サービス残業と聞くと、真っ先にブラック企業を思い浮かべる人がいるかもしれません。
しかし、日本企業で働く社会人で、サービス残業をしている人は決して少なくないのが実情です。
僕は過去に、年間400時間をサービス残業に費やし、心身ともに疲れ果て退職した経験があります。
この記事では、そんな僕が経験して分かった、サービス残業をすることのリスクを解説します。
サービス残業が常態化している会社は今すぐ辞めるべき
まずはじめにお伝えしたいのは、もしあなたがサービス残業をすることが常態化している会社にいるのなら、そこは今すぐ辞めるべきということ。
サービス残業があること自体が異常なのに、それが常態化しているのは、企業の体質に根本的な問題があります。
残念ながらそれを是正するとなると、多大な時間がかかることは間違いありません。
本当に是正されるという保証もないので、これ以上サービス残業の犠牲にならないために、今すぐ辞めてその環境から脱出しましょう。
もし辞めようとしているのに上司が辞めさせてくれない、または辞めると言い出せない雰囲気が出ているのであれば、退職代行サービスを利用するのが効果的です。
申し込みが完了すれば、あとの手続きは退職代行業者がやってくれるので、会社と無用なやり取りをせずに済みます。
退職代行に依頼するのは逃げでも恥ずかしいことでもなく、むしろ負担を軽くする良い手段であることを覚えておきましょう。
年間400時間のサービス残業をしていた時代のこと
冒頭でもお話している通り、僕は過去に年間400時間にのぼるサービス残業をしていました。
何故そのような状況に陥ったのかというと、主に以下の要因があったからです。
・定時で終わる業務量ではなかった
・上司が退勤してからでないと業務に集中できなかった
・残業で打刻していたら上層部から目を付けられた
・適当なことができなかった
・不満や疑問を呑み込んで我慢していた
当時いた僕の上司は自分の評価を第一に優先する人物で、そのために下の立場にいる社員に無理を強いることがしょっちゅうでした。
ただでさえしなければならないことが多い中、そんな上司がいるせいで余計に仕事が進みません。
さらに残業をまともに付けていたら、今度は上層部から「残業規定(月に45時間以内)を守れ」と指摘され、40時間を超えると厳しく監視されるように。
そこに僕自身の性格も加わって、サービス残業をするのが最も周囲から何も言われない方法となってしまったのです。
サービス残業によってもたらされるリスク
連日サービス残業をしていると、通常であれば有り得ない思考状態に陥り、様々なリスクを抱えることにます。
ここでは、僕が実際に経験した症状を並べていきます。
感情が薄くなる
人間なら当たり前にある喜怒哀楽が、まともに出せなくなります。
笑顔が上手くできない、怒るべきことに怒れないといように、自分の感情がコントールできなくなりました。
逆に「今までどうやっていたんだっけ・・・?」と、混乱したのを今でも覚えています。
元々そこまで感情を表に出すタイプではなかったのですが、よりそれが顕著になっていたと思います。
「まだ定時か」と思うようになる
会社員であれば定時に退勤するのが普通です。
しかし当時の僕は、「定時になってからが仕事開始」と思っていました。
というのも、定時までは上司からのアホみたいな無茶な依頼や、後輩と部下からの相談とフォローで、自分の仕事をする余裕がなかったからです。
なので定時を迎えて後輩と部下が退勤し、上司も一服をするために大人しくなって、ようやく仕事に取り掛かれるわけです。
もちろん今考えれば明らかにおかしいのですが、当時はその感覚も麻痺しており、当たり前のように過ごしていました。
休日を疎ましく思う
当時はとにかく仕事に追われ、暇な時間は一切ありませんでした。
シフト制の仕事で、僕が休みでも会社は稼働していたので、休み明けに出勤すると仕事が積み重なっている状態が普通だったのです。
だから休み明けは怖くて仕方なく、次第に「こんな風になるなら休みなんていらないのに!」とイライラしていました。
密かに出勤して仕事しようか本気で考えましたが、そんな仕事の仕方をすればすぐに心身を壊していたと思うので、やらなくて良かったと思っています。
異常という自覚が無くなる
連日のサービス残業によりもたらされる最大のリスクは、今やっていることがいかに異常であるかを自覚できなくなることです。
第三者視点で見れば明らかにおかしいことなのに、当事者はこれが普通と思っていることは珍しくありません。
僕自身がその状態だったからよく分かるのですが、当時はサービス残業を『やるしかない』という感覚でした。
あのまま続けていたら、どこかでその反動がきて取り返しがつかなくなっていたかもしれません。
深夜のオフィスに1人でいるのが落ち着くようになる
僕以外にもサービス残業をしている社員は何人かいましたが、最も長くやっていたのは僕でした。
そのため、退勤するのも僕が最後で、広いオフィスに自分しかいないという光景は当たり前のような状態。
それが続くと、深夜誰もいないオフィスに1人でいるのが、非常に落ち着くようになったのです。
終電も近いそんな時間帯に、会社のオフィスにいるのは決して良いことではありません。
それでもあの頃は、その空間が僕の中で唯一落ち着けたのです。
サービス残業は『違法』であることを忘れるな
大前提として、サービス残業は違法です。
会社は労働者に対して、未払いの残業代がある場合はそれを支払わなければなりません。
もし払わずにいると労働基準法に反します。
僕の年間400時間のサービス残業も、もし会社を訴えていたら支払いを受けられた可能性があります。
※あくまで可能性の話なので、仮に訴えていたとしてもどうなったかは分かりませんが。
結局僕は何もせず会社を辞めて終わりましたし、そのことを後悔もしていません。
でも、人生における貴重な時間を何の見返りもなく捧げてしまったのは、バカだったなと思っています。
今この記事を読んでくださっているあなたが、もしも当時の僕のようにサービス残業をしているなら、一刻も早くそんなことはやめましょう。
それが許されない会社なら、迷わず辞めて自分の大切な人生を取り戻してほしいと思います。
サービス残業をどれだけしても、その先に得られるものは何もありません。