今あなたが働いている職場に、「こいつ使えないな・・・」と思わずにはいられない派遣社員はいませんでしょうか。
特に派遣社員を大量採用している職場だと、高確率でそのような派遣社員が紛れ込みます。
僕自身、他人のことをとやかく言えない立場であることは自覚しつつも、そうした派遣社員には何度も困ってきた経験があります。
この記事では、そんな使えない派遣社員へどのように対処すべきかを、管理職からの目線と一般社員からの目線でそれぞれ解説します。
派遣社員をクビにするのは簡単ではない
使えない派遣社員に対して誰もが最初に思うのは、「何で会社はこいつをクビにしないのか?」ということでしょう。
しかし残念ながら、たとえ現場でどれだけ使えない人物であろうと、これをクビにするのは簡単ではありません。
ニュースなどで『派遣切り』や『雇い止め』が取り上げられる機会が多いためか、派遣社員はその気になればすぐ切れる存在と思いがちですが、基本的にあのような処遇に至るまでには多くのステップが必要です。
派遣社員も法律で守られているので、クビにするにはかなりの手間と労力がかかるのです。
これを理解していただいた上で、次項からは職場でのそれぞれの立場から、使えない派遣社員への対処法をお話します。
管理職目線:クビにしたい場合の対処法
管理職にとって、使えない派遣社員がいることは一般社員以上の負担がかかります。
ただでさえ仕事ができないことに加え、信じられないようなミスをされるとその都度尻拭いをしなければならず、自分の仕事に大きな支障が生じるためです。
また、上層部からは管理不足と成績改善の圧力をかけられ、部下からは「なぜあんな奴を放置するのか」と責め立てられるので、愚痴をこぼせる相手もいません。
ただし、1つ希望が持てることとして、管理職であれば使えない派遣社員をクビにする方向にもっていくことは不可能ではないということ。
そのために必要となるのは、以下の手順です。
①本人の具体的な問題点を上層部に報告し、クビにできないか相談する
②上層部から改善に向けた具体的な行動計画の作成を指示されたら、作成し本人と面談し共有
③あらかじめ定めておいた期間で達成率をチェックし、改善がなければその点を上層部に報告
④クビの決定(本人に派遣元から派遣契約の更新無しの通達)
重要となるのは、「具体的な問題点があって、これの改善に向けた努力を行ったけれど、(本人が)どうしても改善できないので無理」という、客観的かつ合理的な理由です。
ただし、上記はあくまで僕の経験を踏まえたもので、職場によっては手順が異なる可能性が高いです。
さらに会社によってはこうしたことに慎重で、クビにできるまでに数か月単位で時間がかかったり、クビにできない可能性もあることは認識しておきましょう。
管理職目線:接する場合の対処法
使えない派遣社員は、主に以下のタイプに分かれます。
この中で対処が簡単なのは、『やる気も能力も低い』と『やる気はないが能力は高い』タイプです。
反対に難しいのが『やる気はあるが能力が低い』と『プライドは高いが能力が低い』タイプです。
以下にそれぞれの具体的な対処法をご紹介します。
やる気はあるが能力が低い
厄介なタイプのうちの1つが、能力が低いのに無駄にやる気だけがある人です。
このタイプは自分の能力の低さを自覚しておらず、ミスをしても気付かず進み続けます。
また、遠回しに注意してもこちらの意図を組みとれず、話が噛み合わないこともしばしば。
メンタルが強い(というより鈍い)ことが多く、全く凹んだり落ち込んだりしないので、フォローする側の人間にとっては目が離せずヒヤヒヤが止まりません。
対処法としては、さりげなくレベル・重要度が低い誰もやりたがらない仕事をやらせ続けること。
そうすればある程度放っておいても問題ありませんし、ミスをされても影響が少なくて済みます。
加えて誰もやりたがらないものを文句を言わずこなしてくれるため、他の社員が大切な業務に集中できます。
ただ、上昇志向が強くあまり同じことをやらせていると「別の仕事をしたい」という主張が始まるため、適度にやらせる仕事を変えましょう。
やる気はないが能力は高い
このタイプは、真面目にやれば大抵のことをソツなくこなせます。
ただしやる気がないため、本来の半分以下のパフォーマンスしか出しませんが、その点を注意しても逆効果です。
そこで有効なのが、『ここまでやっておけば文句を言われない』という基準を作っておくこと。
例えば1日で書類を3枚完成させていたとすると、「あと2枚作れる?」と依頼します。
そして次の日から5枚作成していたら、何も言わず済ませます。
このタイプはとやかく言われ目を付けられるのを嫌い、最低限の労力で済ませようとするため、こちらがある程度具体的な「ノルマ」を設定しておけば、そこまではしっかりこなしてくれます。
やる気も能力も低い
このタイプへの接し方はシンプルで、とにかく仕事を極力させないことです。
やらせても遅いですし、その分ミスするリスクが高まりそのフォローで余計な時間を取られます。
何もさせなければそれだけで済むので、とても気がラクです。
上層部は業績にしか興味がないので、いち社員の動向を詳細にチェックしていません。
そうして何もさせず暇な時間を続けさせていると、周囲からの非難の目が強まり不満が噴出するので、そのタイミングでクビにするための方向にもっていくのがベストです。
プライドは高いが能力が低い
使えない派遣社員の中でも、最も厄介なのがこのタイプです。
往々にしてプライドの高さと能力の高さが比例しておらず、大きい態度を取る割にミスを連発します。
そしてそのミスすらも自分のせいだと認めなかったり、謝らなかったりとトラブルが絶えません。
基本的に人望がゼロなので後輩も誰も相談せず、その負担が他の社員にいってしまうという悪循環の産みの親となります。
これに対する接し方で心得ておかなければならないことはただ1つで、決して否定系の態度や言動を取らないこと。
自分のプライドが傷つけられることを最も嫌がるので、これを護るためなら手段を問いません。
おだてに弱いので、できているところをしっかり褒めれば、調子に乗って色々やってくれます。
この習性を利用して、周囲へ負担がかからないように動かしておきましょう。
一般社員目線:クビにしたい場合の対処法
この立場だと、他の社員をクビにするための直接的な行動を取ることはできません。
できることとしては、上司に面談を依頼し、使えない派遣社員について相談するくらいです。
それで上司が動いてくれればいいのですが、そうならない場合もあるので、どうしてもダメであれば自分が辞めることを仄めかすのも有効です。
そうすることで上司、ひいては会社も無視はできなくなるのが普通なので、試す価値ありです。
一般社員目線:接し方と対処法
これは非常にシンプルで、極力関わらないようにすればいいだけです。
業種によっては最低限のコミュニケーションが必要な場合もあると思いますが、その際も一切の感情を殺し、事務的なやり取りだけで終わらせましょう。
話せば話すだけイライラしますし、良いことは1つもないのでそれが懸命です。
どうしても我慢できない時は
どれだけ使えない派遣社員だとしても、辞めずに残り続けてしまっている会社が必ずあります。
こちらは真面目にやっているのに、まともに仕事をしない人間まで同じように給料をもらい生活していることを、我慢できない方もいるでしょう。
このような時に取れる行動は以下の通り。
・転職する
・独立・開業する
使えない派遣社員がいつまでもクビにならず残っているような会社は。ハッキリ言って明るい未来はありません。
なので、早めにそこには見切りをつけて、もっと良い場所で良い仕事をすることを考えるべきです。
どのような選択肢を取るかは自分次第ですが、後悔のない場所で後悔のない仕事をしましょう。