毎日忙しい生活を送っていると、身体だけでなく心が疲れた状態になることはありませんか?

「心が疲れた」と感じるのは、ストレスが溜まっていることを知らせるサインなのです。心の疲れの原因と対処法を知って、ノンストレスな人生を送りましょう。

心が疲れた…と感じるときはありませんか?

日々ストレスを抱えていたり、仕事や恋愛にぐったりすると「疲れた」と感じてしまうでしょう。

身体が疲れたと感じる「肉体疲労」は休息を取れば回復できますが、心が疲れたと感じる「精神疲労」を回復させるには時間がかかります。

そこで今回は、心が疲れたと感じる原因や心理、対処法をご紹介します。

心が疲れたと感じてしまう原因・心理とは

「心が疲れた」「生きるのがしんどい」と感じてしまうきっかけは様々ですが、多くの場合はストレスが関係しています。

そもそもストレスとは、「外部の刺激を受けたときに発生する緊張状態」のことです。

「緊張した場面が続く映画を見ていたら疲れてしまった」という経験は誰にでもあるでしょう。

集中と緊張は精神をすり減らす行為なので、長く続くと「心が疲れた」と感じるのです。

ここからは、毎日の生活の中で心の疲労を感じてしまう場面や原因、心理について詳しく解説していきます。

自分の時間がない

入ったばかりの会社での仕事や初めての育児など、慣れないことに戸惑って一生懸命になっていると、あっという間に一日が過ぎていきます。

毎日を必死にこなすだけの日々を続けていると、どんどん自分の時間がなくなってしまうでしょう。

その結果、趣味やゆとりの時間を持つことが出来ず、心が疲れたと感じながら毎日を送ってしまうのです。

栄養バランスが偏っている

日常的に身体や心が疲れたように感じている人は、食事の栄養バランスが偏っている場合もあります。

ファストフードで済ませることが多かったり、ダイエットのために極端な食事制限をしていると、脳に必要な栄養素が不足してしまいます。

すると頭がボーッとしたり、仕事や家事をやる気が起きないことが多いため、日常生活をしんどいと感じてしまうのです。

周囲からのプレッシャー

大きな仕事を任されると、「期待されている」という嬉しさがある反面、プレッシャーが重くのしかかります。

「期待に応えなければ」「失敗できない」と、どんどん自分を追い詰めてしまうのです。

周囲だけでなく自分からも必要以上にプレッシャーをかけてしまうことが原因で、心が疲れたと感やすくなります。

恋愛に振り回されている

気持ちの浮き沈みが激しい相手と恋愛をしていると、常に心が疲れた状態になってしまうでしょう。

お互いに依存し合う「共依存」の状態に陥ると、相手といるのがしんどいと感じても「離れるわけにいかない」と我慢してしまうようになります。

結果として、相手に振り回される日々が続き、自分でも気づかないうちにストレスが蓄積されてしまうのです。

心が疲れた時に現れる予兆・サインとは

肉体疲労にはすぐ気づくことができても、精神疲労は自分では気づけないことがあります。

心が疲れた時に現れる予兆やサインについてご紹介しますので、ここで当てはまるものがないかチェックしてみるのがおすすめです。

ただし、心の疲れはその他の原因と複合的に関わっている場合もあるため、他の可能性も考慮しながら参考にしてください。

些細なことにイライラする

仕事上のちょっとしたミスや、普段は気にも留めないことにイライラすることはありませんか?

女性は生理周期の関係でホルモンバランスが崩れることがあるため、一概に心の疲れが原因とは言えません。

しかし、今までなかったようなストレスを感じたり、イライラが他人ではなく自分に向かっているなら、心が疲れたサインの可能性があります。

寝つけない・眠りが浅い

心が疲れた時はストレスが増幅されているので、不眠に代表される「睡眠障害」が起きやすくなります。

ストレスが生み出す緊張状態は、眠りやすさ・眠りの深さに関係しているため、深くゆったりと眠ることができません。

「なかなか寝つけない」「眠りが浅くてすぐに起きてしまう」といった状況が続くのはしんどいものです。

身体が疲れているのに思うように眠れない場合は、心が疲れたサインと考えましょう。

集中力が続かない

仕事やスポーツで集中力を発揮するには、体調や環境だけでなく心も整えなければなりません。

悩み事や気がかりなことで心が疲れた状態では、集中力を保つのが難しくなります。

やるべきことに集中しようと思っても他のことに気を取られてしまう、という場合は心が疲れている可能性が高いのです。

食欲がないor食欲過多

心が疲れた時に大きく影響するのが食欲で、なにも食べたくないと感じたり、逆に食欲が止まらなくなる場合もあります。

また、「同じ物ばかりを食べてしまう」「急に特定の料理が嫌になった」というケースも心理的な原因が多いのです。

今までと比べて明らかに食事量が変わるのはストレスがかかりすぎている証拠なので、心が疲れたサインと言えます。

ふいに逃げ出したくなる

仕事や育児など毎日忙しい生活を送る中で、ふいに逃げ出したくなったことはありませんか?

人は強いストレスがかかると、自分の身や心を守るために防衛本能が働きます。

心が疲れた状態を本能的に「危険」と判断し、逃避行動を取ろうとする心理が生まれるのです。

「逃げたい」と思うのは心が発しているSOSのサインなので、無理せず休息を取るようにしましょう。

心の疲れを解消するための5つの対処法

心が疲れたと感じる時にいちばん大切なのは、しっかりと休養をとることです。

まずは身体の疲れを取り、その上で心の疲れを癒やしていきましょう。

心が疲れた時に有効な対処法を5つご紹介します。

眠りやすい環境を整える

睡眠は身体だけでなく気持ちを休める時間なので、心が疲れた時にはゆっくりと眠ることが必要です。

寝付きが悪かったり充分な睡眠が取れていないと感じる人は、眠りやすいように環境を整えてみましょう。

自分の首の高さに合った枕に変える、部屋着ではなくパジャマで寝るようにするなど、眠る際のアイテムを工夫することも効果的です。

食生活を見直す

忙しくて食事の時間がゆっくり取れないと、つい簡単なもので済ませてしまい、必要な栄養が不足してしまいます。

食生活を見直すことは、心が疲れた時に試したい対処法のひとつです。

精神的な疲れにはカルシウム不足も関係しているので、チーズやヨーグルトなどの乳製品を積極的に摂るようにしましょう。

また、おいしいものを食べて食事そのものを楽しむことも「心の栄養」になります。

自分の時間を作る

やるべきことに追われる生活をしていると、自分の自由な時間を持つことができず、心が疲れたままの日々を過ごしてしまいます。

「休日は溜まった家事をこなすだけ」「育児には休みがない」という人は、定期的に自分の時間を予定に組み込んでしまいましょう。

有給を利用して連休を作ったり子供を預かってもらったりして、自分のやりたいことに専念できる時間を作ることが大切です。

実家が遠い・託児所は高い、といった場合でも自治体の一時預かりサービスなら低価格で利用できますので、ぜひ検索してみてください。

SNSと適切な距離を取る

情報収集ツールとしてSNSはとても便利なものですが、「SNSの人間関係に疲れた」と感じる人も多いでしょう。

友達のコメントを見逃さないようにしたり、「いいね」を増やそうと毎日投稿し続けるのはしんどいものです。

SNSから距離を取るのは心が疲れた時の対処法として効果的なので、更新頻度を減らしたり見る時間を決めるなど、適度な利用を心がけてください。

ストレッチをする

仕事や家事が一段落した時、自然と腕をあげて大きく伸びをしていた、という経験がだれにでもあるはずです。

ストレッチは固まった筋肉をほぐすことが主な目的ですが、実は緊張感や不安感をやわらげるリラックス効果もあります。

心が疲れた時にストレッチで身体をほぐすのは頭の切り替えにもなるので、気分転換としてもおすすめです。

心が疲れた時にしてほしい行動

ストレスが溜まってくるとイライラが増え、余計な疲れまで増やすことになってしまいます。

疲れた心を放置しておいても時間が解決してくれることは少ないので、積極的に動くことが大切です。

心が疲れた時におすすめの行動を実践して、ストレス解消にぜひ役立ててください。

森林浴をする

一般的に森林浴にはリラックス効果のイメージがありますが、実際に科学的な根拠に基づいた癒やし行為なのです。

天然の樹木からは「フィトンチッド」という安らぎ物質が発せられていて、いわゆる「森の香り」がこれに当たります。

匂いをかいだり深呼吸するとフィトンチッドが体内に作用し、リラクゼーション効果が得られるのです。

近所の公園や緑が多い場所での散歩も有効なので、心が疲れた時は緑の中でゆっくり過ごしてみてください。

動物とふれあう

動物の体をなでたり一緒に遊んでいると、イライラしていた気持ちがいつの間にか収まっていることがあります。

これは「アニマルセラピー」という行為で、心や精神の安定をはかるための治療法として、緩和ケア病棟でも取り入れられているのです。

ペットを飼うことが難しいという人は、猫カフェなどを利用してもいいですし、動物園には小動物とふれあえる広場もあります。

心が疲れたと感じる時は動物とふれあってみましょう。

温泉に行く

日々の生活の中で身体や心が疲れた時、「温泉に行きたい」と思う人は多いのではないでしょうか。

温泉には疲労回復効果があるだけでなく、なにも考えず湯船にゆったり浸かれることもリラックス要素となっています。

毎日がしんどい・疲れた、と感じたら温泉で疲れを洗い流しましょう。

心の疲れを放置しているとどうなってしまうか…

「疲れた時は休む」というのが生きる上での基本ですが、これを怠るとどうなってしまうでしょうか。

心の疲れに気づかなかったり見ないふりをしていると、次第に深刻な事態になってしまうこともあるのです。

心が疲れた状態を放置していると起こりやすい変化や心理状況についてご説明しますので、注意してください。

身体に変調をきたしてしまう

心が疲れたまま無理に生活を続けていると、やがて身体にSOSのシグナルが出始めます。

頭痛や胃痛・めまいに貧血など、その症状は人により様々ですが、知覚しやすい体調の異変として現れるのです。

原因のわからない身体の不調に陥ったら、医療機関に相談すると共に、見過ごしている心の問題がないか見つめ直してみましょう。

自分を大切にできなくなる

本当は心が疲れたと感じているのに「休まない」「対処法を探さない」のは、言い換えれば「自分をないがしろにしている」ということです。

体調や自分の気持ちより優先すべきことがあるのかもしれませんが、その状態が長く続けば心の健康も損なってしまいます。

自分を大切にできないと自己肯定感が薄くなり、生きる意味を失って思いつめてしまうことにもなりかねません。

心が疲れた時に見て欲しい名言

身体が疲れた時の回復方法は睡眠や食事など、だれでも共通しているものですが、心が疲れた時の回復方法は人それぞれです。

これまでの対処法に加えて、先人たちの名言もご紹介しておきますので、生きることに疲れたり心をリセットしたい時には思い出してみてください。

斎藤茂太「苦労から抜け出したいなら、肩の力を抜くことを覚えなさい」

斎藤茂太は大正生まれの精神科医で、その語り口のやさしさから「モタさん」と親しまれた人物です。

戦時中は軍医として活躍した他、アルコール依存症患者の治療に携わった経験から、多くの人に寄り添う著書を数多く残しています。

心が疲れた時はまず肩の力を抜くことから始めよう、と教えてくれるやさしい言葉です。

デューク・エリントン「空が曇っているときは、雲が横切っているだけなんだよ」

エリントンはアメリカのジャズピアニストです。

1964年に来日した際に新潟地震が起き、被害の大きさを知った彼は次の海外公演をキャンセルして、東京でチャリティコンサートを行いました。

その功績が讃えられ、新潟市から国際親善名誉市民の称号が贈られています。

曇りもいつかは晴れる、という意味の言葉は心が疲れた時に強く響くはずです。

マヤ・アンジェロウ「もしわたしが自分自身にやさしくなれなければ、いったい誰がわたしにやさしくするというのでしょう?」

アンジェロウはアメリカの公民権運動に従事した人物で、幼少期から壮絶な経験をしてきた黒人女性です。

尊厳を踏みにじられるような体験をした彼女の言葉には、表しきれないほどの重みがあります。

だからこそ、心が疲れた時にはその言葉が救いになるはずです。

心が疲れたら絶対に休むようにしよう

心が疲れた状態が続くと些細なことにイライラしたり、生活のゆとりを失ってしまいます。

もしも心が疲れたことに気付いたら、まずはゆっくりと休養をとってください。

身体だけでなく心の健康も大切にしてノンストレスな人生を送っていきましょう。