会社員として働いていると、仕事ができる人とできない人が何となく分かってきます。
会社としては当然仕事ができる人を重宝し残ってほしいと思っていますが、当の本人にとって会社に居続けるのはあまり得策ではなく、フリーランスや起業などをして独立するべきです。
本記事ではその理由と、独立するために必要となるステップを解説します。
独立するべき理由
仕事ができるのであれば、会社にいれば評価も高いですしクビになる可能性は低く、良いことばかりと思うかもしれません。
しかし、実際は仕事ができるからこそ、以下のような理不尽な目に遭いやすいです。
だからこそ、そんな場所からは独立すべきなのです。
できない人の尻拭いをさせられる
仕事ができない人は、ことごとくミスを犯します。
それが些細なものであるなら問題ありませんが、中にはしっかり修正しないとマズことも少なくありません。
普通ならばミスをした本人が修正にあたるべきですが、彼等に対する上司の信頼度は低く、修正すらミスをするかもしれないと不安に感じるもの。
そこで白羽の矢が立ちやすいのが仕事ができる人で、上司はミスへの修正を依頼してくるケースが多々あります。
自分の仕事があるのに突然関係のない他人の尻拭いをさせられ、しかも大抵の場合それが評価されることはありません。
さらにミスをした張本人である仕事ができない人は、それに感謝の言葉もなくノウノウとしていることも。
仕事ができるが故に、本来やらなくていいはずのことをやらされるのです。
管理職へ昇進させられる
昔の日本では、会社員として出世するのが成功への道であり、多くの人が目指していたことでした。
しかし今やその価値観はガラッと変わり、「責任を負わされる割に待遇が見合わない」と、出世し管理職へつくことを拒否する人がたくさんいます。
ただ会社としては、誰かを管理職へ据えなければなりません。
そこで候補に挙がるのは、仕事のできる人になります。
能力が高くなければ周囲に信頼されませんし、安心して任せることができないからです。
昇進が任意であればいいのですが、基本的に命令という形でくだるため、どれだけ不本意でも受けなければなりません。
新人の教育を担当させられる
新人の教育は本当に大変です。
何もかも知らない人間にイチから全て教えなければなりませんし、何かミスをされればこちらの責任になります。
その新人が優秀でモチベーションも高ければまだマシですが、不器用で覚えが悪いのにプライドだけ高いタイプだと最悪です。
新人教育は上司が信頼している人物に割り当てられるため、当然仕事ができる人になります。
自分だけであれば適当に流せるところも、新人がいるとそうもいかず、労力は普段の倍以上かかることも。
新人の成長は大切ですが、こちらの消耗はかなり激しいです。
負担の大きい仕事をやらされる
仕事の中にも責任の重いものや手間と工数がかかる面倒なものなど、いわゆる『難易度』があります。
難易度の低いものは誰でも簡単にできる上に、仕事のひとつとしてちゃんとカウントされるため、みんながやろうとします。
しかし難易度が高いものになると、途端に誰も手を付けようとしません。
だからいつまでも放置されて、シビレを切らした上司が無理やり振ることに。
そして振られる先は…そう、仕事のできる人になります。
どんどん仕事を振られる
仕事のできる人は、当然仕事を終わらせるのが早いです。
それなら早く帰れるのかというと…そうではありません。
何故なら仕事が終わると、他の仕事を周囲から振られることになるからです。
日本の会社は自分の担当範囲が終わったら、他の人のものを手伝って当然という雰囲気があります。
しかしそんなことをしていると、いつまで経ってもキリがなく、結局帰れる時間は他の人達と同じくらいに。
そうやって仕事のできる人は、使い潰されてしまうのです。
独立するために踏むべきステップ
仕事ができる会社員は、上記で解説している通り会社にいる限り、余計な負担を強いられ消耗させられることになります。
それをスキルアップの機会と捉えたり、その会社でキャリアを積んでいくことを目指しているのであれば、そのままで問題ありません。
しかし、そのようなモチベーションがなく会社に負担を強いられるのが嫌ならば、独立した方が得策です。
独立するためには、以下の4つのステップを踏んでしっかり準備を整えてから実行する必要があります。
それぞれのステップについて、詳しく解説します。
計画策定
独立するにあたって、この計画がどれくらい具体的かが、成否を分けると言っても過言ではありません。
・何でお金を稼ぐのか(ライター業やコンサルタント業など)
・どれくらい働くのか(週休〇日、〇時までなど)
・いつまでに始めるのか(〇か月後に開始など)
上記は最低限の事項ですが、これらをあらかじめ明確にしておかないと、いつまで経っても会社員としてダラダラ居続けることになります。
会社員は良くも悪くも給料が安定的にもらえるので、自分が奮起しないとそこから抜け出すのが難しいからです。
だからこそ、最初に計画を策定し常に独立を意識できるようにするべきです。
必要なスキル習得
独立するには自分のスキルを活用して、収入を得られるようにする必要があります。
既に持っているスキルでいけるのであればそれに越したことはありませんが、大抵の人はそのためのスキルを習得することから始めることになります。
スキル習得には
・独学
・スクール受講
のどちらかで行うことになるでしょう。
独学はコストがかからない代わりに、学べる範囲に限界があったり第三者の添削がなく学んでいる内容が正しいのか判断しづらいデメリットがあります。
スクール受講は専門講師が教えてくれるので正確で確実なスキル習得が可能ですが、基本的に費用が高額になるのでその資金が必要です。
それぞれのメリットとデメリットを比較して、どちらが自分にとって良いかを判断しましょう。
小さくスタート
計画の策定が完了しスキルも習得できたから、あとは独立するだけ!・・・となっても、まだ会社を辞めるべきではありません。
独立することはできても、それを継続できるかはまた別問題です。
事実、以下のようなデータがあります。
中小企業白書から、近年における個人事業主の廃業率を見てみると
・1年で37.7%、3年で62.4%が廃業
・10年では88.4%が廃業というように、個人事業主として開業した人の約4割が1年以内に廃業していて、2年で約半数、10年後まで生き残れる人は1割ほどとなっています。
引用:個人事業主の廃業率はどのくらい?
せっかく独立しても、いきなり会社員と同等以上のお金を稼ぐことは難しいですし、いつ軌道に乗るかも、そもそも上手くいくかも分かりません。
いざという時のためにも、まずは会社員と並行して小さくスタートさせるのが、リスクを少なく精神的にも安心して挑めるでしょう。
退職
独立してある程度の収入の見通しが立ち、万が一の備えも十分であるなら、いよいよ完全な独立が可能です。
会社を退職し独立してやっていくにあたっては、保険や税金関係などの手続きをしていかなければなりません。
会社員時代は全て会社がやってくれていたことや負担してくれていた部分も、全て自分で行うのです。
慣れないかつ非常に面倒な作業ではありますが、今後やっていくにあたり避けては通れませんので、手抜かりがないように注意しましょう。
手続き関係は1度経験しておけば、後がずっとラクになります。
会社に搾取されない人生を送ろう
仕事のできる人は、どうしても色々なことを任されたり押し付けられがちで、消耗する度合いが高くなります。
それなのに給料は仕事のできない人と大差なく、不満を感じることも多いのは事実でしょう。
必ず独立する必要はありませんし、会社員として続けていくことは間違いではありません。
ただ、選択肢の1つとして持てているだけで、今後のことを考える上で視野はグッと広がります。
これからの時代、会社に依存しているといつ何かが起きた時、生活が成り立たなくなる可能性は大いにあることを、新型コロナウィルスが明らかにしました。
独立は自分を守るためにも備えておいて損はないので、ぜひある程度の準備を進めておくことをおすすめします。