人材派遣業界は、この不況の世の中にも関わらず、常に求人募集をかけています。

「人の役に立てる」や「成長できるスピードが早い」など、良いイメージを持っている人もいるかもしれません。

しかし、僕が実際に働いてみて感じたのは、人材派遣業界だけは辞めておいた方がよいということです。

本記事では、その理由を詳しく解説します。

人材派遣業界がブラックな理由

人材派遣業界はやめとけ。働いて痛感した問題と実態。

人材派遣業界がブラックであるというのは有名ですよね。

では何故ブラックと言われるのかというと、人材派遣会社に以下の特徴があることが多いためです。

・重労働で安月給
・ハラスメント気質
・体育会系の縦社会
・強引な営業手法

もちろん人材派遣に関わる全ての会社がそうであるとは限りません。

しかし、僕が勤務していた会社や聞いた限りの他の会社では、これが当たり前となっていました。

扱う商品が人材(人間)という点、派遣先と派遣社員の板挟みに遭う点など、人材派遣業というビジネスモデルはただでさえストレス度の高いものです。

そこに社内のゴタゴタが乗っかってくるので、総合的な負荷はかなりのもの。

なのに給料は他業種と比べて低いこともザラなので、『ブラックで見合わない仕事』となるわけです。

派遣したくない人材も派遣しなければならない

人材派遣業界はやめとけ。働いて痛感した問題と実態。

既に触れた通り、人材派遣業の商売道具は人材、つまり生身の人間です。

食品や商品であれば、若干の個体差はあれど、ほぼ同じ品質で提供することが可能です。

対して生身の人間は、個体差があまりに大きすぎます。

感情という制御できないものがあるので、ほとんどの場合思い通りの役割は果たしてくれません。

すると当然、接していて「こいつはヤバい」と分かる人材も現れます。

普通に考えれば、そんな人材を派遣するなど危険すぎるのでやりません。

しかし人材派遣業では利益を優先するあまり、これをとりあえずねじ込むという手法を取ります。

ダメならダメで仕方ないし、大丈夫ならラッキーくらいの感覚です。

そうして大抵は問題が発生したら、その尻拭いは全てこちらに押し付けられるのです。

派遣先も派遣社員も自分勝手な主張しかしない

人材派遣業界はやめとけ。働いて痛感した問題と実態。

派遣先は少しでも良い人材を求め、少しでも何かあればこちらに容赦なくクレームを入れてきます。

酷いと「今後の付き合いを考える」という段階までいくので、こちらはご機嫌を取らざるを得ません。

派遣社員は自分が少しでもラクをできて、お金をもらえる場所を求めます。

少しでも何かあれば、何の躊躇もなく消息を絶って周囲に大きな迷惑をかけます。

こうして派遣先も派遣社員も、各々が好き勝手な主張ばかりするので、こちらはそれを上手くいなしていかなければなりません。

人材派遣業界は競争が激しく、モタモタしていると他社に派遣先も派遣社員も取られてしまいます。

そのため、バカみたいな派遣先・派遣社員の要望も無下にはできないのです。

あらゆることに『鈍感』でなければもたない

人材派遣業界はやめとけ。働いて痛感した問題と実態。

人材派遣業界で生き残っていくには、とにかく鈍感であることが必要です。

真面目で優しい人や、責任感のある人は向いていません。

というのもこの仕事は、こちらの努力でどうにかできる部分が非常に少ないのに、責任だけはこちらが負わなければならないケースが多いからです。

派遣先は人材が不足しているから派遣社員を雇いますが、過剰になったり会社自体の業績が振るわなくなったりすると、コスト削減の一環で派遣社員を容赦なく切り捨てます。

派遣社員は急な消息不明は当たり前で、遅刻・早退・欠勤という勤怠不良や、派遣先とのトラブルを起こすなんて日常茶飯事です。

しかしそれらのほとんどは、こちらがどんなフォローをしようが防ぎようのないもの。

派遣先の業績なんて派遣先の事情ですし、派遣社員の諸々の問題は派遣社員自身の意識の部分の問題で、こちらが介入できるところなんてほぼありません。

人材派遣業はこちらに非がなくとも謝罪しなければならない場面が多く、そのたびに心が削られてしまう繊細な人は、すぐ潰れてしまいます。

だから鈍感で良い意味でお気楽な人でないと、仕事を続けていくのは難しいでしょう。

『感謝される仕事』は幻想

人材派遣業界はやめとけ。働いて痛感した問題と実態。

人材派遣業は「みんなに感謝される素晴らしい仕事」というワードを押し出しがちですが、そんな綺麗事を信じてはいけません。

長年やっていれば1度や2度はあるかもしれませんが、ほとんどは感謝どころか怒られたり恨まれたりすることばかりです。

そもそもとして、派遣先も派遣会社も人材派遣業に対して、「面倒事を引き受けてくれる便利な存在」程度にしか思っていません。

人材派遣業界は競合で溢れており、派遣先も派遣社員も数ある中から選び放題の、いわゆる買い手市場です。

少しでも気に喰わない、自分達のわがままをきいてくれないとなれば、躊躇なく他の派遣会社へうつっていきます。

こちらと仲良くやっていきたいとか信頼してくれるとかはなく、「自分達の言うとおりに動いてくれるかどうか」なので、役に立って当たり前の精神になっています。

そんな状態でわざわざ感謝をしてくれる派遣先・派遣社員なんて、まずいないのが現実です。

休みは休みではない

人材派遣業界はやめとけ。働いて痛感した問題と実態。

人材派遣業界で働いていく限り、心から安堵して過ごせる休日はないと思っておくべきです。

というのも、こちらが休日でも派遣先と派遣社員は稼働しているからです。

稼働していれば様々なトラブルが発生しますし、派遣先も派遣社員もこちらの休日なんて知ったこっちゃないという姿勢であるがほとんど。

つまり、何かあれば容赦なくこちらに連絡してくるのです。

そして今の時代、業務端末を必ず持たされ、休日もこれを持っていることが強制されます。

僕は現役時代、休日も業務端末がいつ鳴るか分からず、存分に休んだ心地がしませんでした。

休みが休みでない、こんな仕事に人生を費やしたくないと思っていたのを覚えています。

自分の良さと強みが活かせる仕事をしよう

人材派遣業界はやめとけ。働いて痛感した問題と実態。

僕はもう二度と人材派遣業界で働きたくありませんし、働きたくもありません。

しかし、人材派遣業界を選んだことは後悔していません。

辛いことばかりでしたが、ここでの経験は人生に大いに役立っています。

ただ、向き・不向きの観点で言えば、僕は間違いなく向いてなかったです。

そして、仕事においてこの向き・不向きは、非常に重要なところだと思います。

人材派遣業界で働いてみたい、興味があるのであれば、挑戦してみる価値は十分あるでしょう。

けれど少しでも不安や迷いがあるなら、自分の良さや強みが活かせそうな仕事をした方が、存分なパフォーマンスを発揮できて楽しいはずです。

スキル・キャリアの棚卸しを行い、良さと強みを分析した上で、もう1度何をしていくか考えてみるといいかもしれません。