人材派遣会社で派遣社員として働くにあたって、必ず接することになるのが派遣営業です。

彼等の仕事は派遣先と派遣社員を仲介し、必要に応じてフォローすることですが、ネット上には以下のような悩み(口コミ)が散見されます。

・派遣営業に騙されているかもしれない
・派遣営業から聞いていた話と派遣先から聞いた話が違う
・派遣営業から全く連絡が来ない

いずれも派遣営業に対するマイナスな評価ばかりで、「派遣営業を信用しても大丈夫なのか?」と不安を感じている方が非常に多いようですね。

そんな方々にお伝えしたいのですが、結論から言うと基本的に派遣営業は信用すべきではありません

この記事では、その主な理由を6つお話します。

僕自身がかつて派遣営業として勤務した経験があるので、信憑性は高いと思います。

派遣営業を信用すべきでない5つの理由

派遣営業は非常に重労働です。

扱う商品がモノではなく人間(派遣社員)という点と、実際に就業させるのが派遣先という別会社になる点から、多くの問題に見舞われます。

その背景と派遣営業としての立場が、以下の5つの信用すべきではない理由に繋がります。

派遣営業にも自分の営業成績がある

派遣営業は、派遣会社に雇われている会社員です。

彼等にも自分の営業成績が存在し、それを左右するのは派遣社員の就業状況(何人を稼働させているか)です。

そのため派遣営業は、派遣社員を増やしつつ辞めさせないようにフォローし、派遣先との良好な関係維持するのが仕事です。

なので派遣社員が仕事を辞めたいと相談すれば当然それを防ごうとしますし、派遣先の無茶なリクエストにも応じざるを得ません。

それが時には派遣社員をないがしろにしてしまうことに繋がります。

優先順位は『派遣先>>>派遣社員』

派遣営業にとって派遣社員は売上を出す存在なので大切ですが、派遣先はそれ以上に大切です。

どれだけ派遣社員がいても派遣先がなければ意味がありません。

また、1人の派遣社員の信用を失っても大したことはありませんが、1つの派遣先の信用を失うことは会社としてダメージが大きいです。

仮に派遣先と派遣社員が揉めた場合、表向きは派遣社員の味方をしていても、裏では派遣先の味方をしています。

派遣社員の補充は難しくありませんが、派遣先は営業をかけて開拓し信頼関係を築いていかなければならないので、そこまでの手間と時間が非常にかかります。

派遣営業にとって最優先は、派遣社員ではなく派遣先です。

1人で多数の派遣社員を担当している

派遣営業が複数の派遣社員を担当しているのは認知されていますが、その人数をご存知でしょうか?

僕が勤めていた派遣会社の規模は中小でしたが、それでも派遣営業1人で30名ほど受け持っていました。

この中には問題児が数名いて、フォローやクレーム処理に追われることもしょっちゅうでした。

大手になればさらに多くの派遣社員を担当するので、とてつもない負担です。

正直な話、1人の派遣社員に時間を割いてはいられず、よほど重大な要件でなければ後回しにしてしまいます。

派遣会社自体がブラック

派遣会社は基本的にブラックな業界です。

ノルマは厳しいですし、上司から詰められることもしょっちゅうで、心休まる時がありません。

平日は朝から晩まで働き詰めで、休日も社用携帯には容赦なく連絡がきます。

心身ともに疲れていることが多く、派遣社員の相談に乗れる余裕がないこともあります。

もちろん派遣社員には何の関係もないことですが、これによって派遣社員から「真剣に対応してくれない」と思われてしまうのです。

派遣営業も派遣社員を信用していない

派遣営業は数多くの派遣社員と接しますが、信用できない派遣社員がいることは珍しくありません。

個人的な体感ですが、7割は時間を守らない・挨拶ができない・コミュニケーションがまともに取れないといった問題のある派遣社員です。

それでも売上のために派遣先へ就業させるのですが、当然トラブルが起きます。

そして尻ぬぐいをするのも派遣営業です。

派遣営業にとって派遣社員は、大切な商品だけど厄介事ばかり起こす存在であり、信用などできません。

だから派遣営業は常に派遣社員を常に懐疑的な目で見るようになり、それが派遣社員との関係に溝を生み出すこともあります。

派遣営業との接し方と注意点

派遣営業と派遣社員は、管理する側・される側であると同時に、同僚のようでもある少し特殊な関係です。

なので接し方が難しい部分もありますが、派遣社員として主に以下の点をおさえておくことをおすすめします。

口約束は信じない

派遣営業は、口では都合の良いことや、派遣社員の有利になるようなことを言ってきます。

「派遣先も○○さんに好印象を抱いています」とか、「こちらの派遣先の方が○○さんの希望に沿うかなと思います」など、浮足立ちそうになることもあるかもしれません。

しかし、それらは全て派遣社員を繋ぎとめる、あるいは派遣社員を自分の都合の良い方向へ誘導したい派遣営業の手段です。

中には口約束を結ぶようなこともあるかと思いますが、書類など形のあるものとして明確になっていない限りは決して信じない方が身のためです。

書類は細部まで確認する

派遣社員は、派遣先で働くまでに数多くの書類にサインする必要があります。

この時に必ずしなければならないのが、書類の文言を隅々まで確認することです。

また、派遣登録時に渡されるガイドラインなども必ず目を通しておきましょう。

就業している中で、少なくとも1つや2つは「あれ、そんなこと聞いたかな?」ということが出てきます。

それが後々トラブルに発展する可能性もあるので、事前に各種書類は確認することが重要です。

アテにしない

派遣営業にとって派遣社員は売り上げを出す大切な商品ですが、手厚いフォローをしてくれることはまずありません。

本来であれば定期的に面談したり、派遣先への不満やリクエストがあればそれを伝え、派遣先との緩衝材になる役割を果たすのが派遣営業です。

しかし、実際にそれをちゃんとやる派遣営業は、ほとんどいないと思っておきましょう。

基本的に派遣契約の更新有無の時しか、派遣営業が連絡してくることはないです。

なので派遣営業に任せておけば安心といったことはなく、アテにしない方が自分のためです。

派遣社員の立場は弱い

この記事では派遣営業は信用するべきではないということについてお話しましたが、派遣社員として働くことを否定しているわけではありません。

僕自身、派遣社員として働いた経験もありますし、そのメリットもよく分かっています。

ただ、どうしても派遣社員は都合のよい労働力として使われ、派遣先が契約更新を拒否すればそれでおしまいです。

派遣営業は仕事を紹介してくれますが、それも派遣会社に都合のよいものばかりです。

派遣社員として働く以上、立場は弱くいつクビになってもおかしくないことは、肝に銘じておきましょう。