「自分には才能がない」

この言葉を残して、多くの人が夢を諦めていく姿を見てきました。

例えば僕の学生時代の友人は、『声優になりたい』と言って声優の専門学校へ進学しましたが、入学して1年足らずで辞めてしまいました。

今は全く関係ない仕事に就いて、日々慌ただしく過ごしており、声優という一切単語は出てきません。

「声優になれるのは才能のある人だけだよ」と、彼がポツリと言った一言を今も覚えています。

ただ、僕は才能がなくても続けることで得られるものはあると思っていますし、現に得ることができた経験もあります。

この記事では、その点について詳しくお話したいと思います。

僕が諦めずに続けて得られたもの

まず、僕が得られたものを具体的に言うと、ボクシングのプロライセンスです。

本気で取ろうと決意し、取得できるまでには1年半ほどかかりました。

まさか自分なんかがプロになれるなんて想像もしていませんでしたし、自分に何の期待もしていませんでした。

詳しくは後述していますが、僕には格闘技(というかスポーツ全般)の才能がないからです。

才能に溢れる人に出会うたびに、何度も心が折れそうになり、投げ出してしまおうとも思いました。

嫌になってサボった日もありますし、やる気が出ずにダラダラやってしまった日もあります。

それでも続けていたからこそ、プロライセンスの取得という、自分が満足する結果が得られたのです。

才能もセンスもなかった

僕はこれまでに格闘技自体は10年以上やってきた経験こそあるものの、才能という面に関しては皆無と言っていいくらいありませんでした。

身体の線は細いし、すぐにケガをしてしまうし、パワーもスピードもスタミナも並以下。

僕より後に始めた人に追い抜かれるのはもはや慣れっこで、悔しさよりも納得してしまう気持ちの方が強かったです。

僕が1年かけて習得したものを、1ヶ月程でモノにしてしまう人を見た時はさすがにショックでしたが、それも仕方ないと思う他なかったです。

さらに言うと、元々スポーツも得意ではなく、学生の頃は1500m走で下から数えた方が早いレベル、

体育の授業は大嫌いでしたし、体育祭では端役もいいところ。運動神経の良いクラスの1軍を遠巻きに冷めた目で見ているだけ。

そんなわけで、僕は早い段階で格闘技の才能がないことを痛感し、プロになることは諦めていましたし、なろうとも思いませんでした。

才能なんて9割の人は持っていない

ただ、これまで30年近く生きてきて、1つ分かったこともあります。

それは、世の中の9割の人は才能を持っていないということ。

僕を含むほとんどの人は凡人で、一生懸命努力するしかありません。

他人に羨ましがられるような能力はなく、他人を羨ましがるその他大勢の1人に過ぎないのです。

だからまずはそこをしっかり受け入れて、しかしそれで不貞腐れるのではなく、いかに努力を続けられるかが凡人の勝負所ではないでしょうか。

『諦める覚悟』と『続ける勇気』

物事を諦めるにせよ続けるにせよ、そこには大きな決断が必要です。

具体的には『諦める覚悟』か『続ける勇気』です。

もし諦めるのであれば、今後それを後悔せず、綺麗さっぱりと忘れられるくらいでなければいけません。

反対に続けるのであれば、その分の手間と時間を捧げ、才能のある人に劣等感を抱きショックを受けても、決して折れずにいる勇気が問われます。

どちらを選択するにしても、楽な道ではないということです。

いつまでも結果が残せずダメになってしまうのは、この決断のどちらもできず、ただウロウロするだけの人でしょう。

才能がない。だから何だ。

僕は自分に才能がないことを受け入れるのに、そこまで苦労はしないタイプでした。

子どもの頃から何かで1番になるどころか、上位に食い込むこともありませんでしたし、同級生にも舐められてばかりだったからです。

大人になってもそれは変わらず、これからも自分は一生このままなんだろうなと思っています。

でも、そのおかげで「だから何だ」と開き直ることができました。

確かに才能はないけれど、諦めるかどうかは自分次第です。それに続けていれば1度はチャンスが巡ってくるかもしれません。

才能はどれだけ願っても降ってくることはありません。そして才能のある人を妬んだり恨んでも、何も得られるものはありません。

それならば、自分には才能がない。だから何だ。』という気概を持って、続けてみるのも良いのではないでしょうか。

そのおかげで、僕のように結果を得ることのできた人間もいるということは、覚えておいてほしいです。

もしそれで心が疲れてしまった時は、カウンセリングを受けることをおすすめします。僕自身、努力して続けることに限界を感じた時は、サポートを受けていました。

1人だけで無理をせず、こうして誰かに頼るのも、時には大切なことです。