オフィスビルの喫煙スペース、居酒屋、電車やバスの中・・・
そうした場所で時折聞こえてくるのが、自分の働く会社について不満を漏らすサラリーマン達の声。
「上は分かってないよな~・・・」
「課長は〇〇さんを注意するべきなのにさ~・・・」
「だからウチの会社はダメなんだよな~・・・」
もしかしたらあなたも、その中の一員として参加した経験があるかもしれません。
しかし、こうした不満は会社に期待しなければ囚われることがなくなり、ラクに働くことが可能となります。
あなたの職場にも一人はいるでしょう。
どんなに会社で問題が起きても、上司が理不尽なことを言っても、同僚が愚痴をこぼしても、なぜか冷静で動じない人。そんな人を見て「冷たい人だな」「もっと会社のことを考えればいいのに」と思ったことはありませんか?
実は、その人こそが「仕事ができる人」の典型例なのです。
毎朝の通勤電車で聞こえてくる愚痴、オフィスの給湯室での不満の声、居酒屋での会社批判—これらすべてに共通するのは「期待の裏返し」だということです。「会社はもっと良くなるはず」「上司は部下のことを考えるべき」「同僚はもっと協力的であるべき」といった期待があるからこそ、現実とのギャップに苦しむのです。
しかし、本当に成果を出し続けている人たちは、そもそもこうした期待を抱いていません。なぜなら、彼らは「自己責任の生き方」を実践しているからです。
この記事では、なぜ仕事ができる人が会社や他人に期待しないのか、そしてあなたも「自己責任の生き方」を身につけるためのトレーニング方法について、詳しく解説していきます。
会社に期待しないのがベストである4つの理由

まず、なぜ会社に期待しない方が良いのか。
その理由は以下の4点から理解することができます。
会社は強い者の味方
会社内で人間関係のトラブルが起きた場合、会社は当人達を含めた関係者から事情を聴取し、必要に応じた処分や対策を講じます。
この時に、会社が被害者側の味方をしてくれると期待している人がいますが、それはただの幻想です。
会社で大切にされるのは、会社にとって有益な人間です。
ここでの「有益」とは、会社にお金を落としてくれるという意味であり、例えば営業であれば新規契約を取り付けて売上を出すこと。
つまり、強い者に味方し優遇します。そうした方が会社が潤うからです。
決して弱い方の味方をしてくれることはないのです。
会社は都合の悪いことは隠す
会社には日々、多くの問題が発生しているもの。
しかし、それらが表に出ることはほとんどなく、社内で闇に葬られます。
時折ニュースでハラスメント問題や不正会計問題などが取り上げられバッシングが吹き荒れますが、あれは氷山の一角に過ぎません。
そのようになる原因はただ1つ、会社がそれらの事実を隠そうと躍起になって工作するからです。
よく守秘義務という名目のもと、業務の実態や詳細を外部に漏らすのは禁止という就業規則が定められていますが、あれもその一環と言えます。
都合の悪いことを隠すのは、昔から現在までほとんどの会社がずっとやってきたことなのです。
会社は利益さえ出ればいいと考えている
昨今は会社にコンプライアンス(法令遵守)が厳しく求められていますが、会社からするとそれよりも利益を優先したいのが本音です。
表面上はコンプライアンスについて社員へ研修したり、自社のホームページで最もらしいことを書いていますが、裏ではそんなものは知らんとばかりの振る舞いをしていることは珍しくありません。
会社にとって第一優先は利益であり、コンプライアンスは「世間がうるさいから仕方なくやってる風にしてる」に過ぎないのです。
分かりやすい例を挙げると、残業がまさにそれに該当するでしょう。
「〇〇時以降はオフィスを全消灯し施錠するので、残業できないようにしている」とあっても、実は社員はカフェや自宅で仕事している・・・なんて、珍しくもないこと。
これなら世間にはコンプライアンス違反していないと言えますし、『残業』でがないから社員に残業代を出す必要もありません。
仮に内部告発などされても、「本人が自主的にやったこと」などと責任逃れするのがオチです。
このように、利益さえ出せればそれで会社はいいのです。
会社は社員を低く見ている
会社はこう言います。
「我が社にとって社員は人財。不満や意見があれば遠慮なく言ってほしい。」
もしこれを真に受けている方は、今すぐ考えを改めることをおすすめします。
社員がどれだけ不満や意見を言っても、それで会社の体制が変わる可能性はほぼゼロです。
会社からすれば、「文句があるなら辞めていい。代わりはいくらでもいる。」というのが本音。
それほど強気である理由は、社員も自分の生活がかかっているため、安易に辞められないことを分かっているからです。
だから社員を舐めていますし、扱いも雑で心底どうでもいいと考えています。
期待しなければ感情が乱されることはない

会社に期待しない場合の最大のメリットは、感情的にならず常に平常心で過ごせることです。
よく芸能人がスキャンダルを起こすと、「幻滅した」とか「最低だ」なんてことを言っている人が大勢います。
それは多かれ少なかれ、その芸能人に期待していたからに他なりません。
会社も同じで、自分が期待していた以下のことが起きると、怒りや悲しみ、絶望や諦めといった感情が沸き起こるのです。
つまり、最初から期待していなければ、そのような感情になることもありません。
優秀な人は、そうした期待をしていないから自分の業務をしっかりこなし、常に動じず堂々としているのです。
「期待しない」ことで得られる驚くべきメリット

会社に期待することの本当のコスト
多くの人が気づいていない事実があります。それは、会社や他人に期待することで、あなたは日々膨大なエネルギーを無駄に消費しているということです。
心理学の研究によると、人間は期待と現実のギャップを感じるたびに、ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌されます。このホルモンが慢性的に分泌され続けると、集中力の低下、判断力の鈍化、さらには免疫力の低下まで引き起こすのです。
つまり、会社に期待し続けることで、あなたの本来のパフォーマンスは確実に下がっているのです。
仕事ができる人の「無期待システム」
一方、仕事ができる人たちは独自の「無期待システム」を構築しています。このシステムの特徴は以下の通りです。
1. 現実認識の精度が高い 期待というフィルターを通さずに現実を見るため、状況判断が正確になります。会社の方針変更、上司の機嫌、プロジェクトの進捗—すべてを客観的事実として捉えることができるのです。
2. 感情の浮き沈みが少ない 期待していないため、予想外の出来事が起きても感情的にならずに済みます。この安定した精神状態こそが、継続的な高いパフォーマンスを支えているのです。
3. エネルギーの使い方が効率的 他人や会社を変えようとする無駄なエネルギーを一切使わず、自分でコントロールできることにのみ集中します。結果として、同じ時間でより多くの成果を生み出すことができるのです。
企業の本質を理解した冷静な判断
実際に、多くの企業で働いた経験のある人なら分かるでしょうが、会社というのは以下のような特徴を持っています。
利益最優先の意思決定 どれだけ社員思いのことを言っていても、最終的な判断は常に利益ベースで行われます。これは悪いことではなく、企業として当然のことなのです。
強者に有利なシステム 人事評価、昇進、待遇—すべて会社に貢献度の高い人が優遇されます。これも企業として合理的な判断です。
都合の悪い情報の隠蔽 コンプライアンス違反、ハラスメント問題、不正会計—表面化するのは氷山の一角に過ぎません。
これらを「会社が悪い」と批判するのは簡単ですが、仕事ができる人はこれを「企業の本質」として受け入れ、その前提で最適な行動を取っているのです。
淡々と最低限の責務をこなせばいい

そもそも会社が誰のためにあるのかと言えば経営者や株主のためにありますし、何のためにあるのかと言えばお金を儲けるためです。
その中に「社員のため」は含まれておらず、会社がお金を稼ぐための道具の1つというだけです。
なので自分に与えられた仕事をこなしておけばいいだけで、余計な思考を巡らせたり行動を起こす必要はありません。
もちろん会社のために何かしたいのであれば別ですが、そうでなければそこにかける分の労力を、自分のために使った方が遥かに良いでしょう、
責務をこなせば会社は文句を言ってきませんし、不満や意見を言わなければ「あいつは問題ない」と見なされて放置されます。
放置されるということは監視の目が緩くなるということなので、その隙を狙って自分の時間にしてしまえます。
自己責任の生き方がもたらす自由と成長

あなたが本当に手に入れたいものは何ですか?
毎日の通勤ラッシュ、理不尽な上司、やりがいを感じられない仕事、将来への不安—これらすべてから解放された生活を想像してみてください。
自己責任の生き方を身につけた人たちは、以下のような状態を手に入れています。
精神的な自由 他人の行動や会社の方針に一喜一憂することがなくなり、常に平常心を保てるようになります。この精神的な安定感は、あなたの人生の質を劇的に向上させるでしょう。
時間の有効活用 愚痴を言う時間、不満を抱える時間、他人を変えようとする時間—これらがすべてなくなることで、自分の成長や目標達成に集中できるようになります。
キャリアの主導権 会社に依存しない生き方を身につけることで、転職、独立、副業—あらゆる選択肢を冷静に検討できるようになります。
経済的な安定 感情的な判断ではなく、合理的な判断で投資や副業に取り組むことができ、複数の収入源を確保できるようになります。
成功者たちの共通点:「期待しない力」
実際に成功している人たちの多くが、この「期待しない力」を身につけています。
例えば、スティーブ・ジョブズは「他人の意見という雑音に惑わされてはいけない」と語りました。彼は他人や既存の常識に期待せず、自分の信念に基づいて行動し続けました。
日本でも、ソフトバンクの孫正義氏や楽天の三木谷浩史氏など、多くの成功者が「他人に期待しない」姿勢を貫いています。彼らは周囲の反対や批判を受けても、自分の判断を信じて行動し続けたのです。
これは偶然ではありません。成功するためには、他人の価値観や期待に振り回されることなく、自分の価値観と判断基準を持つことが不可欠だからです。
自己責任の生き方が開く新しい可能性
自己責任の生き方を身につけることで、あなたには以下のような新しい可能性が開かれます。
1. 真の実力が身につく 他人に依存しない生き方を身につけることで、どんな環境でも結果を出せる真の実力が身につきます。
2. 人間関係が改善する 期待しないということは、相手をそのまま受け入れるということです。結果として、より健全で持続可能な人間関係を築けるようになります。
3. 新しいチャンスを掴みやすくなる 感情的な判断ではなく、合理的な判断ができるようになることで、他の人が見逃すチャンスにも気づきやすくなります。
4. ストレス耐性が高まる どんな困難な状況でも「自分でコントロールできること」に集中できるため、ストレスに強くなります。
今すぐ始められる「自己責任の生き方」トレーニング

ステップ1:現実認識の精度を上げる「事実と感情の分離トレーニング」
まず最初に身につけるべきは、事実と感情を分離する能力です。
具体的な方法:
毎日5分間、その日に起きた出来事を以下の形式で整理してください。
- 事実: 何が実際に起きたのか(客観的な事実のみ)
- 感情: その時にどんな気持ちになったのか
- 期待: 何を期待していたのか
- 現実: 実際はどうだったのか
例:
- 事実: 上司がプレゼン資料にダメ出しをした
- 感情: イライラした、悔しかった
- 期待: もっと建設的な意見をもらえると思っていた
- 現実: 上司は忙しく、詳細なフィードバックをする時間がなかった
このトレーニングを続けることで、感情的になりがちな状況でも冷静に事実を把握する力が身につきます。
ステップ2:コントロール可能領域の明確化
次に重要なのは、自分がコントロールできることと、できないことを明確に分けることです。
コントロール可能なもの:
- 自分の行動と選択
- 自分のスキルアップ
- 自分の時間の使い方
- 自分の感情のコントロール
コントロール不可能なもの:
- 他人の行動と判断
- 会社の方針や制度
- 経済状況や市場の変化
- 過去の出来事
毎週末に、その週の出来事を上記の2つのカテゴリーに分けて整理してください。そして、来週はコントロール可能な領域により多くの時間とエネルギーを投入することを決意しましょう。
ステップ3:「期待値調整」の習慣化
期待値を適切に調整することで、不要なストレスを大幅に減らすことができます。
期待値調整の具体的方法:
- 最悪シナリオの想定 何かを期待する前に、最悪の場合どうなるかを考えてみましょう。そうすることで、実際の結果に対して感情的になりにくくなります。
- 相手の立場で考える 他人に何かを期待する前に、相手の立場や状況を考慮しましょう。相手にも相手なりの事情や制約があることを理解することが重要です。
- 代替案の準備 期待通りにならなかった場合の代替案を常に準備しておきましょう。これにより、予期せぬ事態にも冷静に対応できます。
ステップ4:「自立型思考」の養成
自己責任の生き方の核心は、「自立型思考」を身につけることです。
自立型思考の特徴:
- 問題が起きた時、まず「自分に何ができるか」を考える
- 他人を批判する前に、自分の改善点を探す
- 環境を嘆くのではなく、その環境で最善を尽くす方法を考える
- 結果に対して言い訳をせず、次回どう改善するかを考える
具体的なトレーニング方法:
問題が発生した時は、以下の質問を自分に投げかけてください。
- この状況で自分にできることは何か?
- なぜこの問題が起きたのか?自分に原因はないか?
- 同様の問題を今後避けるために、自分は何を変えるべきか?
- この経験から何を学べるか?
ステップ5:複数の収入源の構築
経済的な自立は、精神的な自立の基盤となります。
今すぐ始められる方法:
1. スキルの棚卸し 自分の持っているスキルを全てリストアップし、それぞれをお金に変える方法を考えてみましょう。
2. 小さな副業から始める
- ライティング(クラウドソーシング)
- オンライン講師
- ハンドメイド商品の販売
- 株式投資やFX(少額から)
- ブログやYouTube
3. 学習への投資 将来的により高い収入を得るために、新しいスキルの習得に投資しましょう。プログラミング、マーケティング、語学など、需要の高いスキルを選ぶことが重要です。
ステップ6:人間関係の「断捨離」
自己責任の生き方を身につけるためには、人間関係の見直しも必要です。
距離を置くべき人:
- 常に愚痴や不満ばかり言う人
- 他人の批判ばかりする人
- 依存的で自立していない人
- ネガティブな影響を与える人
大切にすべき人:
- 自立している人
- 前向きで建設的な人
- お互いに成長し合える人
- 価値観や目標が似ている人
ステップ7:長期的な人生設計
自己責任の生き方は、長期的な人生設計と密接に関わっています。
人生設計の具体的ステップ:
- 10年後のビジョンを明確化 どんな生活を送っていたいか、どんな仕事をしていたいか、どんな人間関係を築いていたいかを具体的に描きましょう。
- 5年計画の策定 10年後のビジョンから逆算して、5年後にはどうなっている必要があるかを考えましょう。
- 年間目標の設定 5年計画から逆算して、今年達成すべき具体的な目標を設定しましょう。
- 月次・週次・日次の行動計画 年間目標を達成するための具体的な行動を、月次、週次、日次レベルまで落とし込みましょう。
ステップ8:メンタルヘルスの維持
自己責任の生き方を実践する上で、メンタルヘルスの維持は欠かせません。
具体的な方法:
- 瞑想や呼吸法の実践 毎日10分程度の瞑想を行うことで、感情のコントロール力が向上します。
- 定期的な運動 運動はストレス軽減と集中力向上に効果があります。
- 十分な睡眠 質の高い睡眠は、判断力と感情のコントロール力を高めます。
- 趣味や娯楽の時間 仕事以外の時間も大切にすることで、バランスの取れた生活を送れます。
自力で安定的に稼げる仕組みを作ろう

自分の時間が作れたら、そこで自力で稼げる仕組みを作るための作業をすることをおすすめします。
会社に期待せず働くことはラクですが、とはいえストレスの溜まる出来事は多く発生するもの。
どれだけ無関心でいようとも、会社に属している限り自分に降りかかってくる厄介事から逃れられないこともあるのです。
そこから抜け出すには、会社自体を辞めるしかありません。
辞めても問題ないようにするために必要なのは、第一にやはりお金です。
なのでお金を稼げる仕組みを自分で作ることは、とても意味のあることです。
副業としてブログやアフィリエイト、株式投資など低リスクでスタートし大きな稼ぎ口として成長させられるものもたくさんあるので、やらない手はありません。
自分の人生は自分で切り拓く

今や会社は社員のために何かしようなどとは思っていません。
昔のように終身雇用制で定年まで面倒を見る余裕もありませんし、社員のキャリアを積み重ねて成長させようというつもりもないです。
だから自分がこれからどう生きていくか、どんなキャリアを積んでいくかは、全て自分で考え切り拓いていく必要があります。
会社には多くのリソースと呼べる情報や人脈を得るチャンスがあるので、これを使い倒す勢いで自分の人生に役立てましょう。
会社へ自分の貴重な時間を捧げているのですから、それくらいしたって問題ありません。
生き方や働き方に悩み、1人での解決が難しければ、コーチングで思考を整理し自分の今後を考えるサポートをしてもらうのも良いでしょう。
あなたの1度しかない人生を、大切にしてくださいね。
