社会人として働いていると、業績や仕事ぶりを評価されます。評価が良ければ、昇給や昇格に繋がり、やがては管理職や更に上の地位に就くことも可能です。

しかし、評価とは、業績や仕事ぶりが悪い場合にも下されるもの。業績などが思うように残せないと、左遷や降格になってしまうことも十分起こり得ることです。

もし、左遷をされてしまった場合、どうすれば良いのでしょうか?今回は、「左遷」をテーマにして、左遷という言葉の意味や定義、左遷された場合の対処法や左遷から復活する方法などをご紹介していきます。

「左遷」の意味や語源は?

「左遷」というと、良くないこと・悪いことといったイメージをお持ちの方が多いと思いますが、どのような状況のことを「左遷」というのでしょうか?
まずは、「左遷」という言葉の意味や定義について確認していきたいと多います。

「コトバンク」では、「左遷」について、「前より低い地位や官職にうつすこと。左降。(※1)」と解説されています。つまり、ある程度の地位や役職に就いていた人が、降格させられて以前よりも低い地位や役職に就く状態を、左遷と表現するというわけです。

ちなみに、語源は中国の文化だそうです。その昔、中国では右側が上位と考えられていました。その歴史が、「左遷」という言葉の語源となったと言われています。

「左遷」の対義語について

ところで、「左遷」という言葉の対義語は、どのような言葉になるのでしょうか?上記でもご紹介したように、左遷とは、地位や役職に就いていた人が、以前よりも低い地位や役職に就くことになった状態を意味する言葉です。そんな左遷の対義語ということは、地位や役職が上がることを意味する言葉になりますね。

地位や役職が上がることを意味する言葉はいくつかありますが、一般的には「左遷」の対義語は「栄転」という言葉だとされています。「栄転」とは、「今までより高い地位・役職に就くこと。転任をいう尊敬語としても用いる(※2)」言葉です。

左遷の対義語は栄転なので、間違っても「右遷」などと表現してしまわないようにしましょう。

左遷された!と感じる人事異動

人事異動の季節になると、多くの人が良くも悪くもドキドキするものだと思います。地方支社などがある企業だと、人事によっては転勤や引っ越しも考えなければならない為、会社の人事異動が自分の生活や人生に大きな影響を与えることもある程です。人事異動の中には、明らかに栄転や昇格を連想させる内容の場合もありますが、反対に左遷を連想させる人事異動もあります。

では、どのような人事異動が、左遷を連想させるものなのでしょうか?以下で、左遷を連想させる人事異動の特徴やパターンを見ていきましょう。

左遷を連想させる人事【1】:降格

部長から課長に降格など、役職や肩書きが降格している場合は、連想というよりも明らかな左遷と考えられるでしょう。ある意味、最もシンプルな左遷とも言えるかもしれません。後述で、その他の左遷人事についてもご紹介しますが、場合によっては単に降格するだけでなく、支社や部署が変わった上で降格する場合もあります。

しかしその場合は、新しい部署の業務内容における経験の問題や、異動先の部署の人材などの関係上、肩書きを変えざるを得ないケースもあるので、一概に左遷や降格というわけではない可能性も考えられます。

左遷を連想させる人事【2】:地方や海外へ転勤

大企業などの場合は、日本全国は勿論、海外にも支社を展開していることもあります。支社や支店などを展開している企業の場合は、本社から地方の支社に異動となることもあり、転勤・引っ越しをせざるを得ないことも。転勤となると、生活がガラッと変わってしまうので、人事異動の季節にドキドキしてしまう原因の1つかもしれませんね。

勤務地が変わる場合も、一概に左遷とは断定できません。例えば支社や支店の経営を自分に委ねられるなどの人事の場合は、かえって栄転と言える人事である可能性も考えられます。

しかし、やはり本社を中心に動いている企業が多いので、地方や海外の支社・支店に異動となった場合は、左遷である可能性もゼロではありません。勤務地の変更以外にも、役職や地位、業務内容にどのような変更があるのかに注目することで、左遷人事かどうか判断しやすくなるでしょう。

左遷を連想させる人事【3】:人事異動がなかった

人事異動がなかった以上、今までと地位や役職などは変わらないので、左遷や降格というわけではありません。
しかし、昇格や栄転が期待されている状況で特に何の変更や異動もないと、期待を裏切られたように感じる方は多いでしょう。

また、同期が栄転・昇格している中、自分だけ何もなかった場合、左遷や降格と同じように感じる場合もあると思います。

左遷を連想させる人事【4】:業務内容の変更

地位や役職、勤務地に変更がなくても、自分が担当していた業務を取り上げられたり、プロジェクトから外されたりといった人事もあります。

地位や役職が変わるわけではないので、左遷とまではいきませんが、担当していたものから外されるのは、当然良い気がしませんよね。

しかし、場合によっては、これまでの担当していた業務やプロジェクトから外れて、新しい業務やプロジェクトを任されることもあります。その為、担当業務やプロジェクトを取り上げられたとしても、左遷人事ではない場合も考えられます。

どうすれば良い!?左遷された時の対処法

左遷されてしまうと、精神的にもショックを受ける方は多いと思います。また、左遷によって給与が減ったり待遇が変わったりすると、日常生活まで大きな打撃を受けることになってしまいます。

もし左遷されてしまった場合、どのようにして立ち直れば良いのでしょうか?続いては、左遷されてしまった時の対処法や立ち直り方をご紹介していきます。

左遷された時の対処法【1】:理由を聞く

左遷人事に対して納得ができないと、いつまで経ってもイライラしたり落ち込んだりしてしまいます。人事に対して納得ができないのは、理由を説明されていない為である場合も考えられます。

ですから、なぜそのような人事になったのか、理由を上層部や上司に聞いてみるのも、1つの方法です。理由を聞くことで納得できるかもしれませんし、実は自分の業績などには関係がない事情が裏であって、本当は左遷ですらないことが判明するかもしれませんよ。

もし、左遷だったとしても、どういった点が左遷人事に繋がったのか知ることで、改善していったり目標にしたりできます。新たな目標を持つことで、落ち込んだ気持ちを払拭したり、新しい環境で頑張っていこうと気持ちの整理がついたりすることもあります。

左遷された時の対処法【2】:結果を出す

何だかんだ言っても、世の中数字や結果が全てといった風潮はありますよね。人事もまた、数字や結果によって判断される場合があります。もし、左遷されたら、それまでの数字や結果が良くなかったと割り切るのも1つの立ち直り方です。努力や過程も評価の要素の1つではありますが、やはり最終的には数字や結果が物を言うケースもたくさんあります。

ですから、左遷されたら、いつまでも落ち込んでいるよりも、異動先で結果や業績を残すことに励みましょう。左遷されたのも数字や結果が原因であれば、業績を残すことで再び復活できる可能性も大いに考えられます。

また、「新しい部署や異動先で結果を残そう」という目標を持つことで、落ち込んだ気持ちを切り替えることもできるはずですよ。

左遷された時の対処法【3】:会社のせいにしない

左遷されると誰でもショックを受けるものですが、その気持ちを引きずってしまうのは、仕事においても私生活においても、良いことではありません。左遷されたショックを引きずらずに、潔く認めて新たな目標を見つけることが大切なのです。

しかし、なかなか気持ちが切り替えられない人も少なくないと思います。気持ちの切り替えが上手くいかない人の中には、「自分を評価しない会社が悪い」「どうして自分にだけ、会社は左遷したんだろう」と、会社や上層部に対して不満を抱く人もいるようです。

ですが、そもそもその企業に属して働くことは、その企業の売上や業績に貢献することになります。勤務先や所属している企業に対して不満を抱くことで、本来の働くことの目的に対して、大きな矛盾が生じてしまいます。

そのような状態で働き続けても、仕事に集中できませんし、結果を残すことも難しいと考えられます。その為、どうしても気持ちが切り替えられない時は、視点や考え方を変えて、左遷した会社に対する不満を捨ててみることをおすすめします。

左遷から復活する方法

上記では、左遷によりショックを受けた時の立ち直り方をご紹介しましたが、実際にキャリアとして左遷から復活したい場合は、どうすれば良いのでしょうか?年齢や左遷の内容、状況にもよりますが、左遷からの復活には、人間関係やコネが大きく関係する場合もあります。

例えば、以前共に仕事をしたことがある上司や先輩が、人事に影響を与える立場にいる場合などは、左遷からの復活のチャンスです。その上司や先輩と上手くコミュニケーションを取ることで、次の人事で復活することが可能になるケースもあり得ないことではありません。

また、企業側が業務以外の面で付加価値のある社員を引き抜くケースもあります。女性の社会進出や、男性の育児休暇取得など、社会に対して企業の福利厚生や姿勢をアピールする為に、特定の環境の社員を引き抜く人事を行うこともあるのです。もし、企業がそのような姿勢をアピールしており、また企業がアピールしたい条件に自分も当てはまる場合は、その機会を逃さないようにしましょう。

左遷されたら、新しい目標を見つけよう!

いかがでしたでしょうか?今回は、「左遷」をテーマにして、左遷の意味や定義、左遷人事の特徴や左遷された時の対処法などをご紹介しました。これまで身を粉にして働いてきたにも関わらず、左遷を言い渡されたら、誰でも傷付き落ち込むものです。

しかし、落ち込んだ気持ちをいつまでも引きずるのは、仕事としても私生活としても、避けた方が良いでしょう。左遷されたら、まずは新しい目標を見つけ、アクションを起こすことが大切です。左遷の理由を上司などに尋ねることも、アクションの1つです。理由を明らかにしたり、新たな目標を見つけたりすることで、落ち込んだ気持ちを払拭し、復活に向けて動き出すことができます。

上記でもご紹介したように、左遷をされても、キャリア的に復活をすることは可能です。ですから、左遷をされたからと言っていつまでも落ち込むのではなく、左遷から復活できるよう、さまざまなアクションを起こすことが大切です。