面接時、面接官が「座右の銘」を聞いたとき、面接官は「何を見ているのか?」「何を知りたいのか?」を解説していきます。

そして、回答例を交えて、面接官に好印象を与える「座右の銘」は、「どういうものがあるのか?」を紹介していきます。

面接で座右の銘を聞かれたら

面接で面接官によく聞かれるのが座右の銘です。その場で自分の座右の銘を考えるのは、ご法度です。殆どの人は、座右の銘を用意していますが、大事なのは、どういう理由で、面接官は、座右の銘を聞いてくるのか、察することです。今回は、面接で座右の銘を聞かれた時の、ポイントや注意点について、例を交えて解説していきます。

面接中にその場で悩んだりしないように、座右の銘に対するこころ構えや準備、答え方などに役立てましょう。

面接時面接官は表情や反応を見ている

面接時に面接官が見ているのは、あなたの表情や反応です。予期していないことが起こった時、あなたがどういう反応をするのかを見ています。つまり、面接時に聞くことは、座右の銘に限らず、好きな言葉でも名言、格言、何でも良いのです。見たいのは、予期せぬことが起こった時のあなたの人生の履歴で、あなたの表情や反応から人生の履歴を読み取ろうとしているのです。

面接で座右の銘を聞かれても大丈夫

座右の銘を聞かれて、しどろもどろになるのは、準備と心構えが出来ていないからです。しっかりと、面接前日に、準備と心構えが出来ていれば大丈夫、なにも恐れることはありません。座右の銘は面接で聞かれることも多く、使い回しができるので、しっかりと自己分析して、自分の座右の銘を用意しておきましょう。

そもそも座右の銘とは?

そもそも座右の銘とは、何でしょうか?座右の銘とは、常に自分の心の中に残しておいて、軸となる戒めや信条です。その言葉の由来は、昔の中国の位の高い人が、自分の席の右側に置いて自らを律する言葉であったが、後に一般の人々が、自分の傍において自分を律する名言となったとされています。面接における座右の銘も、あなたを律する戒めや信条の答え方を知りたいのです。

「座右の銘」を聞いた面接官は何を見ているのか?

「座右の銘を聞かれて、何を答えたら良いか?」と悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか?大丈夫です。正解なんかありません。面接時に面接官は何を見ているかというと、「どの座右の銘を答えるか?」ではありません。面接官が見ているのは「論理的思考」「主体性」「コミュニケーション能力」の3点です。

つまり、「何の座右の銘を答えるか」は、それほど重要ではないのです。面接時に面接官が見ているのは「座右の銘」に対する、あなたの「論理的思考」と「主体性」と「コミュニケーション能力」の答え方をみているのです。以下にくわしく解説していきます。

座右の銘に対する面接時の「論理的思考」

面接時、面接官に「座右の銘」を聞かれて、答えなければいけない答え方は、「その座右の銘に対する自分の論理的思考」を見せる答え方です。面接官は、その座右の銘に対する自分の考えを「順序だてて、論理的に、言葉で説明できる答え方」を、チェックしています。あなたという人が、座右の銘を通して、「論理的思考ができるか?」という、人生の履歴を見ているのです。

もし、順序だてて話す、文章構成に自身がないのでしたら、小説などの本を読んでみましょう。殆どの本は、文章構成が完璧で、論理的に説明しているので、自分の興味のある分野から、入ってみるといいでしょう。

座右の銘に対する面接時の「主体性」

面接時、面接官に「座右の銘」を聞かれて、答えなければいけない答え方は、「その座右の銘に対する自分の主体性(考え、意思)」です。自分で問題を見つけ、その問題に対する自分の捉え方を見ています。その座右の銘に対する、「今までの生き方から、どう取り組んで、その座右の銘にたどり着いた答え方」を見ています。

大事なのは、今までの生き方に対する、「自分の姿勢」であり、「取り組み方」の履歴です。それをどのように伝えるかの答え方が大事です。

座右の銘に対する面接時の「コミュニケーション能力」

面接時、面接官に「座右の銘」を聞かれて、答えなければいけない答え方は、特に大事なのが、「コミュニケーション能力」です。面接官に「座右の銘」を聞かれているのに、「座右の銘」を答えないで、座右の銘と関係無い事を答え方をしたら、論外です。

それは、座右の銘を通して、あなたという人生の履歴に、コミュニケーション能力が無いと判断されて、一番まずい答え方になります。まずは何でもいいので「座右の銘」を答えましょう。

なぜ面接官は座右の銘を聞くのか?

面接官が座右の銘を聞くのは、あなたの今までの生き方の履歴を知りたいのです。あなたの今までの生き方の履歴を知るためのツールとして、座右の銘の答え方を聞こうとしているのです。

そのためにも、美辞麗句を並べ立てるよりも、あなたがいままで体験してきたことを交えながら、実体験を通して導き出した座右の銘の答え方を、伝えるようにしましょう。面接官は、その実体験を通して得た、座右の銘に対するあなたの具体的な考え方の履歴や応え方を知りたいのです。

面接で気を付けないといけないこと

面接で気を付けないといけないのが、個性を出そうと思って、服装に個性を出そうとすることです。大事なのは、面接で個性を出さなければいけないのは、外見の個性ではなく、中身の個性です。特に、デザイナーや美容系のような、外見にこだわる職種でないのならば、服装はリクルートスーツがいいでしょう。

履歴書で記入した座右の銘を面接時も答えていいのか?

面接官が知りたいのは、「言葉で説明できるか?」ということです。たとえ記述と同じ内容を答えても、大丈夫です。ただし、記述では伝えきれない部分を、口頭で補足して、面接官に十分に伝えられるようにしましょう。

「なぜ、その座右の銘を選んだのか?」、「どういう経験からその座右の銘に至ったのか?」を、エピソードを交えながら口頭で説明しましょう。体験やエピソードを交えることで具体的になり、その座右の銘を選んだ、説得力が生まれます。

面接で座右の銘を聞かれた時にやってはいけない回答例

①座右の銘を答えない

面接官に座右の銘を聞かれているのに「座右の銘」を答えないのは、一番いけません。それだけで、「コミュニケーション能力が無い」と判断されて、落とされてしまいます。面接は、面接官とのコミュニケーションであり、会話のキャッチボールです。まずは、聞かれたことに答えましょう。自分の言いたいことを答えるのではなく、相手の知りたいことに答えるようにしましょう。

②座右の銘を最後に答える

面接官に座右の銘を聞かれているのに、永遠と自分の考えや意見を話して、最後に座右の銘を答えるのもよくありません。会話は、文書構成も大事で、文章の順序も大事な項目の一つです。その場合は、面接官に座右の銘を聞かれているので、最初に座右の銘を答えてから、その座右の銘に対する自分の考えや意見を言うようにしましょう。順番を変えるだけで、伝わりやすさが変わります。

③座右の銘だけを答える

面接官に聞かれた、座右の銘だけを答えるのもよくありません。面接は、会話であり、コミュニケーションです。面接官は、座右の銘を知りたいのではなく、面接を通して、あなたの考えや人となり、人生の履歴を知りたいのです。面接という短い時間で、あなたという人生の履歴をアピールするには、面接官と会話して、コミュニケーションをとらないといけません。

普段から意識して、自分の考えを自ら伝える主体性やコミュニケーション能力を身につけるようにしましょう。普段から意識することで、飛躍的に高まります。

④「特にありません」はNG

面接は、コミュニケーションの場です。面接時に座右の銘を通して、あなたという人生の履歴を知ってもらうことで、面接官とコミュニケーションがとれ、あなたという人をアピールできます。それなのに、「特にありません」では、コミュニケーションが取れず、アピールのチャンスを失ってしまいます。もし、本当に座右の銘が無いのなら、最低1つは無理にでも用意しましょう。

面接時の好印象な座右の銘の回答例

回答例①一期一会(いちごいちえ)

意味:この出会いは、一生に一度の出会いのつもりで誠意をつくすということ。茶道に由来する日本のことわざ・四字熟語。お茶会に望む時は、この会で、そこにいる人々(主、客お互い)とは、一生に一度の出会いであるという気持ちで望む心構え。

「座右の銘は一期一会です。部活のサッカー部を通して、一期一会の意味を知りました。サッカー部の監督に会い、師事を仰ぐことで、多くのことを学び、人の出会いによってこれほど、自分の考え方や人生観が変わることを知りました。この出会いを通し、出会った人に一生に一度の出会いのつもりで、礼儀を忘れずに接するようになりました。」のように回答するのがおすすめです。

回答例②継続は力なり

意味:何事においても継続するには、努力と忍耐が必要であり、継続して努力していれば、やがては努力が力になるということ。

「座右の銘は、継続は力なりです。学生生活の中学生から10年間、テニスを続けたことで、高校生の時には県大会で3位までになりました。中学生の時、一時期伸び悩んだのですが、諦めずに高校生でも続けたことで、県大会で3位までになれたのだと思います。やはり、諦めずに継続したたことが力となったのだと思います。」のように回答するのがおすすめです。

回答例③初志貫徹(しょしかんてつ)

意味:初めに心に決めた志を最後まで貫き通すこと。「初志」は最初に思った願望、「貫徹」は最後まで諦めずに継続すること。

「座右の銘は、初志貫徹です。学生時代、私は中学生の時に英語が苦手でした。そこで、高校入学時に毎日、英語を1単語、覚えることを自分に課して、それを高校生活3年間続けました。そのかいあって、すっかり英語が得意になり、大学入学試験で、英語が得意科目の武器になりました。この経験から、私の座右の銘は、初志貫徹です。」のように回答するのがおすすめです。

回答例④燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや(えんじゃくいずくんぞこうこくのこころざしをしらんや)

意味:秦の始皇帝に反乱(呉広の乱)を起こした陳勝の言葉。「つばめや雀などの小鳥におおとりの志がわかってたまるか」という意味で、転じて「少人物に大人物の大きな志(大義)がわかるわけがない」という名言です。
 

「私の座右の銘は、『燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや。』です。学生時代に公認会計士の資格をとりたいという志を持ちました。まわりの大人には、『公認会計士の資格はむずかしいから、お前には無理だ』と言われましたが、どうしても取りたくて、大学生の時に、猛勉強をして、公認会計士の資格を取ることができました。

そこで、まわりの人にどんなに、『お前には無理だ』と言われても、自分の大きな志があれば、どんな困難でも、克服できると学びました。この経験から、私の座右の銘は『燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや』です。」のように回答するのがおすすめです。

回答例⑤臥薪嘗胆(がしんしょうたん)

意味:目的を達成させるために、苦労して努力をすること。中国の春秋戦国時代(しゅんじゅうせんごくじだい)の呉王(ごおう)夫差(ふさ)が父の敵である越王(えつおう)句践(こうせん)を倒すために、その思いをわすれないように薪(たきぎ)の上で寝て、自らに痛みを課し、またその後夫差に破れた勾践が、その悔しい思いを忘れないために、苦いキモを舐めて復讐を誓った様。

「私の座右の銘は、臥薪嘗胆です。大学生1年生の時、私は学年で2番で、ライバルに主席の座を取られました。その時の悔しい気持ちを忘れないために、毎朝座らず、立って通学していました。その後の猛勉強もあり、翌年に主席の座を奪い取りました。この時に、負けたらその時の気持ちを忘れず、力に変えてその次で勝利する経験を学びました。」のように回答するのがおすすめです。

回答例⑥急がば回れ

意味:多少手間がかかったり、遠回りしても、危険が伴う近道を進むより、安全確実な道を進んだほうが、結局は早く目的地に着くということ。

「私の座右の銘は、急がば回れです。私は高校生時代、英語が苦手でした。勉強しても成績が上がらず、悩んでいました。そこで、英語の苦手意識は、中学生の英語でつまずいたことを思い出し、中学時代の英語の教科書をひっぱり出し、中学英語を学び直しました。そのかいあって、英語の成績がみるみる上がり、いまでは得意教科です。」のように回答するのがおすすめです。

面接で座右の銘を聞かれたら仕事にどう活かすのかを回答しよう

繰り返しになりますが、面接官は何の理由もなしに「座右の銘」を聞いているのではありません。座右の銘を通して、あなたというものの考え方や行動指針、人生の履歴などの答え方を知りたいのです。例え、本当は好きな座右の銘がなくても、何か回答できるように、様々な手段で、1つぐらいは回答できる座右の銘を用意しておきましょう。

社会に出て、いろいろな人やいろいろな考え方を持った人に出会う中で、面接対策のためではなく、きっと自分にあった座右の銘がみつかるでしょう。それを、仕事にどう活かすか?を伝えれば良いのです。

そもそも面接とは何か?

結局のところ、面接はあなたという商品の売り込みです。今までの人生の履歴から、体験や経験などの例をまじえたエピソードを話すことで、あなたという商品を、いかに価値有るものだということをアピールするための時間です。

つまり、座右の銘でも名言、格言、好きな言葉、いろいろ聞かれますが、あなたがしなければいけないのは、あなたという商品をいかに価値あるものなのかを伝える必要があります。例を交えることで、より具体的になり、面接官に伝わりやすくなります。

自分にあった座右の銘の調べ方

自分にあった座右の銘の調べ方には、いろいろあります。ネットで「座右の銘 面接」と検索をかけ、解説を読みながら、自分にあった座右の銘を見つけるのも一つの方法です。他に、座右の銘に関する本を読んで、複数の座右の銘から、共感できる座右の銘を探すのも、もう一つの方法です。

座右の銘を知って面接対策もばっちり

これで、座右の銘を知って、面接で聞かれても大丈夫。面接対策も万全です。何も恐れる必要はありません。あとは、面接時にすらすら答えられるように、家で練習してみましょう。

最後に、すらすら答えられるようになったら、家族か友達に協力してもらい、人を目の前にして、座右の銘を答えられるようになったか、チェックしてもらいましょう。これで、面接対策もバッチリです。