会社員として働いていると、人事考課(人事評価)が定期的に行われて、それによって昇給などが決まります。

自分は会社からどう評価されているのかと気になる方がいるかもしれませんが、ハッキリ言って会社からの評価なんて気にすることに意味はありません。

それよりも、自分が今後の人生のために何をした方が良いか、ということを考え実行した方がよほど有意義です。

この記事では、4度の転職を行い5つの会社を経験してきた僕が、会社からの評価に意味がない理由を解説します。

一歩外に出たら何も関係ない

まず大前提として、会社からの評価なんて、その会社の外に出たら何の役にも立ちません。

もし今の会社でとても良い評価をされていたとしても、他の会社で同じように評価されるかは全くの別問題です。

会社によって求められるスキルや才能は異なっていて、それが自分と合致するか否かが評価に繋がります。

事実、以前の会社で高い評価を受けていたと自信を持って転職してきた人を何人か見てきたのですが、蓋を開けてみたらいずれも極めて普通もしくはそれ以下のパフォーマンスで、周囲から冷たい視線を投げかけられていました。

会社からの評価とは、自分の実力が社会に認められたわけではないことを、決して勘違いしてはいけないのです。

『出世できる=会社の役に立つ人間』である

会社からの評価が高く出世できることを、「俺(私)は優秀なんだ」と認識している人がいますが、残念ながらそうではありません。

会社の評価は『自社の役に立つ人材かどうか』を基準として決まります。

言い換えれば、会社にとって都合の良い人間(指示に忠実に従う、上司を持ち上げる、自分のことより会社を優先できる等)であれば、評価が高くなるのです。

つまり、本人が優秀かどうかは、全く関係ないということです。

また、会社は規模が大きければ大きいほど、何らかの派閥やグループが存在していることが多く、ここで以下に上手く立ち回れるかも評価に繋がることが多々あります。

本当に優秀で実力を持っているのに、そうした下らないやり取りに絡まず距離を置いていたために、評価が低い人はたくさんいるのです。

給料はほとんど変わらず負担だけ増える

仮に会社からの評価が高く、昇給できたとしましょう。

しかし、その額は数千円、よくて1万円ほどであることがほとんど。

少なくとも、3万円や5万円といった、生活の潤いを増すような金額にはなりません。

にも関わらず、与えられる仕事の範囲や量、責任は多くなり、負担だけがどんどん増えていきます。

僕が以前いた会社では、実力のある人は自分の仕事に加え、他の人の質問や困りごとを聞いて対処する役割を持たされることがありました。

しかし、それに対しての手当て等は特になく、それを当たり前とする雰囲気に恐ろしさを感じずにはいられませんでした。

会社員が今より給料を上げるのは、会社員でいる限りは非常に難しいでしょう。

会社からの評価が高くても報われない

会社にとって、社員とは人件費のかかる存在であり、最大のコストです。

そのため、会社員にはそのコスト以上の利益を生み出すことが求められるわけですが、正直それができていなくても今の労働法では、簡単に解雇にはできません。

どの会社にも、口や態度だけは一丁前の、仕事ができないおじさんが必ずいます。

ロクに仕事をせずみんなから疎まれ蔑まれているのに、給料はきっちりもらえており、その金額は自分達より高いこともしばしば。

会社からの評価がどれだけ良くても、それが目に見える形で報われることは少ないのです。

会社にとってはただの駒

会社のホームページで掲げている理念などで、『人材ではなく人財』などと書いているケースは少なくありません。

しかし、どれだけ取り繕っても、会社にとって社員はただの駒であり、何かマズいことがあれば容赦なく切り捨てます。

その良い例が近年のコロナ情勢。業績の悪化やコスト削減を理由として早期退職者を募集したり出向を打診したりというのは、会社が「このまま全員の面倒は見切れないよ」と言っているのと同じです。

所詮会社員は会社に雇われている身であり、会社のために動いてくれるのであれば何でもいいのです。

自分の市場価値を上げるべき

上記の通り、会社からの評価がどれだけ高くなろうが、それは社内でしか通用しません。

そんな限定的かつ刹那的なものに囚われるくらいなら、自分自身の市場価値(どこでも通用するスキルなど)を高める方がよほど自分のためになります。

それがあれば、万が一今の会社を辞めることになっても、困ることはありません。

市場価値を上げるには、具体的には以下のような方法があります。

・専門的な知識を身に付ける(IT、ビジネスのノウハウなど)
・自力で稼ぐ力を身に付ける(副業、フリーランス、起業など)

基本的には仕事の空き時間や休日などに勉強することになるため、正直かなり大変だとは思います。

しかし、1度身に付ければ自分の中の資産として応用が効くので、やる価値は十分にあると言えるでしょう。

副業から始めるのが安全かつ確実

人それぞれで進め方は異なりますし、向き・不向きもありますが、個人的には副業から始めると最も効率が良いと思います。

副業では種類にもよりますが、あらゆるスキル(IT、マーケティング、ライティングなど)が必要になるため、やっていく過程でどれも勉強し身に付けることができます。

また、いきなりは難しくても稼げるようになってくれば、会社員生活に終止符を打つことも不可能ではありません。

まずは副業を始めるにあたっての基礎知識を学び、自分に無理のない範囲で進めていくのがおすすめです。

今は書籍や動画で手軽に学べますし、副業について専門的に教えてくれるスクールもあるので、安心して取り組むことが可能です。

これからの世の中に対応していくために

会社の評価を気にしていると、本来しなくていいことまでさせられるのはよく聞く話です。

でも誰もが本音では、そんな状況に疑問を持っています。

先日、某寿司チェーン店ででたまたま隣の席にいた20代くらいの女性が、そのさらに隣の席にいたお友達と思しき女性に「このまま会社帰らず家に帰りたい・・・」とぼやいていたのが、今でも耳に残っています。

会社の評価より大切なものなんて、この世にはごまんと存在します。

ぜひ自分だけのスキルを身に付けて、会社ではなく自分自身を大切にできるようになっていただければと思います。