今や派遣の仕事は多岐に渡り、珍しい働き方ではなくなりました。
僕自身、派遣会社の営業として働いた時代と、派遣社員として実際に働いていた時代があります。
しかし、派遣の仕事の中には低賃金というだけでなく、労働者を搾取していると思われても仕方ないものが存在します。
本記事では、派遣業界で管理する側・される側の両方を経験した僕が、やるべきではない派遣仕事の特徴を解説します。
派遣の仕事は『疑う』から始める
派遣社員として仕事を選ぶ際に、大前提としておさえておくべきことがあります。
それはどんな仕事にせよ、まず疑うということです。
ありがちなのが、メリットだけを大きな文字で目立つように書いている求人。
例として、以下のようなものが挙げられます。
・交通費支給!
・資格不要!
・経験不問!
・先輩が丁寧に指導!
経験上断言できますが、派遣の仕事はメリットよりデメリットへ着目しないと、痛い目に遭います。
交通費支給といっても上限や条件があったり(「1日500円まで」や「バス代のみ至急」など)。
資格不問や経験不問は誰なのでできるけど、劣悪な環境でセクハラやパワハラが未だにあったり。
派遣の仕事に『割に合うもの』は存在しないので、どんな謳い文句があっても浮足立たず詳細を確認して、少しでも曖昧な点があれば派遣会社へ問い合わせるくらいの気概が必要です。
自分のキャリアに無用な傷をつけないためにも、この過程はとても大切です。
搾取される派遣の仕事の特徴5選
派遣の仕事には、搾取要素があるものも多く存在します。
たとえどんなに良さそうに見える仕事でも、以下の特徴があるものは避けるべきです。
交通費が出ない
交通費が出ない仕事は、基本的にやめておきましょう。
自分が働いた給料の一部が、職場への行き来だけで消えてしまうなんて、こんなにバカらしいことはありません。
例えば1日で往復600円を通勤に使っているとすると、1か月(20日間と仮定)で12,000円もかかります。
時給1,000円(8時間労働で8,000円)の仕事だとすると、1日分以上の給料が交通費だけで消えることになりますよね。
やればやるほど損する金額は大きくなり、良いように使われることになります。
交通費が出ることは労働者への最低限の待遇なので、これを出さないのは派遣会社もしくは派遣先が、派遣社員を搾取するための人材としか見ていない可能性が高いです。
そんなところで働くのはやめておきましょう。
通勤にバスを使う必要がある
職場が工場の仕事に多いのが、通勤にバスを使う必要のあるものです。
大抵は「バスで片道20分」など、徒歩や自転車ではかなり厳しい距離にあるため、バスを使わざるを得ません。
時間帯にもよりますが、基本的にそういった場所は工場が密集しており、多くの人がバスを利用します。
通勤ラッシュ時のバス内は、電車以上に混み合っており、非常に息苦しくストレスが半端ではありません。
電車と違い1台ごとのキャパシティが圧倒的に低いので仕方ありませんが、乗っているだけで体調が悪くなりそうなレベルです。
そうまでして行かなければならない場所にある仕事は、避けた方が健康のためです。
開始の○時間前に現場到着が必須
正規・非正規を問わず、職場によっては始業時間より一定時間前には出勤していなければならないと、暗黙の了解を課しているところが未だに少なくありません。
派遣の仕事でもそのような求人は存在しますが、この時間の縛りがバカのように長いのです。
僕が過去に経験したのは、1時間前には現場にいなければならないというもの。
その理由としては、業務の説明とやり方を研修するという名目でしたが、その間の給料は発生しませんでした。
また、研修に少しでも遅れると仕事はさせないという規則があり、結果的に1時間30分前には職場へ出勤することに。
本来仕事とは、給料の発生する時間さえ働いていれば問題なく、それより早く来る必要はないです。
にも関わらず上記のようなことを定めている仕事は、間違いなくロクでもないので注意しましょう。
備品を自前で用意させる
どんな仕事でも、器具・機械・道具は必要です。
それらの用意は職場がして当然ですが、派遣の仕事ではそうでないケースも多々あります。
例えば軽作業系の仕事では、カッターや軍手は自前で用意させられることがザラです。
また、コールセンター系ではヘッドセットなどを自前で求められることも。
今の時代、大抵のものは100円ショップ買えるような状態ですが、それでも労働させる上に備品まで用意させられるのはおかしいことです。
それを当たり前と受け入れて、働いてはいけません。
『正社員登用』を押し出している
これだけ働き方が多様化し、正社員でさえ安定とは言い難くなった中でも、未だに正社員の安定を信じている人は少なくありません。
それもあってか、派遣の仕事でも正社員登用制度を謳っているところは存在し、これを目指して働いている人がいます。
しかしそれをエサにして、理不尽な仕事を強要される可能性があることを、警戒する必要があります。
正社員登用制度は、結局のところ職場のさじ加減ひとつで、どうにでもできてしまいます。
つまり、最初からそんなつもりがなくても、謳うことで人を集めようとしているかもしれない、ということです。
もちろん中には本当に優秀であれば正社員へ登用してくれる職場もありますが、それまでには長い時間がかかります。
正社員を目指すのであれば、最初からその枠の求人で採用されるよう努力した方が、遥かに合理的でしょう。
派遣の仕事は『利用してやる』気構えでやるべき
派遣の仕事はその仕組み上、ある程度の搾取からは逃れることができないものです。
派遣社員も派遣先の職場も、派遣社員のことは都合のいい労働力の1つとしか見ていないのは、紛れもない事実。
なので派遣社員は、派遣の仕事を「当面の収入源」や「夢や目的」などのために、『利用してやる』という気構えでやるくらいで丁度良いです。
日本においては未だに、派遣の仕事は正社員と比較して下に見られがちな面が多々ありますが、キャリア形成も十分可能です。
決して卑屈にならず搾取だけをされないように気を付けながら、仕事にあたっていきましょう。