ジョブホッパーとは、職業を短期間で転々としながら過ごしている人のことを指します。
日本では基本的にはあまり良い意味で使われておらず、「ダメな奴」とか「社会不適合者」などと評価されることも。
僕自身ジョブホッパーで、これまでに6度の転職を繰り返しているので、世間からすればそんな風に見られている1人でしょう。
でも、ジョブホッパーになってみて分かったのは、「そんなに悪いものではないし、むしろ良かったことも多いな」ということ。
本記事では、僕がジョブホッパーになって良かったと思う5つのことを解説します。
ジョブホッパーだから悲惨な末路を迎えるわけではない
ネット上の記事を見ていると、ジョブホッパーに関するキーワードで多いのが『悲惨な末路』。
そしてそれは、以下の理由があるからと主張されています。
- 正社員(正規雇用)になれない
- 雇ってくれる会社がない(あってもブラック企業だけ)
- スキルもキャリアも身に付かない
- 社会から評価されない(印象が悪い)
- 忍耐力がなくコミュニケーション能力が低い
日本では昔から1社に長く勤めるのが美徳とされてきた背景から、その正反対の道を歩むジョブホッパーにはネガティブなイメージが張り付いています。
しかし、上記の主張をあげている記事に1つ欠落しているのは、ジョブホッパーではない人が書いているということ。
だから実際に身をもって経験しているわけではなく、良くも悪くも他人事で一般論になっています。
僕はジョブホッパーですが、現時点で『悲惨な末路』は迎えていません。
ブラック企業ではないところから採用されましたし、幅広いスキルも身に付きました。
以上のことから、ジョブホッパーは言われているほど悪い存在ではないはずです。
ジョブホッパーになって良かったと思う5つのこと
ジョブホッパーをやってみて良かったと思うことは多々あります。
その中でも特に良かったのは以下の5つです。
①会社の実情・実態はどこも変わらないと知ることができた
②人間の面白さ・奥深さを知り興味が持てるようになった
③『うちの常識はよその非常識』を身をもって体験できた
④仕事に追いつめられることがなくなった
⑤働き方の多様性を理解できるようになった
会社の実情・実態はどこも変わらないと知ることができた
ジョブホッパーとして、これまで多くの会社の内部を見てきました。
大企業からベンチャー企業まで、規模も社風も丸っきり異なる会社で、その内部はどう違うんだろうと興味を持っていました。
しかしいざ中に入ってみると、そこに大きな違いはなかったです。
人間関係の問題はそこかしこにありましたし、社員のモチベーションも様々。
優秀で仕事のデキる人はごく少数など、会社は違うのに抱えている課題や問題はほとんど一緒でした。
このことから、会社なんてその実情・実態はどこも変わらず、根本的には同じなんだということを知ることができました。
人間の面白さ・奥深さを知り興味が持てるようになった
ジョブホッパーとして多くの会社を渡り歩いてきたので、そこにいるたくさんの人と必然的に交流することになりました。
そこで思い知ったのは、良い意味でも悪い意味でも、世の中には色んな人がいるということ。
僕の何気ない一言が、ある人にとっては許せないものだったと問題になったことがありました。
僕の何気ない行動で、「救われた」と言ってくれた人がいました。
他にもここには書ききれないほど、たくさんのエピソードがあります。
僕は元々他人に興味がないタイプでしたが、ジョブホッパーになって人間の面白さ・奥深さを知り、人間に興味が持てるようになったのです。
今ではこのおかげで人見知りもなくなり、人と接するのも苦ではなくなりました。
『うちの常識はよその非常識』を身をもって体験できた
社会人にとって『常識』はおさえておかなければならないものです。
ただ、この常識自体がとても曖昧でいい加減なものだと、ジョブホッパーになって痛感しました。
例えば、上司から何かを注意されている時のこと。
A社では「上司から注意されてる時は立って聞くのが常識だろ!」と怒られました。
しかしB社では、「上司から注意されてるのに見下ろすな!」と、椅子に座れと怒られました。
このように、会社ごとに常識とされていることは全く違っていて、結局のところ個々の価値観で決められているんだと分かりました。
なので今では常識と言われるものは、全て常識ではないと常に思うようにしています。
仕事に追いつめられることがなくなった
僕は今でこそジョブホッパーですが、最初からそうなろうと思っていたわけではありません。
ただ仕事をしている中で、何となく違和感を覚えたり、苦しいことやつらいことを味わい、転職をしていくうちに気付けばなっていました。
これを「逃げ」と言われても否定はしません。でもそのおかげで、仕事に追い詰められることはなくなりました。
かつてはメンタル不調に陥りクリニックに通院しましたし、電車に飛び込もうとしたこともありましたが、ジョブホッパーとなった今では「そこまでして仕事にしがみつく必要ないな・・・」と思えます。
長く勤めることは大切かもしれませんが、自分が健康でいることはもっと大切です。
ジョブホッパーとして1つの仕事に固執しなくなった今、健康でいられる自分を嬉しく思います。
働き方の多様性を理解できるようになった
今や働き方は1つだけではありません。
1社に定年まで勤め上げる働き方は、もはや過去の産物。
副業・起業・フリーランス・独立など、自分に最適なものを選択できる時代です。
ジョブホッパーとしてたくさんの会社を渡り歩いて、そんな自分がダメなのかと悩んだ時期もあります。
しかし、それも上記の数多くある働き方の中の1つだと、今では捉えることができます。
働き方の多様性を理解できたことで、副業に挑戦したり、フリーランスとして活動するようにもなりました。
ジョブホッパーにならなかったら、きっとやらなかったことです。
キャリアの整理は行うべき
ここまで解説した通り、ジョブホッパーは決して悪い存在でも、否定される存在でもありません。
ただし1つ注意したいのは、キャリアの整理はしっかり行うべきということ。
ジョブホッパーとして様々な仕事をしてくると、自分がこれまで学んだことや経験をつい忘れてしまうことがあります。
せっかく身に付けたものを忘れて、次に活かせないのはとても勿体ないです。
また、定期的にこれまでのキャリアを振り返るのは、自分の成長や課題を発見するのにも有効な手段です。
ジョブホッパーは経験が多いからこそ、キャリアの整理をして自分の中に落とし込むことがより大切なのです。
1人では整理が難しい人は、プロのサポートを受けるのも良いでしょう。
『キャリフリ』では無料のキャリア相談が可能なので、これまでのキャリアの整理と現状把握をして、今後の計画策定に役立てられます。
ジョブホッパーには多くの展望がある
ジョブホッパーは多くの会社と仕事を経験しています。
1か所あたりの経験年数は短期でも、その多さは圧倒的と言えます。
ここから1つのことを集中して勉強し専門性を高めても良いですし、さらにできることの幅を広げても良いでしょう。
ジョブホッパーに対する日本社会のイメージは、正直なところ未だ良いとは言えません。
しかし、だからといって人生が詰んでいるわけではなく、やれることはいくらでもあります。
これまでの生き方を卑下せず、ジョブホッパーとしての経験の多さの強みを活かして、これからも自分の思う通りに過ごしていきましょう。