来ると信じているのです。
予定が詰まっている雰囲気を出す
意識高い系の人間にとって、『予定が何も無い状態』は苦痛です。
SNS上にいる憧れの人は、「今日は3件のアポがあって~」とか「仕事仲間と会議がてらのランチ!」という感じで、忙しくも充実した時間を過ごしています。
それに比べて自分は何もしておらず、時間を無駄に過ごしている!と思ってしまっているのです。
しかしそんな自分の現状を認めたくないので、カフェ会に参加するなどして『予定が詰まっていて忙しい雰囲気』を出すことで、自尊心を保ちます。
とにかく今の自分より少しでも成長するための行動をしていたい。それが意識高い系の人間の性質です。
意識高い系の人間への接し方と扱い方
意識高い系の人間は、言動や行動こそ『イタい奴』ですが、根が悪人というわけではありません。
とはいえ、そうした言動や行動にイラっとする人は多いと思います(僕も今されたらそう感じるかもしれません)。
そこで、こうした人間とどのように接し扱うのがベストなのかをご紹介します。
適度に褒めて流す
意識高い系の人間は、自分が否定されることを恐れています。
否定されるとそれを認めたくないが故に、「まぁなかなか理解するのも難しいと思うから」と、まるで上から目線のような発言をすることで自分を守るのです。
ただ、こういったことを聞くとさらにイラっとして気まずい感じになるかもしれないので、「あ、そうなんだ。スゴいね!」と軽く褒めて深堀りせずスルーのがベストです。
褒められることで当人は「俺のしてることは間違っていない!」と自信を持てますし、こちらも受け流すことで余計な時間を取られずお互いのためとなります。
褒めると調子に乗って勢いづく可能性もゼロではありませんが、意識高い系の人間は中身が伴っていないことが多いので、褒めても「そう思うだろ!でさ~」などと深い話はほとんどしてこないため大丈夫です。
相手にしない
意識高い系の人間は、根本的には自分に自信がありません。
だから自分を認めてもらい自尊心を高めたいと思っており、他人にそれを求めることがあります。
しかし、それが見え隠れする態度を取ることも多く、やられている側からすると腹が立つこともあると思います。
そんな時はまともに相手をせず、話しかけられたりしても「ゴメンこれから予定あるんだ!」などと適当な理由をあげてその場を離れましょう。
1度相手をしてしまうと、「この人は自分の話を聞いてくれる!」と勘違いされ、ことある毎にこちらへ近寄ってくる可能性があります。
成果を具体的に聴いてみる
意識高い系の人間は、言動と行動に中身が伴っていないことがほとんどです。
だから具体的な成果や結果を深掘りされると、必ずどこかで無理や矛盾が生じます。
もしことある毎に話しかけられたり、アピールされるのが面倒くさいようであれば、1度思いっきり「え、それってどういうこと?」などと徹底的に質問し深掘りしていきましょう。
ほとんどの場合、言動や行動は表面的なものしかありません。しかしそれを認めたくないので、深掘りしていくと勝手に追い詰められていきます。
これ以上は無理だと思うと急に話を逸らして逃げるので、そこで終わらせれば、相手はあなたに深掘りされるのが怖くなって避けるようになってくれます。
ハッキリ指摘する
あまりにもアピールや自慢がうざったい場合は、はっきりと「そういうのやめた方がいいよ」と言ってしまいましょう。
あなたと相手の関係性にもよりますが、意識高い系の人間は自信がなくメンタルが強くないので、明言されるとショックを受け思考停止します。
そこでさらに「お前が何しようと勝手だし良いと思うけど、それをこっちに押し付けたりアピールしてくるな」と畳みかければ、相手は後ずさる可能性が高いです。
そこからの関係性をどうするかはあなた次第ですが、意識高い系は根は悪い人間ではないため、はっきり自分の気持ちを伝えることで考えを改めてくれるかもしれません。
能力以上の仕事を振ってみる
調子に乗ってしまっている意識高い系の人間を懲らしめたい時は、本人のキャパシティを超える仕事を振ってしまいましょう。
意識高い系の人間は中身が薄いことがほとんどで、能力は高くありません。
また普段の言動や行動から、他人に助けを求めるのが上手ではなくプライドが許さない場合も多いので、1人でもがき苦しむこととなります。
そこで「あの仕事どうなってる?」とか「お前ならもっとできると思ったんだけど・・・」などと追い詰めると、それまで積み上げていたハリボテが簡単に崩れ去ります。
もちろん仕事に支障が出るのはマズいのでフォローはしっかりする必要がありますし、人として褒められた行動ではありませんが、時にはこうした方法も使う必要があるかもしれないといことを覚えておくといいかなと思います。
意識高い系の人間の扱い方は難しくない
思わず周囲をイラっとさせることの多い意識高い系ですが、上述の通りその中身は薄くハリボテなことがほとんどなので、本当に中身のある意識の高い人とは比べ物になりません。
また、基本的に素直で純粋なタイプなので、上手くおだてればかなり頑張るようになってくれます。
そのため極端に遠ざけるよりは、適度に距離感を保っておいた方が色々とやりやすいです。
1度対処法を覚えれば面倒くさいというより、むしろ関係性の築き方も簡単なため、ぜひ変に苦手意識を持たず試してみていただければと思います。