次回の契約更新はありません・・・。

派遣社員として働いている以上、この状況に置かれることは珍しくありません。

派遣契約の更新有無は、派遣先の会社にその裁量権があり、様々な理由から更新されないことがあります。

大抵の場合、その通知がされるのは急なことで、派遣会社の担当者から聞かされてショックを受けることに。

そして、なぜ派遣契約が更新されないのかを聞いてみても、いまいち要領を得ず悩みます。

今この記事をご覧いただいているあなたも、そんな1人ではないでしょうか。

本記事では、かつて派遣会社の営業として勤務した経験があり、派遣社員としても勤務した経験のある僕が、派遣社員の契約が更新されない本当の理由を解説します。

派遣社員に知らされる理由は『本当の理由』ではない

【元派遣営業が暴露】派遣社員が『契約更新なし』となる本当の理由5選

まず1つ押さえておきたいのは、派遣社員に知らされる契約が更新されない理由は、基本的に『本当の理由』ではないということ。

大前提として、派遣契約の満了とともに更新せず終了させるのは、派遣先の自由裁量です。

これに対して派遣会社や派遣社員が反対しても、認められることはほぼありません。

さらに派遣会社は、派遣先に対してあまり強く出れないので、派遣先が更新しないと言えばそれに従います。
※派遣会社の派遣先との関係性や、担当者の性格等にもよるので一概には言えません。

そして派遣先が更新しない理由にも、突っ込みを入れることはまずなく、そのまま派遣社員へ伝えるだけです。

つまり本当の理由は明かされることがないまま、派遣社員は契約満了という形で辞めることになるのです。

『更新なし』となる本当の理由

【元派遣営業が暴露】派遣社員が『契約更新なし』となる本当の理由5選

冒頭で申し上げた通り、派遣先が契約の更新をしない理由には、様々なものがあります。

ただ、そのうちのほとんどは、今から解説する5つのどれかに当てはまります。

あなたが更新されなかった当時者の場合、これを読むことでプライドが傷つくかもしれませんが、それでも知りたいという場合は読み進めていただければと思います。

勤怠不良

社会人としての常識である勤怠ですが、派遣社員はこれを守れない人が本当に多いです。

欠勤・遅刻・早退を高頻度でしてしまう人はもちろん更新なしとなりますが、派遣先によっては月に数回の勤怠不良で黄色信号、それ以上あると容赦なく更新はなしとされるケースも珍しくありません。

特にコールセンターなどは、事前に各スタッフの役割や配置を決めており、欠員が出ると組み直しが必要となります。

つまり上長の手間を増やすことになり、心象も悪くなり、そんな人は要らない・・・という話も出てきます。

これは完全に派遣社員の自業自得であり、更新されない理由として挙げられても、記録でそれが本当かは一目瞭然なので比較的分かりやすく嘘のないものです。

パフォーマンスが低い

派遣先の求めるパフォーマンス(結果や成果)を出せない状態が、ある程度続いた場合は更新されないことがザラです。

僕は派遣先で管理職として働いた時期もあるのですが、パフォーマンスが低すぎて更新なしとなる派遣社員をたくさん見てきました。

派遣先もこれを理由にすぐ切ることはしませんが、そのような派遣社員には根気強く長期的なフォローが必要です。

正直なところ、今の世の中のほとんどの会社にはそんな余裕はないので、かなり遠回しに向いてないことを伝えたり、何とか辞めてもらうよう仕向けることも。

派遣社員本人には直接的にパフォーマンスが低いとは伝えませんが、勤怠が問題なく派遣先で人員削減の動きがない場合、更新なしとなる理由はこれである可能性が考えられます。

コストがより低い派遣社員と入れ替え

派遣社員は、1人当たりにかかるコストが、直接雇用に比べて高くなりがちです。

しかし派遣先からしてみれば、コストは少しでも低く抑えたいのが本音。

もし同じパフォーマンスで、人柄も問題なければ、より低いコストで済む人を使うのは当たり前ですよね。

僕の担当していた派遣先でも、この理由で相当な数の派遣社員が契約更新されませんでした。

会社としての生存戦略なので決して間違いではありませんが、この理由が正直に派遣社員に告げられることはまずありません。
※派遣先にいれば雰囲気で分かってしまいますが。

何だかんだ言いつつも、未だに派遣社員は会社の『雇用の調整弁』として、いいように使われる存在なのです。

人間性に問題がある

たとえ勤怠がよく、パフォーマンスにも問題がなくとも、人間性がヤバい人は派遣先からすればリスクでしかありません。

このタイプを警戒している派遣先は多く、ひとたびそれが明るみになれば、派遣先は何とか辞めてもらおうとします。

人間性がヤバい人は改善させるのが難しく、周囲にネガティブな影響を与えたり、顧客からのクレームの原因になるなど、いるだけで良くないことが起こるからです。

普通そういう人は派遣会社がそもそも仕事を紹介しなかったり、派遣先が断りを入れるなどで弾かなければなりませんが、そこを素通りしてきてしまう派遣社員が少なからずいます。

この手の理由が原因で更新されない場合、当然本人にそのまま伝えられることはありません。

もし周囲の人といざこざを起こしていたり、ウマが合わないとか避けられていると感じることがあるなら、人間性に問題ありと見なされて更新なしとなった可能性があります。

派遣先の責任者に目を付けられた

派遣社員の更新有無を最終的に決定するのは、その権限を持つ派遣先の責任者です。

もしこの責任者、もしくは責任者より上の立場など決定に口添えできる立場にいる人の逆鱗に触れた場合、切られることがあります。

僕が派遣社員として働いていた時も実際にあったのですが、そうした権限を持つ人から業務中の私語を注意されて、「そんなうるさいこと言わなくていいのにね。」と、同僚に愚痴った派遣社員がいました。

それが注意した当人の耳に入り怒りを買ってしまい、その派遣社員は更新なしとされてしまったのです。

表向きはどのような理由を付けられたのか分かりませんが、偉い立場にある人の機嫌を損ねると、こうしたことも有り得るのです。

『更新なし』となった後にあなたがすべき行動

【元派遣営業が暴露】派遣社員が『契約更新なし』となる本当の理由5選

理由の追及はしない

どんな理由で更新なしとなったか、真実を知るのはそれを決定した派遣先の責任者だけです。

その『本当の理由』は、派遣社員に知らされることは、まずありません。

仮に追及したところで答えてくれませんし、どんなに納得できなくても決定が覆ることはないです。

もしそれで派遣会社や派遣先と揉めても得することは1つもないので、無駄な追及はやめましょう。

単に自分がその派遣先のニーズに沿わなくなった、というくらいの認識でいるのがベストです。

満了まではしっかり働く

更新なしと知らされると、モチベーションが一気に低下するのは、仕方のないことです。

中にはそれで無断欠勤し、そのまま辞めてしまう派遣社員も少なくありません。

しかし、これをやると派遣会社からも派遣先からも信用を無くし、今後そこに関連する会社で働くことはできなくなります。

世の中に会社は数えきれないほどありますが、思わぬところでその行為が足を引っ張ることもあるので、満了まではしっかり働くことをおすすめします。

次の仕事を探すことに全力を向ける

更新なしとなった時、「なぜ自分が」とか「何であいつは更新されるんだ」などと思うかもしれません。

ただ、どれだけ考えてもどうにもならないので、それよりも次の仕事を探すことに全力を向けましょう。

既に中長期的なキャリアプランなどがあれば別ですが、特になければまずはそこから考えても良いでしょう。

キャリアプランとは、簡潔に言うと「自分が仕事を通してこれからどうなっていきたいか?」というビジョンのことです。

1人でキャリアプランを考えていくのは難しいので、専門のサービスを活用することをおすすします。

このサービスについて、以下の記事で詳しく解説していますので、良ければあわせて読んでみてください。

派遣社員の契約更新の保証はない

【元派遣営業が暴露】派遣社員が『契約更新なし』となる本当の理由5選

契約が更新されず打ち切りとなるのは、派遣社員でとして働いている以上、ある種の宿命です。

理由が何であれ、更新の有無は派遣先のさじ加減1つで決まってしまうので、こちらでどうにかできるものではありません。

何かが起きたり情勢が変われば、当初は更新される予定と言われていたのが、ひっくり返ることもザラにあります。

そのため、今後も派遣社員としてやっていくなら、こうした事態を迎える可能性が常にあることは、覚悟しておく必要があります。

それが嫌なら正社員として働くのが、現状では最も安心でしょう。

雇用が不安定な分、責任が限定的でライフワークバランスが取りやすく、心身と時間に余裕を持てるのが派遣社員です。

そのメリットとデメリットを比較し、今の自分に本当に派遣社員の働き方が合っているか、人生の折目で適宜考えていくとよいでしょう。