どのような仕事でも不可欠となってくるのがスキルです。
スキルとは、教養や訓練を介しながら得ていく能力で、「技能」とも呼ばれます。生まれ持った素質た才能もあえりますが、時間を掛けて技術をプラスしながら磨きあげます。
そのスキルの中でも一生通じて欠かすことができないとされる分野、それがヒューマンスキルです。今回はヒューマンスキルについての特集です。
ヒューマンスキルとは?ヒューマンスキルの重要性
ヒューマンスキルが重要とされる理由は、どの分野や職種、チームや組織であっても、必ず求められるスキルだからです。
ある企業に定着しながらなるべく長く雇用される場合、新たに顧客を獲得する場合など、ヒューマンスキルの質と見極めによってキャリアアップにも関わったり、当事者本人の人生そのものにも影響があるので、とても重要な要素となります。
ヒューマンスキルが注目された背景
ヒューマンスキルが求められている理由の一つは、環境への対応が関係しています。ビジネスを取り巻く環境変化に敏速な対応ができる人材こそ、どこの企業や組織も求めています。
その中で、必ず一貫して普遍な流れやセオリー、目には見えない関係性を気づくために大切なスキルなのがヒューマンスキルだからです。つまり、いつどこに自分が立っても、共通してスキルアップできて良好なビジネスライフを送るために欠かせない能力です。
ヒューマンスキルの具体例10選
ヒューマンスキルとは、人間性を仕事の現場で発揮することという大まかな印象が持てるのですが、そこにはどのような方法やテクニックが横たわっているのでしょうか。ここではさらに具体的なヒューマンスキルの内容についてご紹介します。具体策は全部で10個に大別できます。
ヒューマンスキルの具体例1:リーダーシップ
ヒューマンスキルの一例として「リーダーシップ」があげられます。これは、組織を引っ張って先導する能力のことを言います。リーダーシップこそが、最終的に求められる統合した能力だとも言われています。
決断力や責任感の強さが加わり、誰かに頼られながら相互理解し合うために必要です。ビジネス上では、プロジェクトの成功、メンバー間の精神的なサポートなどに発揮するスキルです。
ヒューマンスキルの具体例2:交渉力
ヒューマンスキルの中の一つに「交渉力」があります。組織と組織のあいだに立ったり、個人同士両者の意見交換をスムーズに行うための能力です。交渉力があることで、意思疎通を円滑にさせることが可能です。
時折、意見の主張をし合って議論する両者は一方通行になりがちです。決まるものも決まらない事態に陥っていきます。そこで、相手の意思を読み取り、それに対しての落としどころや相互理解できる場所を考えるために必要です。
ヒューマンスキルの具体例3:論理的思考
「ロジカルシンキング」という表記でも最近では注目されています。論理的思考ができる能力とは、感情的になって誤った判断をし、先を見据えないいまどきな優先方法を取ってしまう時に欠かせません。
一度冷静な判断に基づきながら、客観的視点でものごとを分析するような能力は重要となってきます。論理的思考はトラブル回避やベストな選択をする際に発揮する能力です。
ヒューマンスキルの具体例4:ヒアリング力
ヒアリング力とは、相手の話すことに耳を傾けて深く理解する能力のことを指します。自ら発言しているだけでは良い関係性ではありません。相手のことをしっかりと理解しようとする意志を表明すること、そのためには相手の言葉に耳を傾けなければなりません。
複雑な議論になればなるほど丁寧に耳を傾け、相手の場を尊重する重要なヒューマンスキルと言えます。
ヒューマンスキルの具体例5:コミュニケーション
コミュニケーション力は、人間関係を維持させるスキルです。あいさつをしたり会話をすることで、その場を和やかにできます。しかし必ずしも他人と積極的に関わることがすべてではありません。世の中には色々な性格や趣味趣向を持った人々が犇めいています。
ただ単に仲間でなければいけないという偏った考え方は、コミュニケーション能力に欠けます。一人ひとりと適切な接し方ができることが、本当のコミュニケーション力です。
ヒューマンスキルの具体例6:プレゼンテーション
ヒューマンスキル上でのプレゼンテーション力とは、商談や組織の意思疎通を図る時に、自分の意思を的確に伝えて相手を動かす能力のことです。これは前述した交渉力とも関係します。
自分の意見を正しく伝えるため、その目的やメリット・デメリットなども端的に述べることになります。ヒューマンスキルの中では、最も実務性の高さがあり訓練が必要な能力とも言えます。
ヒューマンスキルの具体例7:調整能力
ヒューマンスキルの中での調整能力とは、他者の意見どうしの妥当点を提案できて、納得させるスキルのことを指します。近年ではファシリテーション能力と類似しているスキルです。
人間関係がいくら良好だとしても利害関係があったり、個人としてのプライド、それに誰かと誰かを比較するということを無意識に行ってしまいます。その中で意見の一致点を抽出し明確にするスキルは、ヒューマンスキルそのものと言えるでしょう。
ヒューマンスキルの具体例8:コーチング力
コーチング力とは、ビジネスの現場での部下育成を指します。部下が能力を最大限に発揮できるためのアイデアを駆使します。もし悩みがあれば聞き、長所を伸ばすためのサポートをしていくためのスキルです。
ティーチングとも混同されますが、ティーチングは一方的に「教える」ことに注力しますが、コーチングは「相手が気づくよう仕向ける」ためのスキルです。あくまでも、本人が自発的に能力を発揮するようにします。
ヒューマンスキルの具体例9:動機付け
動機付けは、ヒューマンスキルの中のコーチング力とも関係が深く、相手の意欲を引き出す能力のことを指します。
主に、若手へのマネジメントの際に発揮されます。今ではフィードバックを交す上下関係が多い中、頭ごなしで感情的に言いつけてしまうとパワハラと認定され問題化します。目標達成に向けて、何をどうすれば達成できるのかを誘導させることに関わる能力です。
ヒューマンスキルの具体例10:セルフマネジメント
特に社会人経験2~3年経たスタッフなどには、自分を管理するセルフマネジメントスキルが大切です。アンガ-マネジメントなどが注目される昨今です。怒りやマイナスの感情は周りの人たちへ悪影響を与えかねません。
自分のことは自分で管理し、周囲と関わらなければやっていけない時代だとされています。自分をマネジメントできていない人物に、総括したマネジメントができるわけがありません。セルフマネジメントスキルも大切なヒューマンスキルの根幹です。
マネジメントに重要なヒューマンスキル以外の2つのスキル
ヒューマンスキルは、アメリカで誕生した「カッツ理論」の中の一つです。ハーバード大学の経営学者ロバート・カッツが提唱した理論で、ビジネススキルと人材の関係性について言及しています。カッツ理論の中には、ヒューマンスキル以外に2つのスキルも紹介しています。
テクニカルスキル
カッツ理論の中の一つに「テクニカルスキル」があります。これは別名で「業務遂行能」「業務知識」とも呼ばれています。
経理担当者にとっては会計財務の専門知識が必要ですし、IT関連のエンジニアならプログラミング能力が必要です。ヒューマンスキルとは対極に位置し、その分野での技能に特化しているスキルのことです。
コンセプチュアルスキル
カッツ理論の中の「コンセプチュアルスキル」は、概念化能力とも呼ばれています。これはものごとを概念化・抽象化して考えていくスキルです。
ビジネス上などで複雑な問題が生じた場合などには、その本質を理解して的確な意思決定を下す必要性があります。コンセプチャルスキルは、ものごとの根底にある概念を見直して、それをいかに現場で正しく利用できる形にするかが問われる能力です。
ヒューマンスキルについて知ろう
以上、ヒューマンスキルについての詳細をご紹介しました。このスキルは単なるスキルの一つということではなく、他のスキルとの組み合わせで相乗効果が出ます。とは言いつつ、ヒューマンスキルとは、人間が生きる上での総合力でもあります。
それ一つを発揮するだけでも、十分に自分の能力を最大限に活かせるのも魅力です。どこに行っても自分の味方になる、そんなヒューマンスキルを日々磨いていきましょう。