管理職になると、避けては通れないのが部下のミスに対するフォローやフィードバックです。
特にミスを頻発する部下がいると、その対応に手を焼かされ自分の仕事が全く進まないこともしばしば。
しかも何度注意しても直らず、頭を抱えている方も多いのではないでしょうか。
この記事ではそんな管理職の方に、できない部下への接し方と解決策についてお話します。
僕自身がかつて30人ほどの部下を管理し、そういったケースに何度となく対処してきたので参考にしていただければ何よりです。
できない人はいつまでもできない
まず結論から申し上げますと、残念ながら何度注意しても直らない部下は、今後も直る見込みはありません。
仮に直ったとしても、今度は違うミスをして同じことの繰り返しになります。
管理する側が悪いわけではありませんし、本人にも悪気はなく直そうとはしてるのですが、世の中にはどうしても無理な人がいるのです。
なので、この不毛な連鎖を断ち切るために、まずは一旦『直すことを諦める』ことが必要となります。
「直せるか」ではなく「バレず目立たずに処理できるか」
できない部下のミスで困るのは、その尻拭いをしなければならないことです。
しかし乱暴なことを言うと、たとえミスがあったとしても、それが大っぴらに発覚し追及されなければ問題ありません。
そこで重要となるのが、その部下がミスをしても、それを上層部にバレないようにする手筈の構築です。
例えば僕の場合、その部下がミスした案件を、他の案件で覆い隠して見つからないようにする・・・ということをしていました。
よほど重大なミスでない限り、誰も気付かないことが往々にしてあるので、そこを密かに修正しておいてあとは他のもので隠してしまえば誰にもわからなくなります。
『バレなければ大丈夫』というわけではありませんが。世の中では多かれ少なかれそうして闇に葬られているものがたくさんあります。
それに1つずつまともに付き合っていたらキリがないので、こうした対処も必要なのです。
抽象的な言い方は伝わらない
できない部下の特徴として、以下のようなものが挙げられます。
・察する能力が低い
・空気が読めない
・相手の意図を汲み取れない
・言葉を額面通りの意味で受け取る
・思い込みが激しい
・自分の能力の低さを自覚していない
これらを総合して言えることは、彼等に抽象的な表現や遠回しな言い方は通用しないということです。
気を遣って柔らかい注意をしても理解してもらえないですし、かといって厳しく注意してもなぜそんなに言うのか理解してもらえません。
彼等に必要なのは、明確かつシンプルで答えが1つしかない行動の指示です。
こちらの「これは言わなくても分かるだろう」という期待は、ハッキリ言ってするだけ無駄です。
言葉で直接言われた以上のことを知覚することはできません。
なのでそこをよく把握した上で、彼等には接する必要があります。
時間をかけすぎず他にリソースを割くべき
できない部下には、どれだけ時間を使っても足りません。
こちらに大きな余裕があれば別ですが、限られた時間の中でこうした部下にかかりきりになるのは避けたいところ。
それよりも別の部下や、自分の仕事に時間を割いた方が、全体的に上手くスムーズに回りラクです。
もちろん放置しておいていいわけではありませんが、最低限の時間で接する方がこちらもストレスがかからずやりやすいです。
自分1人で背負わないようにする
できない部下がいると、「管理職である自分が不甲斐ないからだ」などと、自分を責めてしまう方がいます。
確かに管理職がとてつもなく優秀であれば、状況は変わるかもしれません。
しかし、そんな仮定を考えても仕方ありませんし、何かが変わるわけでもありません。
それよりも、自分の周囲にいる信頼できる人に相談するなど、1人で背負って消耗しないようにすることが大切です。
管理職が嫌になったら
部下は管理職を選べませんが、管理職もまた部下を選ぶことはできません。
人間であれば誰だってミスをしますし、一生懸命やっている部下であれば喜んでサポートしますが、現実にはそんなの一握りです。
それでも最低限のことさえやってくれればいいのですが、それすらできずミスばかりして、一向に改善しない部下もいます。
それも含め様々な要因から管理職が嫌になったら、このまま続けるべきか1度じっくり考えてみることをおすすめします。
「管理職がそんなんでどうする!」などと言う人もいますが、管理職だって1人の人間であり、完璧ではありません。
生来の気質や性格、向き・不向きといった部分は必ずあるので、無理に続けて心身に悪影響を及ぼすくらいなら、辞めることを検討してもいいのです。
僕は管理職として働いている中で、同じ管理職の人達がどんどん心身を消耗し疲弊させ、辞めていく姿をたくさん見てきました。
「あんな風になってまで続けることなのか・・・?」と疑問を抱かずにはいられないくらい、見ているのが辛かったです。
この記事をお読みいただいているあなたには、どうかそうなる前に逃げてほしいと、心から思っています。