脳内の物質の中でもドーパミンという言葉を聞いたことがある人は多いと思います。
ドーパミンを増やすことで様々なメリットがあるのですが知らない人も多いのではないでしょうか?今回はドーパミンがどのような働きをするのか詳しく紹介します。
やらなきゃいけないのにやる気が出ない、そんなあなたへ
やらなきゃいけないのにやる気が出ないという経験は誰にでもあることです。やらなきゃいけないのに、やる気がしなくて後回しにして後で後悔した経験をした人もいるでしょう。 誰でも経験することですが、それを乗り越えられる人と中々抜け出すことが出来ない人がいます。
人間のやる気と大きく関係しているのが「ドーパミン」です。このドーパミンという言葉をどこかで耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか? ドーパミンを増やすとやる気が出たり、メリットがたくさんあります。ドーパミンが増えることのメリットやドーパミンを増やす方法を知っておけば、やる気を出したいときに役立つかもしれません。
ドーパミンとは?
ドーパミンとはそもそも何なのでしょうか?アドレナリンとノルアドレナリンの前駆物質であるドーパミンは「やる気」との関係でも注目されています。そんなドーパミンの役割や働きを紹介します。
ドーパミンの役割・働き
ドーパミンは脳の側坐核から出る気持ちを興奮させたり緊張させたりする神経伝達物質です。ドーパミンは脳の神経細胞の伝達に重要な働きをします。人間の脳内にはいくつかの神経経路という信号を送る道があります。 脳内には約1000億個もの神経細胞があると言われています。
ドーパミンは脳の中の様々な神経経路を通って多くの神経細胞の情報交換の役割を果たしています。 ドーパミンは運動機能や学習・記憶・集中といった認知機能に多く関わっています。
人間は何かを達成することでドーパミンを増やすので快感を覚えます。そしてその快感をまた味わうためにまた達成しようとします。それが学習能力なのです。
ドーパミンは別名「幸せホルモン」や「快楽ホルモン」とも呼ばれています。ドーパミンを増やすことで「うれしい」「楽しい」というポジティブな気持ちになるからです。
一方でドーパミンは過剰に放出されると、その快楽に依存してしまいます。飲んた時の快楽をまた味わおうとしてそれに依存してしまうことなどがそれです。
ドーパミンは認知機能に大きく関わっているので、ドーパミンが不足すると物覚えが悪くなるなどのデメリットがあります。やる気や活気もなくなりイライラすることもあるでしょう。ドーパミンは多すぎてもいけないし少なくてもいけないのです。
ドーパミンとやる気の関係
ドーパミンは様々な神経経路を通って神経細胞に信号を送ります。その中でも脳辺縁系という脳の中でも重要な「報酬系」にも信号を送っているのです。「報酬」とはその名の通り何かをした時のご褒美です。 報酬が予測されると脳の中の側坐核という部分が感知します。
そしてドーパミンを増やすことでやる気が出ます。これから行動すること、起こることがいいことでも悪いことでも「報酬」を予測してドーパミンを増やすことになるのです。 子供のころに家の手伝いをすればお菓子を買ってあげると言われてやる気を出した経験はないでしょうか?それは「お菓子」という報酬を予測したのでドーパミンを増やしてやる気が出たということなのです。
ドーパミンって普段どんな時に出るの?
ドーパミンは何かに努力したり、目標を達成した時にも大量に放出されると言われています。誰かに褒められたり、認められたりした時、さらに楽しいことを考えるだけでもドーパミンは出てくるのです。
「今夜のご飯は何にしようか」と考えるだけで楽しい気分になる人もいるでしょう。それはドーパミンが出ているからです。そしてお腹が空いた状態でおいしいご飯を食べればとても幸せな気分になるでしょう。
そんな風に楽しいことを想像したり、自分の好きなことをするとドーパミンは出ます。ドーパミンが出るのは仕事や学校で認められた時だけではありません。何気ない日常生活の中でもドーパミンは出ているのです。
ドーパミンを増やすとどうなる?5つのメリット
脳内の神経伝達物質のひとつであるドーパミンを増やすと様々なメリットがあります。ドーパミンを増やすメリットを知っておけば、楽しく活気のある毎日を送ることができるかもしれません。
やる気が出る
ドーパミンを増やすとやる気が出ます。ドーパミンは「やる気のホルモン」とも言われるほどやる気に関係しているのです。 脳が報酬を感知しドーパミンを増やすことでやる気がでます。やらなければいけないことがあるのに中々行動に移せない人はドーパミンを増やすことを意識するといいでしょう。
楽しい気持ちになる
ドーパミンを増やすと楽しい気持ちになることができます。ドーパミンは「幸せホルモン」とも言われています。 ドーパミンが増えることで「楽しい」「幸せ」という気持ちが高まります。せっかく一度しかない人生なのでドーパミンを増やすようにして楽しい毎日を過ごしましょう。
集中力がアップして効率が良くなる
ドーパミンを増やすと集中力がアップして効率がよくなります。仕事で行き詰った時などに一旦休憩をとったり、間食をすると効率が良くなったということはないでしょうか? 休憩中に同僚と談笑したり間食という名の報酬を得ることでドーパミンが増えるからなのです。仕事だけでなく勉強でも集中したい時にはドーパミンを増やすようにするといいでしょう。
ポジティブになる
ドーパミンを増やすとポジティブで意欲的になることができます。前向きな考え方は育った環境や生活環境でできるものではありません。ポジティブな人は成功しているように思う人も多いのではないでしょうか?
実際は成功する人がポジティブなのではなく、ポジティブな人が成功するのです。脳内でドーパミンを増やすことでポジティブな考え方ができるようになります。 ポジティブになれば活気が出てやる気もわいてくるでしょう。そうなれば作業効率も上がってさらにドーパミンが増えることになります。
疲れにくくなる
ドーパミンを増やすと疲れにくくなります。仕事で忙しい日々、家事と育児に奮闘する毎日、湿気で頭が重い日、うだるような暑い夏そんなストレスのたまる状況では人は疲れてしまいます。 疲れやストレスはドーパミンを減らすと言われています。中々やる気が出ない人は疲れがたまってドーパミンが減っているのかもしれません。ドーパミンを増やすとストレスが軽減して疲れにくくなるのです。
ドーパミンを増やす9つの方法!
ドーパミンを増やすことで様々なメリットがあります。では、ドーパミンはどうしたら増やすことができるのでしょうか?意外と簡単にできるドーパミンを増やす方法を紹介します。
食事で増やす
食事でドーパミンを増やすことができます。ドーパミンは必須アミノ酸のフェニルアラニンとアミノ酸のチロシンが合成させて作られています。必須アミノ酸は体の中で作ることができないので食品からとってドーパミンを増やすことになります。 フェニルアラニンやチロシンを多く含む食品には大豆、アボカド、バナナ、アーモンド、卵、チョコレート、コーヒー、牛肉、豚肉、緑茶、牛乳、ヨーグルト、チーズがあります。どれも身近な食品なので日常生活の中で食べやすいものではないでしょうか?
毎朝目標を立てる
ドーパミンを増やす方法に毎朝カレンダーに目標を書くというものがあります。高すぎる目標よりもその日達成できる目標がいいです。例えば「駅まで歩く」「子供に怒らない」というような身近なものでいいのです。 朝目標を立てることで、それを達成しようと脳がドーパミンを増やしてやる気がでます。
さらに目標が達成できると、出来た自分に満足したりほめたりするのでドーパミンを増やすという仕組みができます。カレンダーに書くことで振り返ることもできます。 自分の脳を自分でほめて伸ばすということです。子供にいつもイライラしてしまう人はドーパミンが不足しているかもしれません。「子供に怒らない」という目標を立てて達成できたら自分をほめてドーパミンを増やすようにしましょう。
ご褒美を想像する
何か行動する時にご褒美を想像するとドーパミンを増やすことができます。ご褒美のことを「報酬」と呼びますがご褒美の方が身近に感じられるのではないでしょうか?
「この仕事をやったら休憩してコーヒーを飲もう」「試験に合格したらカバンを買おう」というような、自分へのご褒美を想像します。それは物だけでなく「この仕事をやり切ったら昇進できるかもしれない」ということでもいいのです。 何かをすることで、その先にご褒美があると想像すればドーパミンが増えます。想像するだけでも気持ちが高まりやる気もでるのではないでしょうか?
笑う
笑うことでドーパミンを増やすことができます。ドーパミンは楽しいと感じている時にも出ているからです。声に出して笑うだけでなく、友人との談笑でもいいのです。日常生活の中で笑うことが大切なのです。 落ち込んでいたときにテレビを見て笑ったら気持ちが軽くなった経験をした人もいるのではないでしょうか?例えばお笑い番組やバラエティ番組を見て笑うのでもドーパミンは増えるので1人暮らしの人でも実践しやすいのです。
適度な運動をする
適度な運動はドーパミンを増やすことができます。適度な運動は集中力を高めたり、ストレス発散につながります。ストレスが溜まったり、気持ちが落ち込んいても運動をしたら気持ちがスッキリしたという経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか?
運動はドーパミンを増やすだけでなく、ドーパミンの信号を受け取る受容体も増やすと言われています。適度な運動はドーパミンを増やすだけでなく有効に作用させることができるので運動後は気持ちがスッキリするのです。
音楽を聴く
好きな音楽を聴くとドーパミンを増やすことができると言われています。音楽を聴くと側坐核が活性化してドーパミンを増やすのです。
好きな音楽を聴くことでワクワクしたり軽い興奮状態になりドーパミンが増えます。 スポーツ選手で試合の前に必ずこの曲を聴くという話を聞いたことがあるのではないでしょうか?それも好きな音楽を聴いて集中したりやる気を出しているということなのです。
この側坐核は実際に行動することで刺激を与えることができます。しかし中々行動に移せなかったり、やる気が出ないこともあるでしょう。そんな時は好きな音楽を聴いてドーパミンを増やすと行動に移しやすくなるでしょう。
瞑想する
瞑想はドーパミンを増やす効果があると言われています。瞑想することで集中することができます。さらにリラックス効果もあるからです。 座禅のような本格的なものは中々できないかもしれませんが、ヨガなら定期的にできそうだという人もいるのではないでしょうか?
定期的に瞑想をすることでドーパミンを増やすことができるのでぜひ趣味として取り入れてみるといいのもいいでしょう。 忙しくて瞑想をする時間もないという人もいるでしょう。例えばトイレに座ったとに数分間でも目をつむって心を落ち着けるのもいいです。数分であっても瞑想することでドーパミンを増やすことができます。
好きな人をつくる
好きな人がいるとドーパミンが増やすことができます。好きな人のことを思うだけでドキドキしたり、楽しくなった経験をしたことがあるのではないでしょうか?実はその時にもドーパミンを増やしていたのです。 女性は好きな人ができるとダイエットを頑張れるということもあるのではないでしょうか?好きな人に振り向いてほしいという思いはドーパミンを増やすことになり、ダイエットもやる気になることでしょう。
新しいことに挑戦する
新しいことに挑戦するとドーパミンを増やすことができます。何かに取り組むにしても同じことの繰り返しでは脳への刺激がなくなってきてしまいます。刺激がなくてはドーパミンを増やすことはできません。 そんな時は新しいことに挑戦すると適度な緊張や、脳への刺激が起りドーパミンを増やすことができます。
新しいことと言っても転職や引っ越しのような大げさなものではありません。 ジョギングコースを変えてみるとか、いつもより早起きして一駅分歩いてみるとかちょっとした変化でいいのです。いつもと違う景色が見えたり、今までとは違う経験をすることでドーパミンが増えるでしょう。
ドーパミンを増やすことで楽しい人生を送ろう
ドーパミンは脳内の神経伝達物質で、アドレナリンとノルアドレナリンの前駆物質です。ドーパミンは運動機能や学習能力、認知機能に大きな役割を果たしています。ドーパミンは別名「やる気ホルモン」「幸せホルモン」とも言われています。
何か行動するときに報酬を想像すると脳が感知してドーパミンを増やすようになります。それがやる気につながるのです。
ドーパミンを増やすことで楽しい気分になり、活気が出たりポジティブになることができます。 日常生活の中でドーパミンを増やすことができます。食事や運動、音楽を聴くことは取り入れやすい方法でしょう。ドーパミンを増やすことでやる気を出すことができ、楽しい人生を送ることができます。