仕事中の雑談については、その是非が人によって大いに分かれるところです。

「円滑に仕事を進めるために必要」などの意見もあれば、「仕事しに来ているのに雑談で余計な気を遣わなければならないのはストレスだし不要」などの意見もあります。

そのため、この問題に正解はありませんが、もし仕事中の雑談をするにあたっては、事前に理解しておいた方が良いことがいくつか存在します。

この記事では、そのポイントを5つ解説するとともに、雑談が上手くできず悩んでいる場合にこれを解決する3つの方法をご紹介しています。

雑談に悩む方のお役に立てれば幸いです。

雑談には多くのメリットと効果がある

まず前提として、雑談をすることで期待できるメリットと効果があることは、紛れもない事実です。

例えば同期間での雑談は、苦労や不満を分かち合うことで、「大変なのは自分だけではない」と思えてストレスの軽減に役立ちます。

また、上司と部下、先輩と後輩による雑談では、お互いの立場や価値観の違いによって生じている些細な溝を埋めて、歩み寄ることができます。

その他にも、雑談から良いアイデアが生まれて仕事に活かせたり、思わぬ気付きを得てふとした場面で使えることも。

このように、適切な雑談は決して悪いことではありません。

仕事をしているだけでは生み出せないものを生み出すことができるのです。

『不適切な雑談』は逆効果でしかない

ただ、雑談が全ての人にメリットや効果を生み出すかというと、その答えはNoです。

前項で『適切な雑談』としたのは、不適切な雑談も多く存在するからです。

例えば、独りよがりの雑談は、マイナスでしかありません。

上司や先輩の立場にある人がしがちですが、「雑談で部下(後輩)と打ち解けよう」と画策して話しかけるも、いまいち反応が良くないことがあります。

それは相手(部下・後輩)が雑談を望んでいなかったり、その相手(話しかけてきた上司・先輩)と雑談をしたくないという表れです。

自分が良かれと思っていても、相手にとっては煩わしさしかないのであれば、その雑談には意味がないのです。

むしろ雑談によって嫌な思いをしたり、仕事が進まないといった事態も発生しかねません。

雑談するにあたり理解しておくべきポイント

以上の通り、雑談にはある程度のメリットと効果が期待できる一方、使いどころを誤ればリスクにもなり得ます。

そんなリスクを回避し良いものにするために、以下の5つのポイントをおさえておきましょう。

1度の雑談は最大でも5分程度で控えめにする

雑談は仕事の息抜きになりますが、あまりに時間をかけると仕事が進まなくなったり、集中力を低下させる可能性があります。

あくまで仕事中のため上司から目を付けられ、面倒な事態に発展することもあります。

なので雑談は基本的に2~3分ほど、長くても最大5分くらいにおさえましょう。

また、話が盛り上がるとついつい声が大きくなったりしがちですが、これはかなり危険。

誰に聞かれているか分かりませんし。職場の中で悪目立ちしてしまうかもしれません。

そのため、慎ましく控えめにするくらいで、ちょうど良いバランスになります。

自分の気分だけで雑談を始めない

当たり前ですが、雑談は相手がいて初めてできることです。

お互いが雑談をしてもいいと思っているタイミングこそ、良いものとなるのです。

自分が雑談したい気分だとしても、相手はもしかしたら仕事に集中したかったり、誰かと話したくない気分かもしれません。

そのため、ここで大切なのが相手が纏っている空気を読みつつ、さりげなく話しかけてみること、

それに対しての返事が素っ気なかった場合は素直に引き下がって、その日は別の人と雑談を試みましょう。

相手の心情を無視してしまうと、今後の関係に悪影響を及ぼしてしまいます。

雑談は無理に続けようとしない

前述の通り、雑談は長くするものではありません。

それと同時に、無理にすることでもないものです。

どちらかが口下手だったりすると、会話が続かず沈黙が訪れることも珍しくありません。

そんな時は、そのまま仕事に再び取り掛かり、気にしないようにしましょう。

気まずくなって続けようとしても、またすぐに終わるだけです。

雑談はちょっと話して終わるくらいでちょうど良いのです。

異性間の雑談には細かな気遣いと注意が必要

雑談する相手が異性の場合、気を付けなければならない点がいくつかあります。

まず最も避けるべきは、下世話な話題を仕掛けたり、下ネタを用いること。

特に男性は、ここに細心の注意を払わないと、セクハラとされて大事になる恐れがあります。

それと恋愛話や交友関係といったプライベートに踏み込む際は、相手の反応を窺いつつすること。

もし変な空気を感じ取ったら、すぐに話題を変えましょう。

異性の感性・感覚・価値観は、こちらでは理解しきれない部分も多く、何が地雷になるか分かりません。

それでも雑談によって良い意味で距離を縮めることができるので、上記を念頭に置きつつやっていくことをおすすめします。

自分の話ばかりしない

おしゃべりなタイプがやりがちなのが、つい自分の話をたくさんすること。

雑談とはコミュニケーションであり、相互に話す・聴くを繰り返すものです。

一方的に自分のことを話すのは、スピーチなどと大差なく、相手を置き去りにします。

相手は自分が思っているほど自分に関心を持っていません。

また、自分の話を聞いてくれない人がいたら、その人の話を聞く気も無くなるでしょう。

そのため、まずは相手の話をしっかり聞いて受け止め、場面に応じたレスポンスをすることが大切です。

雑談力を上げる効果的な方法

雑談は、特定のテーマがないという点で、難易度が高いコミュニケーションです。

相手に合わせた話題の提供、反応の仕方、幅広い知識など、様々なスキルを組み合わせて行う必要があります。

「あなたは雑談が得意か?」と質問されて、Yesと答えられる人はかなり少ないはず。

しかし、雑談力は天性のものではなく、勉強と実践によっていくらでも磨けるものです。

以下で雑談力を上げる良い方法を解説します。

インプットする時間を習慣化する

雑談において、話題が豊富であることは欠かせません。

守備範囲が広ければ、相手に良い情報を提供できる機会も増えます。

そのためには、外部からの学びを取り入れることが重要です。

マスメディアやSNS、本やインターネットなどで、インプットする時間を確保するようにしましょう。

そしてこれを習慣にすれば、話題に困ることも無くなるはずです。

カウンセリングスキルを身に付ける

相手の話を聴く上で、カウンセリングスキルは大変役立ちます。

ここで言う『聴く』とは、単に相槌を打つだけでなく、「あなたの話に関心を持ってしっかり受け止めていますよ」ということです。

適切なレスポンスは、相手に安心感と充実感を与え、信頼関係を築きやすくなったり距離を縮めやすくなります。

訓練すれば誰でも身に付けられるものですし、雑談に限らず仕事・プライベートのあらゆる場面で活用できるので、とてもおすすめです。

しっかり身に付けるには、勉強と実践が不可欠。

専門講座で、基礎から学ぶのがベストでしょう。

バラエティ番組をよく観る

バラエティ番組は、雑談のある種の究極系と言えます。

エンターテイメントを提供するプロである芸人をはじめ、数々のタレントが1つの番組を作り上げています。

そこで繰り広げられる会話の応酬は、一般人ではついていけないハイレベルなもの。

誰がどのタイミングでどんなパスを投げ、誰がどんな風に受け取っているのか。

そんな視点で見ると、とても勉強になること間違いなしです。

雑談力は持っていて損はない

仕事中の雑談について、するかしないかは自分次第です。

肯定派にも否定派にも言い分はあって、どちらが良いかは誰にも分かりません。

ただ、雑談力があることで、損はないですし得をする場面もあるかもしれません。

なのでぜひ学んでおくと良いと思います。